吹奏楽 その1

春3月は学校の吹奏楽部の定期演奏会が催されることも多いもよう。ここのところ大阪市音楽団との仕事がおかげさまで良いペースで続いており、国立音大で担当している授業とも併せて吹奏楽の世界に対してのことを少し。

 その昔コンクールで賞を頂いてまもなくの頃、佼成ウィンドオーケストラとのCD6枚分レコーディングの仕事があった。課題曲録音と平行しての時期で、初めが演奏会ではなく録音の仕事、というのはある意味とてもよかったかも知れないと思っている。時間をかけて、丁寧にリハーサルができる仕事となり、また細かくサウンドを含めて検討ができ、メンバーともゆっくり話をする時間もとれる。プレイバックを聞くことで、自分を省みることも即座にできる。現在このときのシリーズ、「オーケストラ作品のアレンジもの」は絶版になっている(キングレコード)。ちなみに昔の名前ででていますm(__)m。

 「ロシアの音楽」「フランスの音楽」「序曲集」「アパラチアの春(コープランドとヴィラ・ロボス)」「ロデオ」「ベルキス(ショスタコヴィッチも含む)」というタイトルで出ていた。自分がコープランドに夢中であった時期でもあるので、企画の段階でコープランドを並べたら分散しての収録のOKが出た。もっとも好きだったのが「劇場のための音楽」これは自分の師匠でもある伊藤康英氏にアレンジをお願いした。自分の十八番でもある。このときの録音のコールアングレの和久井氏の優美な音が忘れられない。そのほかでは、ショスタコヴィッチの「黄金時代」の魅力が記憶に残る。佼成ウィンドのサクソフォーン奏者仲田氏のアレンジも素晴らしかった。このシリーズではかなりの曲数が仲田氏のアレンジとなっていた。6枚分を3回にわけての収録で最後を迎えたときには、さすがにこみ上げるものがあった。若い頃のほとんどプロ初仕事に近い時期であったが、録音仕事の段取りもやりながら勉強し、そして音楽的なことを素晴らしいメンバーとともに楽譜を通して悩んで作り上げる楽しさは格別のものだった。非常にたくさんのことを勉強させて頂いた仕事だった。

 その後ご縁を頂いて母校のブラスオルケスター、ウィンドオーケストラの授業を担当することとなり現在に至っている。この母校の吹奏楽との始めの出会いは自分が大学4年生の折。当時管弦打4年生から指揮者を募り1・2年生のバンドを指導、指揮させるという企画が続いていた。私は教育科在籍だったが、過去にも同じ教育科の今村能氏という先輩がなさっているのを知っていたので手を挙げた。この年は8人の指揮者エントリーだったか。私はジェイガーの第三組曲を取り上げた。様式のはっきりした作品だったが、どちらかというと地味。今は亡き大橋幸夫先生と大学に仕事のご縁ができるきっかけをいただいた大阪泰久先生の厳しく温かい視線に見守られ、つたないながら何とか役目を果たせたか・・・・。当時演奏者としてサクソフォーンの田中靖人氏やクラリネットの赤坂達三氏が吹いていた。今をときめくプレーヤーの皆さん。私自身一つ下の学年のトロンボーンの池城勉氏の専属伴奏者であった関係で、何かと管楽器の皆さんとはご縁があった。彼は現在神奈川フィルハーモニーでバストロンボーンを担当している。各地のオーケストラに行くと懐かしいお顔に出会えるのは嬉しく励みになる。今回大阪市音楽団の仕事で向かった先、岡山県でも多くの先輩方が企画を取り仕切っていらした。国立音大は声楽も有名だが管楽器の歴史も深く長く続いている。なんだか学生時代を思い出した演奏会でもあった。 

2005年3月7日
 

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