オウルンサロ音楽祭中間報告


 お久しぶりです。フィンランドに入って1週間が過ぎました。29日にラ・テンペスタの初日のコンサートを無事に終えて、本日は隣のオウルー市大聖堂でのコンサートに出かけます。

今年は雨も多く、そして涼しく・・時折寒く・・・そんな夏です。南欧の猛暑に比べて別世界です。北欧なのだと痛感します。


 もちろんまだ本当の夜はなくて、深夜少し日が沈みまた昇るという日々ですが、それでも日々日が短くなっているのは実感しています。毎日ホテルからメイン会場まで徒歩で通っているので、往復1時間以上歩きます。気持ちよいです。


 風景はシンプル。このような色だけが続きます。その風景を見ながら、リハーサルでの内容をイメージしたり、作品を心で反芻したり・・・自由な空間が体内に生まれます。


 メイン会場はオウルンサロホール。シンプルな色、機能的なホールです。


 今年のポスターは橙色。好きな色です!


 Vuoden taitelija 今年のメイン音楽家である、アコーディオン奏者の御喜美江さんです。素晴らしいステージを繰り広げていらっしゃいます。昨年も出演されています。ご主人のピアニスト、ゲオルグ・フリードリヒ・シェンクさんとは今年も共演しました。


 日本からも音楽家が参加しています。こちらはメゾソプラノの駒ケ嶺さん。ブラームスをうたいました。北欧歌曲も素晴らしかったけど、こちらのブラームスも非常によかった。感涙!共演者は、シェンクさん、ヴィオラのウッラさんです。


 6月のサロンコンサートに登場いただいた、平原さんも今年大活躍です。チェロのブリンデさんとショスタコーヴィチのソナタを共演。これが素晴らしかった!お二人の個性が上手に相乗効果で見事なショスタコーヴィチでした。


 こちらヴァイオリンの澤田さん。県芸での同僚でもあります。ラ・テンペスタのメンバーでもあり、フィンランドとは深く長いご縁があります。ドヴォルジャークの5つのバガテルを、アコーディオン、ヴァイオリン、チェロという編成で演奏。とても豊かな音楽になっていました。共演者は御喜さんのほかに、ヤンネ舘野さんとチェロのマルクス・ペッリさん。


 24日にこちらに入りましたが、今年のスケジュールは昨年までとことなり、アンサンブルのメインが最後のコンサートとなっています。それまでは協奏曲や、教会音楽でラ・テンペスタは活躍します。29日にようやくコンサートの本番を迎えました。3人のソリストとの協奏曲。非常に皆さんそれぞれの個性がはっきりしていて、そしてみごとな力量と素晴らしい音楽で充実の時間でした。ヴァイオリンの木野雅之さんとは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲二短調の共演。弦楽合奏の伴奏なのです。12歳の時に作曲されたもので、非常に魅力的な曲でした。


 アイスランドのチェリスト、ブリンデさん。クールな女性でして、ハイドンも知的でクールでそして叙情的でした。3楽章は仕掛けてきましたね。面白い共演となりました。素晴らしいキャリアも持つソリストです。

そしてピアノのシェンクさんとは昨年に続いてモーツァルト。今年は12番を共演。本番での即興的な音楽の言葉も面白く、協奏曲のだいご味を味わいました。オーケストラも非常によく音楽を聴きあって、素晴らしい演奏になりました。おみごと!ラ・テンペスタ!

ご紹介した風景はまだまだあるのですが、続きはまた・・・さてこれからオウルー市へ出かけます。あと数日。がんばります!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 御喜美江さんには29年前にアマチュアのYオケでアコーディオン協奏曲(F.ヘルマン)を奏いていただきました。素晴らしい演奏でした。懐かしく写真を拝見いたしました。
    しかし、チェロの演奏は聴きたかったなあ。

  • ミカエルさん
    コメントありがとうございます。
    御喜さんとの共演、素敵ですね。
    本当に素晴らしい音楽家です!

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