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音楽と言葉 その2
この秋は聴衆になることも多い月だった。その中でも度々この命題―音楽と言葉―を体感した。 あまりに重要な問題を掲げてしまったので、公演の合間にとても書く気持ちにはなれず、珍しくも一月間があいてしまった。又寄り道をしながら書くことになるかもし... -
音楽と言葉 その1
しばらくエッセイから遠のいていましたが、復活です。 音と言葉―というと、かの名指揮者フルトヴェングラーの名著がある。また丸山圭三郎氏による、言葉と無意識―という15年ほど前に出版された新書も興味深い。音楽家にとっての言葉、というのは二重の意... -
なぜ北欧音楽を? その3
解決編にはならないかもしれないが、現在に至るまで心にあることを書いてみる。 シベリウスは1865年生まれである。フィンランドには今手元にある資料では1761年生まれのエリク トゥリンベルクから現在に至るまで70名余りの作曲家が協会に登録され、今尚... -
指揮者紹介 その2
次のシーズンへと入る前にオペラ劇場で出会った指揮者たちを書き忘れていたのであらためてご紹介。<エリ クラス エストニア> ヴァンスカ氏のアシスタントとして2001年2月に国立歌劇場の仕事に入ったとき、紹介いただいた。フィンランドで多くオペ... -
指揮者紹介 その1
北欧音楽にこだわる理由を明らかにするエッセイの前に、ちょっと寄り道をしてみた。北欧紹介のコーナー、アンサンブルイリスのコーナーに掲載する資料をまとめるうちに、2年間様々な指揮者との出会いがあったことをあらためて思い出したのだ。簡単な紹介コ... -
なぜ北欧音楽を? その2
シベリウス交響曲第1番の力強さと優しさのコントラストに非常に魅力を感じているうちに、ニールス ゲーゼというデンマークの作曲家の存在を教えてもらった。この交響曲第1番の衝撃は忘れられない。ゲーゼは1817年-1890年の人生であるから初期~中期ロマ... -
なぜ北欧音楽を? その1
このところ北欧作品の演奏の機会がお陰さまで増えてきて、この質問を多く頂く。 北欧の作品とのはじめの出会いは もちろんグリーグ「ペールギュント組曲」そして「ピアノ協奏曲」。このうち「ペールギュント」の方は、子供の頃小学館から出版されていた... -
休暇制度
これは果たして書いてよいか否か、随分迷った。あまりに社会環境が違う日本とフィンランドであるから。 以前楽員が耳栓をしていたことに驚いたと記したが、もう一つもっと大きな驚きがあった。それは休暇のシステム。規約としての正式なものはあいにく情... -
シベリウス音楽祭
2000年9月から始まったシベリウス音楽祭。今年で3回目を迎えた。第1回は全交響曲とヴァイオリン協奏曲。第2回が交響詩とオーケストラ伴奏の歌曲。今年は再び全交響曲とヴァイオリン協奏曲。来年は声楽作品を主軸においている。すべてオスモ ヴァンスカ指... -
身内意識
悪い言葉として身内意識ということが日本でも各方面で取上げられる。閉鎖性にもつながるし、狭い視野から物事への発展性に欠けるということも生まれやすい。フィンランドも身内意識は強いと感じる。北欧で仕事をしていたある指揮者からも「北欧は閉鎖的だ...