昨日は急きょオファーをいただいた公演、トレイルブレイザーズの第9回演奏会でした。
みなとみらいホールの小ホールは初めて入りました。400席、こぶりながら響きが非常に豊かで、逆に言うと今回の編成には少し多めの残響のホールです。
天気もよくて爽やかな「よこはま・みなとみらい」
午後早めにゲネプロが始まりました。
金管楽器奏者はアスリートと同じです。
これは、ヨウコさんの口癖でもあります。
公演前の調整にはとても気を使います。
マイクがたくさん立っていますが、
録音も撮っています。
このホールに合わせた吹き方、バランスなど・・・演奏者全員がそれぞれに確認をしていきます。
これは本番写真ではなく、リハーサルのあとメンバー撮影タイムがありました。
第Ⅰ部は黒シャツ。
今回グリーグの「ホルベアの時代より」が入っていましたが、私にとってはこの作品が一番悩みましたね。
数え切れないほどこの曲は演奏してきています。もちろん弦楽合奏で。
原曲がピアノであることも意外に知られていないですね。
グリーグ自身が弦楽合奏に編曲した時に、それはもう弦楽器の特性を生かした素晴らしい作品になっているため、非常に格好良いリズムで始まる冒頭がこの曲のイメージとなっていますね。
でも原曲はアルペジオ音型なのです。分散和音であります。
今回は、弦楽合奏から金管アンサンブルへの編曲の楽譜です。ここで最も悩むのは、弦楽器はブレスをしなくても音は出し続けられますが・・・・ということ。そして響きももちろん異なり部分的に音型やリズムも編曲されている・・・・。さてどうするか。弦楽合奏を模倣しては何も意味がない。金管アンサンブルの特性と美点をなんとか出したいな・・・・と、そんな思いで取り組みました。自分の中では、一度原曲のピアノ演奏のイメージに戻してからスコアを見直した部分も多かったです。
これは私見ですが、吹奏楽への編曲の時にも同じ事があるのです。
原曲はピアノ、それを過去の作曲家が管弦楽曲に編曲し、またそれを現代の作曲家、または編曲者が吹奏楽にアレンジをし直す・・・・。管弦楽の響きを移し替えて成功する曲もあれば、原曲のピアノ曲から管楽器の合奏への編曲を試みたほうが、よりその曲の音楽の本質に近づける・・・・その二つのパターンがあると思っています。
脱線しました・・・・
第1部の2曲目、吹奏楽界では知らない人はいないフィリップ・スパーク作曲のディヴェルティメント。
解説にもありましたが、とても「嬉遊曲」ではないよ!という演奏者の気持ち。でも曲は本当におしゃれで素敵です。速いワルツの楽章は自分もとても好きなのですが、ソロも美しかったですね。スパークさん、やはりすごい人だなと思います。私自身吹奏楽でいろいろ演奏してきましたが、作品のカラーが多様です。
はい、そして第2部です。
これも写真撮影タイムのものですが。
このようなカラフルな衣装でありました。
私は・・・・もちろん
ブルーでありました。
理由は二つ。(トークでも種明かしをしましたが)フィンランド&ドラゴンズです。
ベイスターズもブルーなので、怒られそうだ!と心配しましたが・・・・・
さて、第2部は指揮者なしでの「ジブリ」のメドレーから。10ピースの皆さんは本来指揮者はいません。
過去にも作曲者自ら指揮をされた公演はあったようです。10年の歴史を持つ皆さん。メンバーの入れ替わりもあるそうですが、同じ時間を過ごしてくるというのは、アンサンブルにとって何より大事なことだと感じます。
この「ジブリ」もきっとこれから、いろいろな演奏会に登場してくるのではないでしょうか。
そして最後の曲、ハワード・スネル作曲のアーヴィング・バーリン組曲。これも名曲ですね。
この手のリズムの際立つ、ジャズの要素も入る曲は実は大好きですが、管楽器のアンサンブルはその特徴を明確に伝えられる形体だと思います。シャープです。最後はちょっと遊びが入りましたが・・・・演技は初めてですねえ。修行が要ります・・・(^^ゞ
アンコールはトレイルブレイザーズのおなじみのもの、「赤い靴」のアレンジには参りました。おみごと!
今回リハーサル、本番を通じて私自身また新しい引き出しを得た、といいますか勉強させていただいた気がしています。
ありがとうございました!
不思議な船を見つけました。
海は良いですね~~
リハーサルと本番の間が時間がたくさんあったので、お散歩。暖かい夕暮れでした。
バンマス黒沢さんから頂きました。
小さな「グッドラックぶう」
後ろの控えている「milk」を持っているのは、昨日のお供で札幌から連れてきた子ですが・・・
手前の「こぶた」さんは、隣のマグネットと、なんとぶたさんマークの付箋紙とともに昨日頂戴しました!
ありがとうございます!!
虹色の足を持つ「グッドラックぶう」とともに、次の演奏会にも幸運を!!
コメント
コメント一覧 (4件)
金管だけの合奏を聴くのは初めてでした。この間再発売された新田先生と東京佼成ウィンドオーケストラのCDを聴いて感動していなければ、このコンサートはパスしていたかもしれません。お陰様でまた新しい音の楽しみに気づかせていただきました。
居心地が良く音響が素晴らしいホール、腕達者が揃うメンバーの迫力と安定感、それだけで心が高揚する金管の爽快な響き、本当に珠玉の価値があるコンサートでした。
しかも新田先生の棒に導かれると音がいっそう豊穣になるというマジック!滅多に見られない先生の前代未聞のコミカルな演技、決まっていました!
理屈抜きで楽しいコンサートでした。有り難うございました。
>junsinさん
ご来場コメントありがとうございました!
お楽しみ頂けたこと、嬉しいです!大編成のオーケストラをもソロで圧倒する力を持つ金管楽器。一方ささやくような音でも美しい金管楽器。幅広い魅力がこういうアンサンブルでは味わえると思います。またぜひ機会がありましたら、おでかけください!
しかし・・・・あの演技はどう考えてもオーディション失格ですね(笑)
最近は指揮者もいろいろと芝居をさせるオペラやミュージカルがあります。そちらの方も修行しなくてはいけないか・・も・・。
本当にありがとうございました
一昨日はお疲れ様でした、ありがとうございました。
急なお願いをお引き受けいただいた上に、隅々まで細やかなお気遣いをいただき、おかげさまでコンサートを成功させることができました。感謝の言葉をいくら重ねても足りないくらいです!
グリーグは、私も大変に勉強になりました。口や息の都合をつい優先してしまいがちなところこそを、音やフレーズを最優先に考えてやることでより音楽が命を持つのだと、改めて思い知りました。もっと自分を鍛えていかねば…
junsinさまのコメントも大変に嬉しく思いました、ありがとうございます!
どうぞ今後ともトレイルブレイザーズをよろしくお願いいたします。本当に今回はありがとうございました!!
>バンマスさん
コメントありがとうございました
本当にお疲れ様でした。
バンマスさんのお仕事は山ほどですね。感服です。
これからもぜひ皆さんならではの音作りを期待しています!
今回はご一緒させていただき、ありがとうございました!