明日はコンサート

 明日、この曲も演奏します。
「ブルーインパルス」このアルバムは航空自衛隊航空中央音楽隊のCDです。
一昨年の12月に演奏会もご一緒しました。
戦闘機が実際に出動をする事態は望みませんが、空を羽ばたく鮮やかな飛行は「戦い」とは関係ない夢を感じさせます。

ショスタコヴィッチの9番は、深い意味を持っていることはご存知と思います。
「9番」に対する作曲家たちの想いは皆さん複雑のようです。
明日の演奏はどのような「9番」になりますか・・・。

そして本学教授のトーマス・マイヤー=フィーヴィッヒ先生の新作もあります。
私はコンテンポラリーを振ることが続きますが、面白くて仕方がありません。

淀先生のステージは、本学出身者である久石譲ワールドです。

3つの音大に関わっていますが、それぞれ全く違います。
ということは、それだけ芸術も教育も幅が広いのです。
芸術という特殊な分野は個人の能力、才能に預かる部分がなにより大きい。
学習しても超えられない壁が存在するのは事実です。
それは誰もが感じています。
それでも前を見て自分の能力を磨き続ける人生を選んだ若者の集まりなのです。
だから私は厳しくかつ楽しくありたいと思っています。
とことん厳しくやることが楽しみ・・・それが専門家の大事な姿勢かな。
人との戦いではなくて、結局は自分との戦いであることは、きっと我々自身がよくわかっていることだと思います。
みんなそれぞれにチャンスはありますよ。
それが来たときに「ゲット!」できるかどうかは、日々の姿勢と視線の向きが大切かもしれない。

みんな毎日鍛錬、時間との格闘で頑張っています。
その努力を最大限発揮して、合奏の成果を導くのが指揮者である自分の仕事です。
学生の力を引き出すこと、学生と戦うこと、音楽をはさんでしっかりと向き合うこと。
そういう時間を大切にしたいし、そういう環境をきちんと作りたいと思うわけです。

オーケストラ、吹奏楽ともにその場で学べることの量は膨大なものです。
私自身、数々のマエストロのリハーサルを拝見したり、素晴らしいオーケストラのリハーサルや演奏を拝聴するだけで、山ほどの財産をいただきます。
若い学生たちの柔軟な精神や頭脳には、限りなく吸収できる能力があるはずです。
そこを、頭痛がするほどに熱がでるほどに刺激してあげられるのが、指導者に必要な能力。
自分がそれがないな、と思ったら私はすぐにやめます。
修行の旅にでかけます。

教育ほど厳しい世界はない。
世の中で何より大事なことです。
話は脱線しますが、フィンランドの子供たちがなぜ学力が高いか・・という本が最近数々出版されています。
今度ここでもご紹介します。
私も3冊入手。大事なことがたくさん書いてあります。
そしてそれは当たり前のことだったりします。

知の財産を独占しないこと、公平な精神、グローバルな未来志向・・それらは人間のもつ能力を限りなく膨らませます。
偏った発達ではなく、持っている能力をそれぞれに伸ばすチャンスと方法を得られるということ・・・
みんな能力の種類も質も違うのです。

教育に何かしら私物化や独占性が入ったときから歪み始めると思います。
どんなに厳しく執り行っていても、その人が広い視野で目の前の学生の未来を考えていれば、そのことは必ず良い方向につながり良い成果がでます。
厳しくすることは辛いことです。
でもそれは一歩先に世の中を歩く大人としての役割であり使命かな。

この音大も本当に様変わりしてきました。
自分が在学中の時代の雰囲気は今は10パーセントも残っていないかもしれない。
時代の変化、人間の変化、環境の変化、教育方針の変化・・・さまざまな要因があります。
私は昔の良いところはもっと積極的に残すべきだと思っています。
時代にあった-とか、今の学生にあわせた・・などということだけで物事決めていくのはどうかな・・と婆さんとしての心配をするわけです。
私学の場合、経営問題も大きいので問題は簡単ではないのですがね。
公立も実はこれから経営問題にぶつかる時代になってしまうわけですが。
なんだかそれで良いのかな、と自分の中では大きな疑問です。
教育は商売ではないから。

新しい作品は大好きだけど、昔の素晴らしい物事をもっと大切にしていきたいです。
音楽作品も、新しいものを紐解くほどに古典とのつながりと普遍的な音楽の言葉を感じる日々です。
欲張りな私であります。
だからどんどんでっかくなるのかな。
あくまで体格がね。
この際どこまで膨らむか試してみようか・・・(^^ゞ

とにもかくにも、明日はコンサート。
東京の西のはずれでありますが、紅葉も見られます。
どうぞ皆様お越しくださいませ。

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