Bereite dich zu leben! 生きることに備えよ・・・
1988年の武蔵野合唱団との「復活」の出会いで、リハーサルの折、この部分の男声合唱への指摘について、当時のメンバーが覚えていた。実は自分も記憶に残っている。
あの当時の日本は、まだまだ浮かれ騒いでいた。
テキストを持つ作品を手掛けることが多かった当時、古の芸術家たちが魂を削り、言葉と音楽とを密接に紡ぎ生まれた作品にたいして、その言葉の厳しさ、重さに 当時の自分がどこまで迫り理解していたか・・・
今思うと、非常に危うく心もとない状態であったろうと恥じるばかりだ。
それでも、まだ駆け出しの20代の自分は、作品の力を借り、当時の自分の心身でできるかぎりの伝達の仕事をしていたと思っている。
そして26年後、
このマーラーのテキストの意味、ワーグナーの「マイスタージンガー」という作品の「実は・・」という面白さ、
お陰様で年齢を重ねたことで、当時よりは理解は深まってきたと思う。それでも、生み出した作曲家たちの厳しい芸術の魂に、己はまだまだ届いていないという想いが、常に残り、それが続いてゆく。
2015年からの新たな仕事に向かって、自分の活動全般を厳しく見直している今年、
自分に大鉈を振るうということも必要だと思っている。
大きなミッション達成が大幅に遅れていることは本当に申し訳なく、年末に向かって心身切り替えミッション達成に向かいます。
人より遅い歩み、その自分がしょってきた時間は、この先自分で結果を出し、過去の歩みへの責任を果たすべき世代に入っている。
教員を目指していた自分が採用試験票を返却し、そこから新たな道に入ってからもうすでにかなりの時間が経っている。マイペースを自認するも、その中には中身の充実がなくては笑止千万。
修行とコンクールを経て仕事を始めた当時の自分の心のパワーを、今一度取り戻したいと痛感している今年、この「復活」の公演に、当時の音楽活動でご一緒していた皆さんと時を経て再会、文字通り自分にとっても「復活」という文字が心にあった演奏会でした。
改めて関係者の皆様に深くお礼申し上げます。
終わりのない道の大きな節目となる年に、素晴らしい機会をありがとうございました。
そして、皆さんの素晴らしい音楽への情熱と努力に敬服です。
藤本さん、素晴らしい公演写真ありがとうございました!
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