このシリーズタクトを持たせていただくのは3回目となりました。
音楽団とのはじめの出会いがこのコンサート。「北欧シリーズ」として、珍しい北欧のオリジナル吹奏楽やアレンジされた作品を並べました。2回目はリードさん追悼のコンサート。
3回目の青少年コンサートとなった今回は、ビッグゲストをお迎えしてのものになりました。
ヨウコ・ハルヤンネ氏をゲストに迎えて、アルチュニアン作曲トランペット協奏曲を演奏。吹奏楽版の編曲は上埜さんによるものです。
実は今月3月は日本全国でこの協奏曲が何回も演奏されています。アルチュニアンマンス!となっていました。人気の高いトランペット協奏曲でもあります。
ヨウコさんの研ぎ澄まされた音色と、クリアーな音楽は確実なテクニックに支えられて、お客さまにも我々にもしみこみました。しかしあの微動だにしない立ち姿から、本当に幅の広い音楽とダイナミズムがほとばしり出る様には圧倒されます。一番近い位置で音をきいている自分でも、時々「いつ」音が出たかわからないほど、呼吸をするように音楽が流れ出します。
今回カデンツはオリジナルを演奏されています。ヨウコさんの自作のものです。それもまた目を見張るようなヴィルティオーゾスタイルのものでした。
コンサートのオープニングは、こちら酒井格さん作曲の「たなばた」でした。とっても魅力的でさわやかで人気の高い作品です。非常に気持ちよく演奏会がスタートできました。リハーサル前に酒井さんが楽屋をお訪ねくださいました。このところ酒井さんの作品を演奏する機会が続いていたので、お目にかかれてうれしかったです。
そして会場には次の作品「アンダルシア」の田中久美子さんもご来場くださいました。チャーミングでやはり女性的な響きを持つ作品だと感じます。昨年出版されたばかりの作品です。
後半は課題曲5曲が並びました。課題曲というのは短い時間に内容が凝縮された作品です。5曲連続の演奏というのは、ある意味交響曲の演奏よりも大変かもしれません。
5番目の「火の断章」は今回初めて演奏しました。さまざまな要素が実に複雑にそして面白く絡み合っていて、とても面白い作品でした。
個人的には3番の「セリオーソ」が少しフィンランドの作曲家に通じるものを感じていて、好きなのです。
さわやかな「ブライアンの休日」はいつも演奏していて笑顔になります。
「天馬の道」は和のメロディのうねりと歌心が好きですね。
「晴天の風」で今回の課題曲の部を締めくくりましたが、温かな心になる気持ちの良いメロディーでよい風が吹き抜けました。
昨日のメインはフィリップ・スパーク作曲の「ドラゴンの年」作品自体は新しいものではありませんが、音楽団は実は初めて取り上げる作品
私は数年前、青森の高校生たちとルツェルンで行われた世界吹奏楽大会で演奏しています。懐かしい作品。「ドラゴン・・・・ず」と言っていはいけないのだ!!と心に言い聞かせながらリハーサルを進めていました(^^ゞ
やはり好きな作品なので、ちょっと力が入ってしまったかも知れません。素敵なイングリッシュホルンのソロも演奏を盛り上げてくださいました。お客様には非常に大きな拍手をいただき、アンコールの「アルセナール」も音楽団は手のうちに入った作品ですので、よい響きがあふれていました。
なかなかやまない拍手の中、実は今月で本日のホール「森ノ宮ピロティホール」は営業が終わりになるということを思い浮かべていました。
私自身大阪市音楽団との共演は市内ではいつもこのステージでした。多くの演奏をともに作りあげてきました。深い感謝をもって、ステージを去りました。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
終演後は少し時間をおいて、関係者の皆さんと打ち上げです。京橋と大阪城公園の間にあるビル街の中で。大阪城も望める素敵なスカイレストランでした。
楽員の皆さんともコミュニケーションが進み、ヨウコさんもとても喜んでいました。
トランペットセクションの若手、小曲さんと。昨年冬にはフィンランドにもいらしたそうです!
多くの関係者のご縁でこの演奏会が実現しました。心より感謝申し上げます。2002年に初めてヨウコさんのお弟子さんのご縁で出会って以来、本当にいろいろな機会で共演させて頂いています。
世界的な名手であるのは確かですが、音楽祭を主宰されていること、またそのキャリアの積み方、これから何をしていくか、仕事の上で大事にしていることなど、折りにふれてお話をしますが非常に共感することが多く、共に歩いていきたいソリストです。まだまだたくさん学ばせていただきたい。Kiitos Jouko!
同行者たちも、それぞれマエストロの気分を味わったようです。
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