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育てる 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
親はなくとも子は育つ-そこには決して「教育は不要」という意味はない。親代わりになる世間があったから成り立つ理論だ。今の日本に、育(はぐく)むという空気がどのくらいあるだろうか。 次世代のことを考えているリーダーが何人世界にいるのか。どん... -
響く 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
響くという言葉は、何も音楽の世界だけの言葉ではない。響く言葉は人の心に深く残り、ホールを響かせる音は聴衆の記憶に残るだろう。聞く、聞こえることから一歩踏み込んだ姿勢だと言える。音は空気を振動させ伝わっていく。振動の様子は楽器によってすべ... -
どんぐり 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
熊が人里に出没するニュースが夏の終わりから紙面やテレビを賑(にぎ)わせていた。不足しているどんぐりなどのえさを人間の手で補おうという運動があり、それに対する批判も紙面に掲載された。私も反対派だ。一時的な温情が人間と動物の共存のバランスを... -
ながら族 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
道路交通法が改正になり、自動車や原動機付自転車の運転中に携帯電話等を手で持ち通話したり、メールの送受信等を行なったりした場合に反則金、これを払わないと五万円以下の罰金、という罰則規定が今月から施行されている。 この規定に「自転車を運転中... -
言葉と音楽 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
音楽にお国柄というものが出る要因のひとつは言語にある。日本人の脳の働きと西欧人のものとは違うという研究結果がある。このことが言語習得と音楽において重要な意味を持つ。音をどのように認識するかという機能が母国語の言語によって異なるのだ。 ... -
監督 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
日本シリーズが激戦のさなかである。野球の監督という立場は、指揮者と似ているところがある。中日ドラゴンズは星野監督の頃(ころ)からそういう視点で注目していた。今年新任の落合監督で見事に日本一を狙うチームになったことで、ますます目が離せなく... -
アマチュア演奏家たち 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
国内の音楽愛好家として楽器を演奏する人の数は膨大だ。関東圏だけでオーケストラなどのアンサンブル団体が、一般団体と学生団体をあわせて四百六十余り、全国津々浦々あわせると一般団体六百七十余り、大学生以上の学生団体百五十、そしてこれまでに少し... -
野球 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
今年の野球界は嵐が吹き荒れた。その中で中日ドラゴンズの優勝はマイペースの勝利だろう。チーム力を内部から活性化させ、選手の潜在的な力を高めた落合監督の手腕は見事。この落合監督についてメディア関係者から厳しい評価が下されている文章を何度か読... -
制服 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
夏の制服着用は辛(つら)かった気持ちが懐かしい。それにしても近年制服族といわれる職種の不祥事が増えているように思い悲しい。 音楽家の制服はステージ衣装。最近はデザインも豊富になったが、コンサートのお客様は女性演奏家の衣装を楽しみにしてい... -
速度-テンポ 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
速度を表す音楽用語はたくさんある。「Andante(アンダンテ)歩く速さで」「Moderato(モデラート)中庸に」「Allegro(アレグロ)快速」…。これらの速度表示は実はイタリア語。辞書を引くともっとイメージの湧(わ)く言葉...