エッダ・サガの地へ


 突然ですが、14日からアイスランドに来ています。北欧言語、文化の大本の大地です。

昨年アイスランドのチェロのBryndís Halla Gylfadóttirブリンディス女史とオウルンサロ音楽祭で共演しましたが、彼女の不思議な魅力を思い出します。いつか地球の神秘をその目で見ることができる大地に・・・と思っていました。

今回は母との旅で、母の強い後押しもありまして少し無理をして思い切ってフィンランドから飛びました。

飛び出してみるものです。偶然とは恐ろしい・・・・

ヘルシンキからオスロそしてレイキャビークという空路でしたが、オスロまでのフィンエアで、なんとお隣に指揮者のPetri Sakari ペトリ・サカリ氏が・・・!アイスランド響のお仕事でレイキャビークへ向かわれるとのことです。来日公演のことも含めていろいろお話をしました。リハーサルにご招待いただいたので、急遽レイキャビークでリハーサルを見学することにもなりました。なんという出会い!

プログラムはシベリウスチクルスのものであるとのこと、リハーサルに伺う日は何と交響曲第4番!私が現在スコアを持ち歩いている曲であります。これは何かのお導きだ・・・・と、アイスランドの空を仰いでしまいました。


 15日は、まずは母とともに「ゴールデンサークル」といわれる名所のツアーでした。こちらはGullfoss(グトルフォス)。川幅およそ70メートル、滝の落差は32メートル、氷河から流れ出した水の滝です。20世紀初めに英国の発電所計画があったのを、シーグリーズルさんという少女の「この滝が買収されたら滝に身を投げます!」というメッセージで計画が中止になったというもの。その少女の像も滝の傍にありました。


続いてGeysir(ゲイシール)間欠泉です。地球の鼓動を感じる場所です。この場所はストロックルと名付けられた穴です。


 こちらが初代のゲイシール。現在この場所からはほとんど吹きあがらなくなったとか・・・


 実際に吹きあがるお湯や周りに流れているお湯は熱いところがあり、このような標識が。


 高台から眺めると、地球の命の始まりが想像できそう・・・


 続いてPingvellir(シンクヴェトリル)アイスランドの特別な文字でPに似ているものから始まるのですが・・Pではありません。ごめんなさい。この国立公園はアイスランドにとって一つのアイデンティティともなるべき場所。


 大地の裂け目は「ギャウ」というようです。ユーラシア大陸と北アメリカプレートが生まれて東西に分離している場所です。この二つのプレートは左右に広がり続けていて、毎年この国は2センチずつ東西に幅が広がっているとか。スケールが大きな話です。


 この裂け目で西暦930年、世界で初めての民主議会が開催されたのです。遠くに旗が見えるでしょうか・・・・・。そこが議会の場所。ノルウェーからの移住者たちが議会制民主政治を作り上げた場所です。アイスランド人にとって誇りとする場所だそうです。厳しい自然の舞台で、人間の尊厳と自由を誇り高く語り合った崇高な魂を感じる思いです。

この3か所がゴールデンサークルといわれるレイキャビークからバスで2時間~3時間の自然の名所です。


 虹の始まりも見えました。


お天気は目まぐるしく変わり、晴天から一気に風雨に見舞われたり・・その中で何度も見事な虹を見ました。

どんな芸術も叶わない自然の造形。そこから人間はまだまだ多くのことを教えてもらっているなと実感しました。

エッダ・サガというアイスランドの叙事詩、抒情詩はヨーロッパの他の文学にも大きな影響を与えています。北欧言語(スカンジナヴィア圏)の大本でもあるアイスランド語は現在のところ、ちんぷんかんぷんであります。でもその響きをしっかり耳に残したいと思って頑張ってます。

明日はアイスランド響のリハーサルに伺います!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • あの「虹の足の下に幸福が住んでいる」と子供の頃に読んだお伽噺を思い出しました。
    素晴らしい景色のオンパレードですね、母上も喜ばれた事でしょう。

  • >オケ・ロージンさん
    コメントありがとうございます。本当に圧倒的な風景でした。風雨に見舞われたり忙しい天候の中、母も堪能していたと思います。虹のお話・・・素敵です。

オケ・ロージン へ返信する コメントをキャンセル

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