日立フィル創立20周年記念第40回定期演奏会終演

hpoprogram.jpg1600人を超えるお客様のご来場、本当にありがとうございました。P席は合唱の席でしたので、ほぼ満席状態。ありがたく嬉しい環境で公演を行えました。

今年20歳となった日立フィル、HPOの皆さんとは、プログラムのご挨拶にも書かせていただいた通り、第8回の演奏会からご縁があります。12年ほどですね。干支ひとまわりの中で、本当に大曲の演奏の機会をいただいてきました。レセプションで20年の歩みの映像を拝見して、あらためてそれを思いました。

マーラーも、6番、5番につづき、今回は第2番「復活」。多くの人がかかわる作品、しかけの多い作品、というだけではなく様々な意味で前にてがけた2曲よりもむずかしさを感じていました。自分にとっては高校時代からスコアを見て長く接していた付き合いの長い、という想いのある作品。2年前に初めて公演で手がけた時と、今回はいくつか異なる考えで演奏した部分がありました。両方お聴きいただいた方がいらしたら、おそらく印象がだいぶ異なるのでは・・・と思います。
 

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サントリーホールという素晴らしいホール環境での本番。うれしい時間でした。

冒頭、ベートーヴェン「レオノーレ序曲第3番」、中間部バンダのTpは「復活」の首席奏者が。オルガン後方の客席通路から吹いてもらいました。フルート、ファゴットのデュエットも本番良いアンサンブルになり、冒頭のクラリネット&ファゴットも美しい旋律を作っていました。弦楽器の速弾きも本番良い連携となり、リハーサルでの懸案事項が本番でクリアー!ベートーヴェン組も本当におめでとうございます!

休憩をはさみ、マーラー。武蔵野合唱団ははじめから着席。
第1楽章、オーケストラの集中力がさく裂という手ごたえ。長い時間の中に描かれた世界は、この楽章だけで、交響的論文の世界。その時間を大切にしたいと、今回は特に思って取り組んでいました、マーラーが書き込んだ、テンポ設定の変化、強弱のこだわり、リズム音型への執着と意味、それらをこだわると 必ずしも格好よく勢いのある部分だけではなくなり、いびつで不格好でグロテスクで。。。。とにかく音符の背景の重さを今回は2年前よりも強く感じていた故の取り組みでした。

1楽章のあとマーラーの指示通り時間をとり・・・・・

第2楽章、第3楽章の難しさは痛感していたのでリハーサル回数も多くとったのですが、
本番ならではの空気なのか、事故は発生。しかしオーケストラの皆さん集中力を切らさずに船べりにしがみついて、甲板から投げ出されず第4楽章に到着。
マーラー哲学の半面がしっかり語られる第2楽章、第3楽章は愛着のある楽章ですが、演奏は決して容易ではない。ソリスティックな技術もしっかりと必要。その魅力をしっかり聞かせてくれたメンバーも多々。

第4楽章、アルトの押見朋子さんのソロから始まる楽章。布のカバーをつけたトランペットセクションを中心としたコラールも、非常に丁寧に美しく語っていました。2年前はこのセクションをオーケストラの外に置いて渡来しましたが、ホール環境も異なるため今回はオーケストラの中のメンバーで。
アルトソロと美しくからむオーボエのソロ、見事だったと思います。

第5楽章自体が30分を超す楽章。その導入の破壊的な音楽は高校時代から取りつかれていた部分です。
上手、下手に分かれてもらったバンダセクションは、今回もリハーサルを手伝ってもらった佐伯さんと、佐伯さんの教え子の百瀬さんに担当いただきました。呼び交わしのパターンも2種類、掛け合いアンサンブルとなるところ上手下手に分かれると格段に難しくなりますが、本番お二人はしっかりと決めてくれました。いずれの箇所も本当にどうもありがとう!!
そして、バンダを担当したホルン、トランペット、打楽器の皆さんはスコアの求めるところに従い、オンステージ、オフステージと忙しく往復します。その中でしっかりと奏でていただいたこと、頼もしく思います。ありがとうございました。
第5楽章ではじめて声を出す、ソプラノは増田のり子さん。初共演ですが、実は師匠ヴァンスカさんが読響でニルセンSym3を手掛けた時のソプラノの方でありました!聞いていました!

しかけの多い楽章、オーケストラ内のソリスティックな部分も皆さん素晴らしく、20分ほどが経過して合唱の第一声が入ります。もちろん着席のまま、Auferstehenを。2年前とまた異なる響き、バランス、言葉の届け方が武蔵野合唱団から聞こえてきました。ここから最後にむけての15分弱は、交響曲という世界の中に、マーラーが言うところの「世界のあらゆること、すべてを含み持つ」という時間となります。素晴らしい魂のこもった声の力を得て、日立フィルの皆さんもパワーアップ。最後にオルガンという、天の響きが降り注ぎ終演。終わった瞬間は感謝の想いのみでした。

多くの声と拍手をいただき、日立フィルの皆さんもこの数か月の苦労が報われたと思います。
美しい声で支えてくださった押見さん、増田さんとの写真は、二期会の公式ツールでもご紹介いただきました。こちらです。

そして合唱指揮でお世話になった、秋吉邦子先生と佐藤洋人先生とのお写真。
佐藤先生からお写真をお借りしました。

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多くの方に支えられての創立20周年記念演奏会。本当にありがとうございました。
心より感謝と、オーケストラの皆さんにお祝いを申し上げます。成人式おめでとうございます!

 

 

 

 

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