ウィンタースポーツ 「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」

北欧は早くもウインタースポーツの開幕。フィンランドは残念ながらアテネオリンピックでの活躍が少なかったためか、人々の話題はすでにアイスホッケーに移っていた。お家芸のひとつである。8月30日にヘルシンキでワールドカップが始まった。9月4日にはフィンランドにとって宿敵スウェーデン戦があったが見事に引き分けた。
 

 この大会は1976年にカナダカップとして始まり、現在のワールドカップという命名での開催は96年から。今年の大会はヨーロッパ枠と北アメリカ枠の2カ所に分かれてそれぞれ勝ち抜いたチームが9月14日のカナダ・トロントでの決勝に進んだ。今年はフィンランドとカナダが残った。今頃(いまごろ)仲間のオーケストラメンバーも大騒ぎかと思う。フィンランドの都市にはそれぞれアイスホッケーのチームがある。他のチームのロゴ入りシャツなどを着て歩くと危険だと言われるほど熱中している人も多い。

 もうひとつのお家芸がスキージャンプである。その昔鳥人として追従を許さない強さを見せていたマッチ・ニッカネン選手が8月の終わりに殺人未遂を起こすという事件があった。彼の飲酒癖はフィンランドでも良く知られており、それが原因のトラブルが多かったそうだ。

 お酒と言えば、アルコール度数の高いお酒への酒税をフィンランド政府が引き下げた。以前は安いお酒を求めてお向かいの国、エストニアのタリンへ船で買い物ツアーに出かける人が多かったのだが、今は手軽に入手できる度数40度ほどのウオツカを、若年層が飲酒することが問題になっている。失業率も高く、労働意欲を失った層が日中からアルコールを求めてさまよう姿も多く見られる近年。福祉国家として恵まれた側面だけではないことも考えなくてはいけない。(指揮者)

 

「放射線-東京新聞」・「紙つぶて-中日新聞」
2004年9月15日夕刊 掲載

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