~シベリウスのその先へ~
レーヴィ・マデトヤ<交響詩クッレルヴォ>
ジャン・シベリウス<交響詩タピオラ>
エイノユハニ・ラウタヴァーラ<交響曲第7番・光の天使>
このオーケストラと指揮者のコンビをとても大事にしてくださっているホール企画でした。
3日のリハーサルと昨日のステージリハーサルで徐々に本来の響きを取り戻していくラハティ響。移動の疲れやハードな音楽祭の疲れもあったと思うのです。しかし・・・・見事な演奏でした。
北欧音楽が大好きなお客様が多く集まった演奏会。いつもこの企画では素晴らしく音楽的な空間が成立します。非常に静かな会場。本当に音楽を楽しみに待っているという暖かな期待感に満ちた空気。一人一人が静かに楽しみたいという、いわゆるセレモニーやパフォーマンスを楽しむ事ではない音楽的な空間。非常に独特であり演奏家の立場としては理想の空間が昨日もありました。
マデトヤのクッレルヴォは演奏の機会ももちろん少ないと思いますが、短い時間の中でこの作曲家の言葉で十分にクッレルヴォを描いていたと思います。そしてラハティの持つ厳格さや激しさや素朴な美しさや力強さがこの作品にぴったりだと思うのです。
タピオラは言葉がありません。音楽祭の時も素晴らしかったのですが、トリフォニーホールのクリアーなホールサウンドがこの作品の深遠さを精密に描き出したと思っています。もちろんもともとの演奏にその大本がないとできませんが・・・。人間も自然の一つの姿、自然の一部なのだよということを一つ一つの音から感じさせられる作品です。自分でもこの作品の演奏の後には、宇宙を眺めているような実感を得ます。ですので演奏が終わってにっこり笑う・・のは無理であります(^^ゞ
光の天使は少ないリハーサルの中でメンバーが集中力を持って演奏しきったと思います。決してやさしい楽譜ではありません。難しくはないのですが・・・・ラウタヴァーラが多用する2度の音程(隣り合わせの音)のぶつかりも、演奏者にとっては非常に難しいのです。かと思うと自然倍音を使った限りなく美しいハーモニーの出現・・・・耳がよくないと演奏できない作品だと思っています。フィンランドの作品でありフィンランドのオーケストラが上手なのは納得であります。
アンコールはシベリウスの小品2曲。内緒にしておきます<m(__)m>
オーケストラが退場しても拍手が鳴り止まず、オスモさんが登場しました。このプログラムに集客を心配していたメンバーも、きっとほっとしたことと思います。そして次の演奏会に向かって力を得たのではないでしょうか。
本当に素晴らしい演奏会でありました。本日は武蔵野市民文化会館での演奏会です。こちらはすでに売り切れの演奏会です。ここのホール事業も素晴らしいですね。
コメント
コメント一覧 (4件)
非常に満足度の高い演奏会!!質の高い演奏に敬意と謝意!キートス!
ご来場の皆さんに「ラハティ響はわれらのオーケストラ!」という意識があると感じました。ビッグネームの指揮者やオーケストラを「見に来る」聴衆がいないから会場の雰囲気が良いのでしょう。
素晴らしかったですね。私は明日も行きます。
各地で集中力を維持して素敵な演奏を奏でてほしいと願っています。
前略、
日本オーケストラ連盟の鈴木と申します。
アジア太平洋地域のオーケストラを招いてそのオーケストラの個性をお届けする「アジアオーケストラウィーク」(文化庁主催)を制作しております。
今年はクライストチャーチ交響楽団が来日し10月3日に東京オペラシティコンサートホールでラウタヴァーラの「光の天使」を演奏いたします。
この演奏会にぜひご来場いただきたく突然で大変恐縮ですがご案内いたしました。
ラハティの演奏とはまったく違うテイストになろうかとは思いますが
ご興味を持っていただけましたら幸いです。
詳細はhttp://www.orchestra.or.jp/aow2011/ でご覧いただけます。
草々
***(社)日本オーケストラ連盟*********
鈴木 眞理
TEL:03-5610-7275/FAX:03-5610-7276
〒130-0013墨田区錦糸1-2-1-7F
suzuki-ajso@nifty.com
http://www.orchestra.or.jp/
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>日本オーケストラ連盟 鈴木様
こんにちは。お知らせありがとうございます。
ラウタヴァーラ、興味深いですね。私自身はあいにく日本に不在の時期なのですが、皆さんにお知らせさせていただきます。公演のご成功をお祈りします。