東京新聞フォーラム<指揮者がみたフィンランドⅡ>終了

 

昨日、すみだトリフォニーホール大ホールにてフォーラムが終了しました。フィンランドの師匠、オスモ・ヴァンスカ氏、そして研修をしたオーケストラ、ラハティ交響楽団と深いご縁のあるこのホールで今回の企画が開催できたこと、何より嬉しく思います。関係者の皆様本当にありがとうございました。

 

 朝からリハーサル、アイノラ響にとっては初めてのホールでもあり、リハーサルを多くとりました。午前中はコーラス、オーケストラそれぞれにリハーサル。そしてお昼過ぎからソリストも交えてのゲネプロ。積み重ねというものは不思議な力を発揮するもので、オーケストラも非常に落ち着いていました。樹の会の男声合唱の皆さんはこのホールでの経験が豊富ということ、素晴らしい響きをきかせてくださいました。

 

全集版のクッレルヴォのスコアです。使用パート譜は旧版のレンタルです。こちらは参考にしました。3冊分冊。正直の所非常に重いです。ここ2週間の移動の仕事の折には持ち歩いていたので、お陰様で筋力アップです。この重みを常に心に感じる日々でありました。

 

昨日は1階ロビーにて、大使館からお借りしたパネル10基、20面のカレヴァラ解説を展示。フィンランドから送られてきた資料です。木の箱にコンパクトに収められていますが、その木の香りが「ああ、フィンランドだ!」と感じるものでした。パネル・説明文・台が非常に合理的に収納されているやりかたは、いかにも!と思いましたね。この貴重な資料をお借りできて本当に良かった。ありがとうございました。

 

昨日は16時から第1部の講演開始。まずは小泉保先生による、カレヴァラ、クッレルヴォの基本的な核となるお話いただきました。言語がご専門の先生です。フィンランド語の語学書でお名前はお馴染みですが、カレヴァラの文学の面でも素晴らしいお仕事を残されています。訳された岩波文庫からの「カレワラ」に続き、物語りとしての「カレワラ」の著作が近年出版されると伺っています。楽しみです。

続いて、石野裕子先生による、カレヴァラの政治的・社会的な側面。実際にフィンランド社会の中でどのように息づいているか・・・非常に明快で興味をいただかせる内容をお話しいただきました。ご趣味がフラメンコというところがまた素敵です。

引き続き音楽の面から私が少しお話しさせていただきました。シベリウスという作曲者にとって「カレヴァラ」の影響というものは文学的な題材だけではなかったと思っています。それは直接的にカレヴァラを題材としない作品でも、反映されていると考えます。またクッレルヴォという初期の作品は、初期=稚拙というものではなく、後の交響曲第1番から始まる絶対音楽の道の入り口として、一つのシベリウスの哲学・精神の表明であります。旋律・リズム・和声・フレーズ・節・・・様々な要素において独特な特徴を最後まで維持したその核がしっかりこの作品にはあります。

休憩30分を挟み、後半はクッレルヴォの演奏。お客様も満席に近く入って下さったので、響きがかなり変わります。全員が非常に集中して冷静にかつ心は熱く取り組んでいたと思います。そのため80分ほどがとても短く感じていました。各セクションの結束力も本番に良い形で見えて、いつものアイノラ響より一回り大きなサウンドと音楽が皆さんと一緒に作ることができたのではと思います。実際サイズも大きかったのですが・・・・・木管も倍管にしています。

合唱団が素晴らしかった・・・。リハーサルの初期から「この響きがほしかった・・・・」と思うようなサウンドを持つ団体だったので、本当に仕上がっていくのが楽しみでした。松原千振先生から言語指導を初期の頃にいただき、藤井宏樹先生のご指導のもとシベリウスの世界を作っていただきました。本当にありがとうございました!

そして駒ヶ嶺ゆかりさん、大久保光哉さんのお二人には、北欧の空気を知るお二人としても、またシベリウスの歌曲を多く歌っていらっしゃるお二人としても、テキストの世界を十分に表現していただけたと思っています。本当にありがとうございました。明後日も共演いたしますが、こちらもそれぞれのお得意の言語、フィンランド語とスウェーデン語の歌曲があります。

東京新聞フォーラムでの2回目のこの企画、本当に貴重な機会をいただいています。単独で行うには規模の大きいクッレルヴォの公演、こういう機会で作品の背景とともにお届けすることができたこと、心から嬉しく思います。本当にありがとうございました。

昨日は大使館からも報道・文化担当、参事官で、チェリストであるセッポ・キマネンさんがお越しくださいました。レセプションでも我々の励みになるスピーチをいただきました。いかにこのクッレルヴォという作品がフィンランドの皆さんにとっても大切なものであるか、あらためて心に刻むこととなりました。

公式レセプションの後には、それぞれの打ち上げ。母とともにアイノラ響の打ち上げに参加しました。(ノンアルコールで・・・(^^;))

 

ミネソタからこのお方が客演・・・!?

 

オスモさんのリハーサル見学はメンバーに大きな財産となったようです。音符だけではない、音符の裏側の世界を様々な角度から知るというのは大切です。作品に取り組む人皆がその意識を持つかどうかで、全く異なる結果が出ますね。このオーケストラはその意味で特殊な団体です。技術的な未熟さはまだまだ課題山積みです。それでも作品への能動的な姿勢は素晴らしいものがありますね。

アイノラ響としての通常の公演は4月の第5回定期演奏会です。新年早々リハーサルが始まります。今回の特別公演での経験を+にできるように、また新たな気持ちで頑張りましょう。

昨日は本当に皆さんありがとうございました。

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