相愛大学オーケストラ定期演奏会終了


 13日、大阪ザ・シンフォニーホールにて第49回定期演奏会が終了しました。今年も多くのお客様がいらしてくださいました。ありがとうございました。


 私は12日のリハーサルから大阪に入りました。相愛大学の講堂です。これはBオケ・尾高先生の指揮のよるショスタコヴィッチ交響曲第5番のリハーサル。Bオケは大学生と高校生の合同オーケストラです。


 8月末の琵琶湖ホールでの本番からさらに磨きあげていきます。尾高先生の丁寧な厳しいリハーサルが続きます。


 私は今年はDオケ担当。小学生の弦楽オーケストラ。ヴィオラやチェロ、コントラバスなどが必要な時は大学生や教員、要員、スタッフの先生がたの力をお借りします。リハーサルの後は必ず連絡タイム。スタッフのたくさんの先生方の力で子供たちもどんどん成長していきます。Dオケと中学生のオーケストラCオケリハーサルは本町にある学校の講堂にて行います。


 13日は13時半から4つのオーケストラが順にリハーサル。これはBオケです。


 こちらがCオケ。中学生の体格も昔に比べてやはりよくなっているように感じるこのごろ・・。ヴィオラ、チェロ、コントラバス、管楽器打楽器は大学生が加わります。酒井先生のご担当でした。
Cオケの生徒たちはツワモノ揃いです。子供だと思って侮れません。大人顔負けの素晴らしい音を持っていますし、鍛えられた技と音楽的な基礎能力が高いところからくる、素直な流れと和声感と響きを持っていると思います。毎年素晴らしい響きで驚かされます。


 そしてこちらがDオケ。小学生といえどもこちらもうかうかしていられないのです。このオーケストラから何人素晴らしい音楽家が世の中に巣立った事か・・・。具体的な名前を列挙するとキリがないので・・。とにかく今若手として国内外で活躍するヴァイオリニストのかなりの数がこのオーケストラ出身です。


 今年は例年と異なり、新しいタイプの作品を取り上げました。
フィンランドのAhti Sonninenという作曲家が編曲をした、5つの北欧の旋律。これは北欧五カ国にそれぞれ伝わる民謡を編曲してヴァイオリン3部、チェロ、コントラバスのためにかかれています。子供の教育用にもピッタリの編成です。
フィンランドは弦楽器のアンサンブルの教育も盛んで、作品の数も多いです。子供教育用といっても芸術性を犠牲にすることはなく、大家といわれる作曲家も多く作っています。
今回の作品もいろいろな奏法が盛り込まれていて、またハーモニーも複雑。それでもシンプルな叙情的な旋律が基本にあるので、子供たちも素直に受け取ってもらえたようです。


 師匠、尾高忠明先生と。なかなかおちゃめな先生でもあります。
初めの出会いからすでに20年が経過しました。
府中市民交響楽団でトレーナーをしていた私が、桐朋学園のディプロマコースを受験する直前の出会いでした。当時はとても「受けます」とはお話できませんでした。
市民オーケストラの公開練習という企画での出会い。「いつもの指揮者の方、ちょっと振ってみてください」とおっしゃられた時の”緊張”感。は、まだ覚えていますね(^_^;) 
そこから20年です。あの時リハーサルの後タクトを贈っていただいたこともその後の指揮者人生を歩んでいく中で心の宝となっています。
「これから英国のオーケストラをやるんだけど、ぼく英語得意じゃなくてね・・・」と、袖でおっしゃっていたことは良く覚えています。後日BBCウェールズを訪ねて拝聴したときに、それはウソであるということが良くわかりましたが・・・。非常に流暢にリハーサルを進め、コンタクトを取っていらっしゃいました。

演奏会は盛況。Dオケの子供たちもノビノビと素敵な笑顔で最後まで弾いてくれました。大きな拍手とブラヴォーが飛び交っていたのには子供たちもうれしかった事でしょう。ありがとうございました。

Cオケもリハーサルよりも落ち着いて、充実の響きを奏でていました。CオケもDオケも男子、女子ともに素敵な衣装でステージに華が咲きます。大学生の弦楽オケ、Aオケは琵琶湖公演よりも一段進歩が感じられました。自主的なアンサンブル能力も上がったように思いました。

Aオケのコンマスを努めた田中さんはDオケの頃から知っています。Dオケでコンマスを努めたときに私と共演しています。あの演奏会も忘れられません。

そしてトリはBオケ。こちらも集中力を持って最後まで尾高先生のタクトのもと自在に奏でていましたね。管楽器のセクションの成長も見事で、歴史を感じました。
Bオケのコンマス近藤さんもDオケからのお付き合い。幼い頃の顔が思わず浮かびます。ショスタコヴィッチでも見事なソロを弾きました。


 実は相愛大学での仕事は今年で一区切り。この日が最後のコンサートです。
当日まで学生や生徒には内緒にしていたので、リハーサルの時に皆さんに改めてご挨拶。
14年間努めましたので、感慨深いものもあり・・・・(T_T)
Dオケの小さな大音楽家たちと撮影。

東儀先生初めDオケスタッフの先生方にも本当にお世話になりました。子供たちとのリハーサルは、私自身も伝えるという事の素晴らしい勉強の場であったし、スコアをより深く掘り起こして考えていく事の戦いの場でもありました。本当に素晴らしい子供たちでした。


 昨年ご一緒したCオケのメンバーともお別れ。
たった1年で見違えるように大人になった顔にたくさん出会いました。たくましい子供たちです。ぜひみんなが大人になったときにまた共演しましょう!
Cオケにも多くのスタッフの先生方がいらっしゃいます。

このCオケとDオケの合同のジュニアオケでヨーロッパの演奏旅行を行ったことも忘れられません。ロシア・ポーランド・ドイツ・イタリア・・・。当時の子供たちが今各地で大活躍しているのを何より嬉しく思います。


 
大学生のメンバーと小栗先生。小学生からのお付き合いの学生も何人も・・。
ヴァイオリンの小栗先生には本当にお世話になりました。ご主人の工藤先生共々素晴らしいお弟子さんをたくさん育てていらっしゃいます。引き出しがとても多い先生です。
私自身たくさんのことを教えていただいた14年間でした。


 本番前日には送別会を開いて頂きました。お忙しい中ありがとうございました。
相愛オケのスタッフの先生方は皆さん暖かで、学生のため・・を第一に考え、急がず丁寧な教育方針をもっていらしたように思います。
毎年夏の合宿もいろいろな土地を訪れたくさんの思い出があります。

91年に初めて秋の定期を拝見して、翌年から指導スタッフとして勤め始めました。先輩指揮者の円光寺先生、同門の先輩梅田さん、そして酒井先生とともに4つのオーケストラを分担して定期演奏会、コンチェルトの夕べという年2回の演奏会を担当してきました。同僚の先生方からの多くのアドヴァイスや教えも貴重な財産でした。

この素晴らしい環境を去るのは非常に寂しく悲しいのですが、数年前から考えてきてそして今年の春に師匠とご相談した上での決断です。
また何時の日か相愛大の皆さん、卒業生の皆さんとは会えることを願って、私も人生折り返しの今、次のステップへと歩みます。

心からの特大のKIITOSを相愛大関係者の皆様に送ります。
本当にありがとうございました。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 先生、お疲れ様でした!5年ほど前にクフモに行ったときに先生のご好意でフィンランド・ラハティーにお邪魔し、街を案内していただいた相愛卒の一生徒です。金曜日、卒業以来で相愛オケを聴きに行かせていただきました。Dオケ、とてもよかったです!うまく弾けているのはもちろんのこと、曲の雰囲気もよく伝わってきて数回しか行った事のない北欧ですがその情景が目に見えるように感じました。いつか弾いてみたい曲の一曲となりました。
    先生が相愛を去られるのはとても残念ですが、これからもお体を大切に、ご活躍されることを心よりお祈りいたします。本当にありがとうございました!

  • >一生徒さん
    メッセージどうもありがとう!あの時は短い時間でしたがラハティでお目にかかれて嬉しかったです!演奏会聴いてくださってありがとう!Dオケの子供たちも今回新しい作品に一生懸命取り組んでくれました。
    私はこのように一区切り付けましたが、音楽を続けて生きている限り皆さんとどこかで会えることと思ってがんばっていきます。また時々ここにも寄ってくださいね。どうぞお元気で!!

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