日本の曲


 昨日は都響の定期演奏会に。同門の梅田俊明さん指揮。今月の都響は邦人作品が並びます。私はこの企画は大賛成。


 予想より聴衆の数も多く、大好きな東京文化会館での久しぶりのコンサートを堪能。梅田さんはいつもながらの的確な無駄のない指揮で、迷いのない道を作っていたように思った。

1曲目、メシアンと同い年のダニエル・ルシュールというフランスの作曲家は初めて知った。弦楽合奏とピアノ・打楽器という編成で序曲に続き9曲の舞曲が並んだ。非常に親しみやすいリズムと旋律。

2曲目、八代秋雄のピアノ協奏曲は1967年に中村紘子氏で初演されて以後、数多くステージに上っている邦人のピアノ協奏曲。指揮者コンクールの課題曲になったことも記憶に新しいです。ピアノの野原みどりさんとは、10数年前にこの都響の音楽教室コンサートでグリーグの協奏曲をご一緒したことがあります。非常に丁寧に丹精に音を紡ぐ人、という印象があり、この日もまさにそのスタイルの演奏。楽譜が綺麗に浮かび上がってきます。

3曲目、別宮貞雄氏の「交響曲第4番~夏 1945年 日本の挫折と復興」。タイトルからとても多くのイメージが喚起されるが、おそらくその捕らえ方は相当に多岐に渡るのではないか・・・・と、聴きながら思った。別宮さんの作品は私の初めの師匠小松一彦氏が放送にて初演なさっていることを知った。小松先生は中央大学のオーケストラでも別宮さんの小品を取り上げていらした。演奏した記憶がある。(当時私は団友としてヴァイオリンで参加していた)

邦人作品は聴くことも演奏することもこの10年で個人的にその機会がとても増えた。吹奏楽の世界は邦人作品が当たり前で、幸せなことに毎年新しい刺激的な作品に出会うチャンスがある。吹奏楽、管弦楽、弦楽いずれの分野でも現在存命の邦人作曲家とのコラボレーションを経験できていることは、とても幸せで意義あることだと思っている。

現在まさに来月本番の弦楽合奏本番のためのリハーサル進行中。邦人作品が3曲並んでいる。この10年でいわゆる自分の国の同じ時代の作曲家とどのようにお付き合いをするべきか・・・・その意識が自分の中でとても変化してきた。

日本の音楽家が日本の音楽を自信を持って紹介せずに、誰がこの作品たちを世の中に残していくのか・・・。簡単に言うとそんな気持ちで接している。作曲家もそのスタイルは様々なので一概には言えないが、邦人作品の演奏はもっと日本語で語ってもよいのではないか・・・。最近はそんなことも感じている。フィンランドが自国の作曲家たちを大切にして、その作品を自信を持って世の中に送り出す姿をずっと見てきて、いろいろと考えさせられるのです。この日の作品たちも、自分だったらどうするか・・・・そんなことも考えながらじっくり拝聴。

ステージ裏でいろいろな知り合いの皆様とご挨拶済ませてホールを後に。


 この日は三人で拝聴。阪大大学院を無事に卒業、そしてこの春から東京での仕事が始まる「あやなさん」。この日は家探しもありました。お弟子様も協力して、どうやら新生活の場所が決まったようです。おめでとう!フィンランドでの素晴らしい勉学の日々、そして何事にも前向きに目標を達成していくバイタリティー。素晴らしい若者が人生を踏み出します。東京ライフ応援しますよ!頑張ってね!!

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