筑豊フィルハーモニー管弦楽団第8回定期演奏会終演

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3回目の共演となった、筑豊フィルハーモニー管弦楽団の皆さんとの第8回定期演奏会、おかげさまでお客様もたくさんお越しくださり終演となりました。初回、ドヴォジャークSym.8 昨年がベートーヴェンSym.7 そして今回ブラームスのSym.1と、メインとして取り上げる作品が少しずつ難易度が増していました。どの作品もそれぞれの難しさがありますが、やはりブラームスはオーケストラの多面的な力の結集が求められます。特に1番はコンサートマスターのソロをはじめとして、ソリスティックな感覚をもってアンサンブルをすることが求められるパートが多い。且つ、室内楽的な内声を大切にした緊密なアンサンブルも。そしてブラームスが構築した隙のない重厚且つ緻密な音楽の建築物としての姿。何度手掛けても手の届かないと感じる、素晴らしい作品への敬愛の念は深まるばかりです。



公演を撮影されていた澁谷拓司さん(Solves Lens)からオーケストラに届いたお写真をいただきました。

1曲目のワーグナー「ローエングリン」第三幕への前奏曲については、同日この曲を含むワーグナープログラムを東京で指揮していたお弟子様から、近年多くのワーグナー資料をお借りしての勉強の流れでした。これまで最も遠ざけていた作曲家です。しかし機会を頂き総合的に勉強深める中で、自分の視点が変わってきましたね。オーケストラは熱き魂そのまま、しっかり奏でていました。
2曲目、シベリウス「カレワラ組曲」は、自分も何度も手掛ける中楽譜の問題が残っている作品・・・ということで、試行錯誤しながら取り組みます。現状の資料の中で自分のスタイルは持っていますが、不足資料や未知の情報もまだ存在しており・・研究者の皆さんからの報告も待っているところです。オリジナルが破棄されている以上、本当の再現は難しいのかもしれませんが。2曲目のバラードは非常にこだわりを持っています。原曲の歌詞が持つ背景がしっかり感じられるような音作り、バランス、強弱設定・・・オーケストラも丁寧に演奏してくださいました。アンサンブルが難しい曲でもあります。課題は次回への宿題! 有名な2曲目の「行進曲風」は、これまた手ごわく、しかしあの爽やかな旋律が生きるために工夫も必要。アンケートでは世界の現状と照らし合わせて、このカレリア地方の歴史にも思いをはせて聞いてくださった方がいらしたようでした。

来年、2023年10月22日(日)筑豊地区の飯塚にて、4回目の共演が決まりました。
この時には、飯塚とご縁のある現在名古屋フィルハーモニー管弦楽団のトランペット奏者である、坂本敦さんをゲストとしてお迎えします。坂本さんとは、私はフィンランドでご縁ができたのですが、こうして共演となったこととても嬉しく思っています!来年もぜひ筑豊の皆様、ご来場ください。リニューアルオープンのホールでの開催です。

筑豊フィルの皆様、本当にありがとうございました。
音楽監督の加治誠子さんはじめ、プロ奏者として活躍されている皆さんが弦楽器のトップを務められている、プロアマ混合のオーケストラです。トップだけではなくお忙しい中皆さん活動にご協力くださっています。そして筑豊地区のみならず福岡県だけでもなく九州各地からメンバーが集まる新しい楽団です。地域に根差した活動を様々工夫されています。ぜひ応援ください!来年もどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました!

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