Ensemble Iris 2001 アンサンブルイリス 2001年

アンサンブルイリス 2001

2001年8月17日(金) 19時半開演 リスティン教会 ラハティ

 2000年10月20日から1年間の研修も最後の季節を迎える頃、研修の成果として、又それまでに巡り会った素晴らしい仲間達と何か演奏会を企画したいと思いました。早速ヴァンスカ氏にご相談し、周囲のメンバーにも話を持ちかけてみたら大賛成。こうしてシーズン終わりの2001年6月に企画が決まり夏休みの間に準備となりました。

 自主企画としてはじめたので、準備は自分の仕事。選曲、楽譜の手配、メンバーへの配布、チラシ作成、プログラムパンフレット作成等等・・・ノートパソコンとプリンターはこのときは大活躍。お世話になった方々やラハティ響のメンバー・事務局へはご招待状の送付。フィンランド語の良い勉強にもなりました。もちろん添削は必須。恵理子さん、マルヤッタさんのチェックを受けました。
 奇しくもメンバーに楽譜送付を終えた日、このように大きな虹がかかったのです。思わずシャッターを押しました。
(イリスはスペイン語で虹です。フィンランド語ではサテーンカーリ)

 メンバーの大半はラハティ響から。そのため通常スケジュールの中で空き時間を見つけてリハーサルと本番を行わねばいけません。夏休みはしっかりとるお国柄。すべてのスタートは8月を待ってとなります。
8月15日(水)16日(木)の2日間、本番の会場である教会をお借りしてリハーサルを行いました。

 コンサートマスターのペトリ カスケラ氏はラハティ響では第三コンサートマスターのポジションです。以前はフィンランド放送響に在籍していましたが、奥様のアルヤさんがラハティ響にメンバーだったため、彼もこちらに席を得ることにしたのです。大変に音の美しい歌心のある素晴らしい演奏家です。実は私とは同い年。

 リスティン教会はヘルシンキのフィンランディアホールと同じ設計者です。白を基調としたモダンなデザインですが、自然光を取り入れた柔らかな印象を受けるホールです。自然光がかなり入るため、時間帯によっては少々演奏に支障が出ることもあります。季節は夏の終わり、まだ陽射しが強い季節です。非常に残響の多いホールです。

 裏方として演奏者へのケアなどお手伝いを引き受けてくださった彩子さん。彼女はラハティでピアノを勉強しています。お世話になりました。


 ラハティ響以外のメンバーは、ラハティのコンセルヴァトリの先生、生徒などで構成されています。いつもラハティ響にエキストラとして参加しているメンバーなので、顔見知り。非常に息の合ったアンサンブルとなりました。

 演奏会当日にエテラスオミサノマットというフィンランドの南側を中心に発行されている新聞に記事が掲載されました。この写真は、8月はじめにラハティで開催された「バリトン・チューバコンフェレンス」の際に作曲家カレヴィ アホ氏とともにリハーサルに立ち会った際のものです。氏のチューバコンチェルトの初演もありました。記事は私の1年間の研修のことへの取材も入っています。そしてこの日のコンサートを紹介していただきました。この文章は又別 に掲載します。


 8月17日は見事な夏日でした。最後のリハーサルは16時から2時間ほど。今回取上げたのは、フィンランドの作品を3曲、日本の作品を2曲でした。フィンランドの作品はいずれも弦楽器奏者なら誰でも弾いているというお馴染みのもの。

ここでプログラムをご紹介しましょう。

1 Pelimannit op.1 Einojuhani Rautavaara(1928~)
2 Eregie Leevi Madetoja(1887~1947)
3 組曲 町田育弥(1963~)
4 アイヌの歌 小山清茂(1914~)
5 Pelimannimuotokuvia Pehr Henrik Nordgren(1944~)
 この5曲は私も日本で演奏しました。町田さんの作品は子供のアンサンブルからの委嘱で書かれたものなのですが、非常にノスタルジーを感じる優しい感性の魅力的な曲です。演奏者は全員魅了されていました。お客さんからも好評でぜひ演奏したいという学校の先生もいらっしゃいました。小山さんの作品は演奏者も非常に喜びました。何も説明せずに作品の本質を感じ取ってもらえました。共感を呼んだ作品です。民族的なリズムや旋律はフィンランドの作品と
共通点を多く感じます。聴きにいらしてくださったヴァンスカ氏もこれがお気に入りとなりました。この演奏会はラハティ響の事務局長はじめ事務局の皆さん、ヴァンスカ氏、ヴァンスカ氏のお兄さん一家も足を運んでくださいました。
これはステージ袖でのメンバーです。

 終演後、教会の近くの私の家でささやかな打ち上げがありました。
コンサートマスター ペトリ カスケラ氏と ラハティ響のステージマネージャーのミカ クパリ氏。ミカさんにはこの演奏会の裏方も手伝っていただきました。

 

 皆さん演奏を楽しんでくださったようです。気持ちの良い本番だったという言葉をたくさん聞けました。日本の作品 への興味がとても強かったのが印象的でした。又1年後に開催しよう・・と約束してお開きとなりました。
 

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