美味しい話

リハーサルやコンサート本番で頭が煮詰まると料理をしたくなる。腕はたいしたものではないが、目の前にある材料で閃きで作ってしまうというのが好きである。

 フィンランドで作るのはほとんど和食。サーモンがとても美味しい国である。1キロの切り身を買って(700円~900円くらい)塩を振り冷凍庫に保存する。日常的に鮭茶漬け、鮭オニギリなどに活用する一方、ちょっとしたお招き料理で鮭の南蛮漬けをよく作る。これはフィンランド人にも好評だ。巨大な「Munakoiso」というナスも手軽に手に入るので、こちらも同時に漬けて置く。

 鮭といえば現地にも「Lohikeitto”」という美味しいクリームスープがある。細かく刻んだ野菜と鮭を煮込むのだが、決め手は香草の「Tilli」これはサラダにもよく使われているが、これがないと気の抜けた味になってしまう。スープは種類が多いフィンランドだが、なかなか好みが別れそうなのが「Hernekeitto」というグリーンピースのスープ。健康的だし実際コクがあって美味しいのだが、あまりたくさん頂こうとは思わないスープ。いくらでも飲みたかったのが「Sienikeitto」というきのこスープと「Makkarakeitto」というソーセージ入りのスープ。冬は最高のご馳走である。

 ニシン「Silli」もマーケットで手軽に入手できる。燻製になっているものもあるし、瓶詰めで酢漬けになっているものもある。それと野菜を組み合わせてちょっとしたお酒のおつまみに変身!鱈「Turska」は軽く塩と日本酒をまぶしてオーブンで蒸し焼きに。その時に「Tilli」を使うと香り焼きができてしまう。食材そのままでとても料理とはいえないものだが・・・

 出汁巻き卵が結構喜ばれた。作り方はごくごく普通のものだが、出来上がりの形をちょっと工夫する。これは母から伝授されたものだが、菜ばし2本と輪ゴムでひょうたん型の卵焼きを作る。または飾り切りをしてちょっとおしゃれに置いてみる。こういう手間をかけることはあまりフィンランド料理には見られないので珍しがられている。子供が面白そうにやり方を覗きに来る。

 肉はフィンランド産のものがほとんどである。「Suomi」というロゴが入っている。ヨーロッパの狂牛病騒動の時もあまり急激な影響はなかったと記憶している。それでもここのところ、ユーロに変わってからは更に価格が上がっていると感じている。店頭には様々な用途に合わせて肉類は並べられているが、レバー「Maksa」が結構多い。結構臭みもあるが香草類と一緒に調理して食べている。肉類は大きな塊で売っているので野菜と一緒に和風出汁で煮込むとしばらくおかずに困らない。

 お米をどうしているのかと良く質問を受けるが、安く入手している。1キロおよそ200円ほどである。炊飯器は日本から持参しておいてあるので、ご飯には困らない。少し水分が少ない感触だがほとんど日本のものと変らない。オリーブオイルと香草、塩、レモン、ツナで混ぜご飯にするとさっぱりとした味で、しっとりとしたご飯の感触も味わえて美味しい。これも良く作るものだ。

 日本の食材を扱うところはヘルシンキに一箇所ある。あいにくまだ私はそこには行っていない。そこは東京館という。現地の普通のマーケットでは醤油は手に入る。出汁はない。でもワカメ、昆布などは時々お目見えする。中華の調味料はすべて揃う。そのためいつも、味噌と出汁だけは持参していくことになる。

 Aamiainen(朝食)Lounasu(昼食)Illallinen(夕食)とあるが、知人の日常の食生活を見る限り、Lounasuに一番ボリュームがある。そして夜は実に軽食だ。暖かいものはお茶だけということもあった。若い女性などは昼でもパンをかじり、ヨーグルトを食べ、リンゴをほおばるなどの食事ですませている人もみられた。ダイエットということのようだったが・・・。

 まだまだ紹介したい美味しい食材や料理はあるのでこの項も続けよう。
Minulla” on na”lka”.(おなかがすいた!)

2003年7月22日
 

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