ミニ帰国報告その2

リエクサからオウルンサロへは実は交通は不便なのです。フィンランドは横移動は不便なことが多いかもしれません。長距離バスが発達しているので、全国バス路線は発達しています。今回もリエクサからJunabussiと言って鉄道駅に繋がるバスと鉄道を乗り継いでの移動となりました。コンティオマキというところまでバスでおよそ2時間半。その後鉄道でオウルまで2時間。オウルからは事務局の迎えの車でオウルンサロへ。

7月28日にオウルンサロへ入り、夕方から早速リハーサル。ラ・テンペスタの大事な初めのコンサートはメインがシューベルト・マーラーの「死と乙女」決して簡単な作品ではありません。懐かしさと楽しさがあったものの、初めのリハーサルは「ダーク」不安が一杯という状況でした。

今年のテンペスタには日本人も二人参加。テンペスタの初めの頃からのメンバーで愛知県芸でヴァイオリンの講師でもある澤田幸江さん、そして昨年の日本公演でも同行していた長岡京アンサンブルのメンバーでもある長谷川順子さん。順子さんは相愛大学で教え子でもありました。嬉しい再会です。

7月30日から正式に音楽祭は開幕。その初めの演奏会がこちらの「アンサンブルViisi美石」なかなか面白い命名だと思います。5という意味のViisi。日本とフィンランドの若者が集まってのアンサンブル。美しい原石という意味もあるのかな・・・・そういうピュアな音色で音楽祭は始まりました。

演奏会の後は恒例のパーティ。スポンサーのマリメッコからもご挨拶があり、この地元で音楽祭を支えているアプローディの皆さんによる素敵なコーラスの披露がありました。

この景観でもお腹一杯。

8月1日にラ・テンペスタとの初演奏会でした。一番不安の大きかった「死と乙女」が非常に集中力のある演奏となり良い評価をいただけました。メンバーも大きな喜びと安堵の顔が広がっていました。彼らの持つ透明な限りなく美しい音色が、シューベルトの繊細な和声感を十二分に表現します。マーラーの意図した表現力の幅の広さも本番には十分に鳴らせたのではと思います。そして忘れてはいけないのが、ゲオルグ・フリードリッヒ・シェンク氏とのモーツァルトのピアノ協奏曲第13番の共演。こんなに楽しくモーツァルトを一緒に奏でられたことは自分の中に大きな財産となりました。素晴らしいピアニストでした。

終演後のミニパーティでのシェンクさんとヤンネ

翌日は次のコンサートのリハーサルが。こうして日々音楽三昧であることの贅沢な時間に感謝。

8月3日はオウル市での教会コンサートです。実はプーランクのソリストが急病でキャンセル。オルガン協奏曲ができなくなりました。急遽別の曲に変更。いろいろなことがあるものです。美しく大きな空間にモーツァルトが響きます。

この日のソリスト、ソプラノのメリ・シーララさん。とにかく美しく可憐な方です。ミュージカルもよく歌われるそうです。まだシベリウスアカデミーを出たばかりの若手です。ヘンデルとモーツァルトを共演しました。ヘンデルではシベリウスアカデミーで勉強したトランペットの山内君も参加。ピッコロトランペットを奏でてくれました。彼もリエクサと掛け持ち組でした。本当にご苦労様。ヨウコのお弟子さんです。

オーケストラ中のオルガンにはアンナ・マリア・オラモさんが参加。指揮者オラモ氏の妹さんです。

 8月4日夜は6時から12時までの名物「マラソンコンサート」音楽祭参加のいろいろなアーチストや地元の音楽学校の生徒さんなども出演しての長時間コンサートです。人気が高くお客さんの列が続きました。

今年は主宰者の舘野泉さんの70歳をお祝いしてのセレモニーもありました。ヘルシンキサノマットにもその様子が後日掲載されたそうです。


 深夜に終了してからパーティも。名残惜しく皆さんと語らいましたが、我々は明日も演奏会があるのです・・・写真は音楽祭の常連、ピアノの水月恵美子さん、そしてトランペットの山内君。そして送迎ボランティア一家の一員。いつもジェントルマンの振る舞いで我々を迎えてくれた男の子です。

 8月5日。音楽祭の閉会のコンサート。ギターのペトリ・クメラ氏との共演。ジュリアーニのギター協奏曲。デリケートなギターの音色と小編成のラ・テンペスタとの共演。静かな国フィンランドらしい、しっとりとした閉会のコンサートとなりました。お国柄ですね。

今年もテンペスタのインスペクター・マネージャーとして大活躍だったエミリア・オタヴァさん。やさしく気持ちの良い人が多いこのアンサンブルですが、グループ結束には彼女の力も大きいのではないかなと思っています。Kiitos!

この閉会のコンサートを終えて、別件の演奏会の軽い打ち合わせをしてからオウル空港へ。そこからヘルシンキへ飛び、ラハティにバスで戻ったのでした。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • お帰りなさい。
    とても充実した「音楽をする」毎日をお過ごしになられ、新鮮な「感動」をサンタクロースの国からたくさん仕入れてこられたことと、次のコンサートでのプレゼントが楽しみです!

  • >junsinさん
    コメントありがとうございます。お元気でしょうか。
    たくさんの宝物を日本で現実の音にして多くの人にお届けしたいと思います!

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