旧友・級友

どうやら同窓会というものが流行っているらしい。そういうわけではないとは思うが、最近小・中・高校の級友との連絡復旧が続いている。転校が多かった小学校時代。3つの学校に通ったが、札幌・練馬区・江東区のいずれの小学校の級友とも連絡が取れた。インターネットのお陰なのだ。これがすべて。

 2000年に手がけたオペラ公演をきっかけに中学時代の級友と再会。2002年の札響での演奏会のときに、札幌時代の級友と30年ぶりの再会。あまりの変わらなさに逆に驚いた。昨年は高校の同窓会冊子に掲載していただき、先輩後輩とも改めて再会。母校にも行った。そしてこの春、中学の級友でミニ同窓会。中には実は仕事での縁があった・・・という級友同士もいて話に華がさいた。アルコールも思いっきり注入されて気持ちは皆はじけていたのではないだろうか。江東区の小学校時代の仲間は中学も重なるが、改めて小学校の級友からも連絡が入った。4月には高校時代のオーケストラ仲間とも仙台で再会。そしてごく最近、わずか1年と1学期だけの在籍だった練馬区の小学校時代の級友からもインターネットを通してのご連絡。これには本当に驚いてしまった。凄い時代に生きているものだと改めて思う。

 同窓会企画の商売が盛んになっているらしい。今の時代を見事に反映しているだろう。納得。人口の多い世代がまもなく仕事上で定年を迎える時期に入る。当然振り返りたくなる。また後半生に向けてのあらたな活力がほしくなる。そんなときは過去に想いを馳せたくなるもの。我々の世代も、30代の忙しい時期がひと段落して、家庭も落ち着き始めた頃。そして仕事も一回り大きなことを手がけようという人もいるのではないか。そんなときも、ふと昔の自分を確認してみたくなる。まさに今の自分はそういう世代。

 その昔、同学年は8クラス、9クラスあることも珍しくなかった。そんな時代は今の子供たちはきっと想像できないだろう。学校に人が溢れていた。もちろん問題もたくさんあったが不思議と自浄作用も働いていたと思う。自己解決ができる人間が多かった。先生の手を借りることを不服とする自立心もあったように思う。「僕たちでやります!」と級友が発言していた記憶もある。キャラクターの違いを大きく受け止めて、役割分担が上手にできていたようにも思う。いじめもあったがそれをやめさせる力もあった。喧嘩も茶飯事。自分も喧嘩っ早くて生傷が結構耐えなかった口だ。いまののんびりムードの自分からは想像が難しいかもしれないけれど(笑)

 とにかく子供社会で起こりうる事件や問題というのは、いつの時代も同じだと思う。でもそれに対処する能力は明らかに違ってきている。社会環境も違う。家庭環境も違う。昔を振り返って、良かったな・・・と思えることは「古い!」と罵倒されようとも残す気力と気概を持っていたいと思う。新しければ良い、というものでもないでしょう。今の子供たちが何十年後か、いそいそと同窓会へ集う時代が続いてほしい。

 先週の春日井公演でも、中学校・高校ともに同じであるという大先輩がお客様でいらしてくださっていた。名古屋でお仕事をされている方だった。中学校の校舎は来年取り壊されることが先日知らされたが、その大先輩の頃の校舎は我々の前の代の建物だったらしい。3代目に生まれ変わろうとする中学校のようだ。こんな情報がやりとりできるのも嬉しいこと。

 このところの級友たちとのやりとりは、本当に自分にとって活力気力のもととなっている。皆さんいろいろな場で力を揮っている。とても嬉しいメッセージだ。自分は今年は新しいことに挑戦している年。元気溢れる子供時代の自分をもう一度自分の中に蘇らせたいと思う。手が先に出る!というのは今の仕事も同じかな・・・・・(笑)

2005年6月28日
 

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