初共演のハモンの皆様と、3曲のシベリウスの大曲の共演、
9月末の初リハーサルからいろいろな道のりを経て、昨日の公演となりました。
年末お忙しいときにご来場いただきました皆様には、心より感謝申し上げます。
オーケストラハモンの皆さんは、過去33回、マーラー、ブルックナー、R.シュトラウス、ショスタコーヴィチなどという大きな作品を継続して演奏、それを得意としています。演奏能力の高いメンバーも多い楽団。
しかし、シベリウスがこれほど並ぶ公演ははじめて・・・
1907年にヘルシンキでシベリウスとマーラーが会ったこと、その会話の内容などは折々語られますが、
その空気を初リハーサルの時に感じました。ハモンさんはマーラーのSym7を終えたばかりの時だったので。
はじめは外国語を話しているような感触で音が並んでいたと感じていたのは事実。
発音、音の持続、並べ方、リズム、響きの色、バランスなどなど、あらゆる点でシベリウスの独特な語法を
確認しながらのリハーサル。「!!!」と感じていたメンバーも多かったかもしれない・・・
しかしラスト1週間の伸び率と響きの集まり方は凄かった。
セクションのアンサンブル能力も高い楽団です。自主的なセクションの積み上げの姿も大変に心強かった。
そして昨日の公演。
Sym1のクラリネットソロから始まる公演は、なかなかシビアです。でもクラリネット奏者は見事でした。
じっくりとコンサートの扉をあけた・・そんな感じでしたでしょうか。
35歳のシベリウスが遺したSym.1は、オーケストラハモンの年代の作品。若い勢いや情熱が柱となっていて、その中に未来をみるシベリウスの想いもあります。演奏能力を要求される第2第3楽章も、木管セクションの頑張りが聞こえましたね。全体をささえるホルンの力も大きかった。力をもつ金管セクションが熱い輝きを作っていました。
休憩をはさみ、一気に25年後のシベリウスと出会います。
Sym.7のトロンボーンの見事なソロも、3回の吹きわけを考えての構築、それを支えるセクションもステージリハーサルの段階で非常に良い感じに仕上がっていました。一筆書きの構造、テンポの設計の意味など、今回演奏はしんどいパターンの設計をしましたが、それにまっすぐ向き合い音を作り上げたハモンの皆さんには拍手です。本番でまことに思わぬ事態が発生しましたが、そこはまさに事故。オーケストラのリカバーの能力もあり、流れを止めずに進めることができたこと、ありがたく思っています。音楽的な責任は指揮者にあります。
最後のタピオラは、本番が最も良い状態となりました。全セクションの活躍がありましたが、特に木管セクションの力が大きかったと自分は思っています。そしてハモンの頭文字でもあるH。このHの調性で終わったこと、その意味を実感した演奏となったと思っています。
盛りだくさんのプログラムで、その点への反省も個人的にはありますが、3か月ともにシベリウスという作曲家にじっくり向き合った時間、その機会を頂けたこと、心より感謝です。
ハモンの皆さんのこれからのご発展も心より祈ります!ありがとうございました。Kiitos!
コメント
コメント一覧 (1件)
たまたま東京にいたのでシベリウスイヤーの締めくくりに交響曲の最初と最後、そして管弦楽曲の最後「タピオラ」と極めつけの曲目堪能できました。有り難うございました。第一番では木管の不安定が不安でした(最初のclはよく出来て関心でした)が徐々に調子が出てきて安心して聴きました。