新年度が始まる。年度終わりのこの季節はいろいろな節目に花束が飛び交う。演奏会の折に頂くことの多い花束・・・その花の種類がここ数年で非常に増えていて楽しい。

 花の思い出、忘れられないのは中学二年生の学年末のこと。1年間同じコンビで級長副級長を務めてきた最後の日、クラスからということで担任の先生の計らいだったと思うのだが、フリージアを頂いた。その2年7組というクラスは非常に仲の良いすばらしいクラスだったので、そのクラスが終わってしまう悲しみもひとしお強く感じられたものだった。あのときの黄色いフリージアの香りはこの季節の強い思い出だ。

 私の名前のユリは花の名前ではない。はじめ両親は「白百合」のイメージを期待していたそうだが、生まれてきてみると、とてもそうは見えなかったということでロシア人のお名前を頂くに至った。百合もたくさん種類があるが、札幌にいた頃たくさん見られた鬼百合は小ぶりな迫力があって好きだった。百合にも似ているがヒガンバナ系統のアルストロメリアという花がある。別名ユリズイセンというそうだ。この花がとても好きだ。小ぶりで野の花を思わせるさわやかな花。色は豊富。その中の黄色の種類をブーケにすると結構華やかに見える。この花の命名がスウェーデンの学者によるものだということをつい最近知った。5月になるとツツジが町中に咲き乱れるが、花の形はこのアルストロメリアによく似ているので見ていてうれしい季節だ。

 オオマツヨイグサという背の高い黄色い花も随分札幌で咲いていた。夕方になるとなぜか目に付いたものだ。季節は違うがアザミの花の薄い紅色、シロツメクサ、ハコベに咲くほんの小さな花の白、露草の青紫、コスモスの群生の白と赤紫の見事さ・・・散々外で遊んでいたのでこれらの花の記憶は鮮明だ(笑)

 花の色は改良や開発でますます複雑になっているそうだ。確かに花屋の店先は見ていて飽きない。しかし野に咲く花にはかなわないな、と思っている。フィンランドはまもなく黄色い花が街中に溢れる復活祭の時期に入る。装飾を施した卵と一緒に黄色い花を飾る。カードも黄色が基調。ひよこのグッズもたくさん並ぶ。大好きな黄色の季節。

 日本は同じ季節、桜色に染まっている。3年ぶりでこの時期に東京に滞在していて久しぶりのお花見。4月はじめに帰国してはもう花の時期が終わっているということが続いていた。温暖化の影響なのか・・・今年も開花は早くなったそうだ。赤色やピンク色の系統は割りと自分のそばにはない色で子供の頃からあまり見につけることもなかった。自分で花を選ぶときも黄色オレンジ系統が圧倒的に多くなるが、この桜色だけは特別だ。幹の深いこげ茶色とのコントラストがとても見事で、そこに和風を感じる思いは年とともに強くなる。1年に1度、その見事な自然の花と会えることを喜ぶのが贅沢な楽しみ。健康でいたいものだ。

2004年3月30日
 

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