関西からのお客様を迎えて


 本日はこちらに参りました。フェスタサマーミューザKAWASAKI2008。
 大阪大学交響楽団のつながり、フィンランド留学のつながりの「あやな」さんが上京。彼女ももう大学院2年生ということで、就職活動の最中です。今日の夜行バスで関西に戻るまでご一緒しました。


 ホールが企画する、主催するコンサートが増えてきました。通常では実現できないような内容や時間帯の選択もあります。魅力ある企画だと思います。

今日は15時開演の読売日本交響楽団。指揮者は下野竜也さん。休憩なしのおよそ70分のプログラム。フンパーティンク・ワグナー・シューマンというドイツの森・自然をテーマとしたもの。満席というわけにはいきませんでしたが、平日の昼間に都合がつく人、夏休みの人などなど様々な客層の皆さんが集まっていました。やはり空気はリラックスですね。こういうコンサートも素敵だなと感じました。


 終演後下野マエストロにもお会いして、その後アマチュアオーケストラでお世話になっているヴァイオリンの団員の方のお誘いを受け、「ベルギービール」のお店へ合流。楽員の皆さんとご一緒させていただきました。

読響は師匠尾高先生が名誉客演指揮者、そしてフィンランドの師匠が毎年客演ということでリハーサルにも度々お邪魔しています。オスモさんのシリーズもベートーヴェンとなり、今年も4番6番8番が取り上げられます。昨年までのニルセンの交響曲の熱演も忘れられません。

あやなさんは現在も関西でフィンランド語を勉強していますが、その先生はオスモさんのお兄様一家。宣教師として西宮でお仕事されています。そんなことで、オスモさんつながりの話も盛り上がりました。


 2時間ほどでお開きとなり、我々は新宿へ。次なる集いは、一人のフィンランド人の若者を迎えました。正確に記するなら、一人の大変に日本語が上手なフィンランド人・・・・です。学習暦は7年だそうです。いやはや、信じがたいほどの語学力。わが身を恥じましたね。ちょうど同じ年数をフィンランドと関わっていますが、とてもあのレベルまではフィンランド語を操れません。読む話すだけではなく、書くほうもほとんど日本人と変わらないレベルです。サンテリ君というそうですが、あやなさんの留学時代に知り合った情報工学の専門家です。

フィンランドの教育のこともいろいろ伺ってしまいました。やはり本当に勉強を積むということがどういうことか・・・・日本の「あいまいな」勉強の姿を振り返るひと時となりました。多くの知識ではなく自分で考える力が大切であること・・・・それが実践されている教育システム。


 こちらの御本、つい先日著者のおひとり、石野裕子さんからお送りいただきました。昨年の東京新聞フォーラムでお世話になった津田塾大学の先生です。フィンランドの知識をとても正確にわかりやすく、最新の情報を含めて書かれています。絶対にお薦めの本です。

ドイツからフィンランドに話が移ってきましたが、もう一度ドイツに戻します。

7月27日、敬愛する指揮者ホルスト・シュタイン氏が亡くなりました。享年80歳ということ。本当に残念です。悲しいです。もうずっとお体を悪くされているという情報は聞いていましたが・・・・

小学校高学年から高校入学までN響の定期会員でした。その間、何度このマエストロの演奏を聴いたことか・・・。73年のN響への初登場から名誉指揮者としての現在まで、私にとってはもっとも親しみを持って尊敬を持って拝聴していた指揮者でした。

若い頃、初めて海外に勉強のチャンスを・・・・というときに一度だけお話をさせていただいたことがあります。そのときにはリハーサルも拝聴していましたが、あのベートーヴェンの交響曲第6番は記憶に残ります。少し首を傾けながら、鋭く音を聴き紡いでいくスタイル、短い言葉で厳しく指摘し、また流れを作っていかれる。あの凝縮の時間は自分にとってひとつの理想の時間としてずっと大切に心に持っています。あの域のリハーサルができるためには、積み重ねあるのみだと思っています。表面的なことではない、長い経験と深い洞察からくる的確な判断。

歩み方はマエストロとまったく違う自分ですが、マエストロシュタイン氏の指揮者としての姿勢は目指すところです。

ドイツオペラ、ドイツの数々の交響的作品の素晴らしさは周知のことですが、マエストロの奏でたシベリウス作品も実は多いのです。

心よりご冥福をお祈りします。シュタイン先生、ありがとうございました。

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