天国と地獄、そして救済

突然 「この音をききたい」と思って、今日は錦糸町にでかけた。

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世界的なオーボエ奏者であり、指揮者であり、作曲者の ハインツ・ホリガー氏と新日フィルの公演。
プログラムに、マーラーSym.4、そしてホリガー氏自作があり、伺った。

もちろん、冒頭のハイドンの協奏曲、吹き振りは、素晴らしかった。
お歳に触れるのは失礼かと思うが、1939年のお生まれ、75歳!
演奏の持久力、技の素晴らしさのみならず、音楽の力がお若い、そしてフレーズが長い。

私はホリガー氏の作品、「クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩による6つの歌」にとても魅力を感じた。
詩人の厭世的な諦念という性格(プログラムより引用)、その詩から生まれたホリガー氏の音の世界の暗さと複層的な音像は、個人的にとても魅力を感じる。作曲はすでに1956~57年になされ、今回管弦楽版として2003年に改編されたものが演奏された。ソプラノの秦茂子さんは初めて拝聴、とても美しい声。作品を素直にクリアーに表現されるタイプのように感じた。

そして後半は、マーラー交響曲第4番。自分も3月にこの作品を手掛けた。まだスコアが頭に残っている。
ホリガー氏のアプローチは、とても明晰で、表現の幅が広い。オーボエの持つ息の長いフレーズ感、(語弊がなければ)、その特徴を感じる歌わせ方、フレーズの取り方を多く感じた。
しかしスコアの指示をとても丁寧に表現されていたと思った。
強弱の指示が明解で、バランスをスコアどおりに作っていらしたと思う。
もっとも、自分が拝聴したのはバルコニー席で、ほとんどステージの真上。
マエストロとオーケストラの間の空気と時間はとてもよく見える席。
それでも、クリアーな強弱の順守は届いてきた。

現在2番のリハーサル進行中。10月11日の公演に向かって・・・・
この作品の大きな世界にどのように向き合ってゆくか、リハーサルの中でも試行錯誤。

素晴らしい作品を初めて手掛ける時には、いつもある種の畏れを覚えるものだが、
おそらく今までで一番それを感じている。マーラーの6番、5番よりも、それを感じる。
作品に接してきた時間は、圧倒的に2番が長い。それは高校時代から。
当時、アマチュアのヴァイオリン弾きであった自分は、マーラーの1番、2番に夢中で、いつか・・・と思いながら、スコアやパート譜を見ていた。結局どちらもヴァイオリンでは演奏することなく、タクトで接することとなったが・・・

おそらく客観的な作品の内容よりも、主観的な想いが今回強いのだろう、自分にとって。
今一度、冷静に作品と、オーケストラと向き合いなおしたいと思う。
本日、素晴らしいマーラーの響きを聞けたことは、一つまた音楽の財産を手に入れた気持ち。

 

この先のことは戒めとして書き留めておこう・・・

このところ、いろいろと捗らず自分が停滞している自覚がある。
山ほどの宿題が片付かず、創造の世界も、想像の世界も、ともに狭くなっている実感がある。
一つの山場を迎えているのは確かで、その先には喜びも、楽しみも、期待もあり、いろいろなアイディア、
思考、方法が頭の中を駆け巡っている。
ただ、そのアウトプットがはかばかしくない。
自分の中を、片付けなくてはいけないと強く思う。

何かを考えながら動く・・・少しぼおっとしているように見えることが今増えているかもしれない。

やってしまった・・・・
9月に入り、4回目のポカ。

本日のポカは、シャレにならないもので、寿命が少なくとも5年は縮まった。
天国の演奏から一気に地獄である!

錦糸町から乗車、千葉駅で降りた。
改札口に向かいながら、なんだか身体がチリチリする、なんだか心臓が痛くなる、何かがヘンだ!
そう、誰かが教えてくれているような感覚・・・・

「あ!カバンがない!」

貴重品はもちろん、いろいろ詰め込んであるいつもの黒いショルダーバックがない!!!

そうなのです。網棚に置いてしまった。そして船橋過ぎて座れた時に、手元に持つことを忘れた。
そしてそのまま降りた・・・・・
手元に手提げのバックは持っていて、それだけにしか意識がなかった・・・

アホです

 

それからの2時間は血圧が上がりました。
まずは、千葉駅の改札窓口で、忘れ物の事を告げ、
乗った電車は成田空港まで行ってしまうことは分かっていたので、途中で探せないかお願いをして、
駅ごとに問い合わせをしたものの、夜間は人手が少なく作業は不可と言われ、
成田空港に到着したら忘れ物届けられるので、問い合わせ窓口に連絡せよ!と言われ、
いったん自宅に戻る。(現金もすべてないので、タクシーで自宅に乗り付け、親の世話になる!)

電車が成田空港に到着した時間を確認し、少ししてから「忘れ物窓口」に電話。
事情を話、いろいろ調査してもらう。
しかし成田空港では発見されず、その電車はすぐに東京方面に折り返したとわかる。
列車番号を教えてもらい、千葉駅で確保を願い、もう一度駅に向かう。
千葉駅改札で、「さっきのものだが、乗った電車が戻ってくるので、自分で見ていいか?」と断りホームへ!

23時45分に件の電車入線。

乗車していたあたりの車両を見る。

 

ありました!!!!!!!!!!!!!!

置いたところにそのまま・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

涙涙涙涙

八百万の神々に祈りました。
祈りが届きました・・・・・・・・・・
ありがとうございます!

それにしても、成田空港まで行ってそのまま戻ってくるなんて・・・

思いました。

今月、これだけポカが続くのは、やはり変だ。

その変であることは、自分の内情が起因することとともに、情けない現状に対して天罰ではないかと・・
戒めのありがたい教えなのではないかと・・・

思うことにします。

天国

地獄

救済

 

でした。
 

 

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 去年の秋口、ドイツに演奏&観光に楽友夫妻と行き、帰りの成田で事件が起こりました
    成田から所沢行きのバスに乗り、ヤレヤレ所沢到着!!!と思ったら「肩掛けカバンが無い(>_

  • 去年の秋口、ドイツに演奏&観光に楽友夫妻と行き、帰りの成田で事件が起こりました
    成田から所沢行きのバスに乗り、ヤレヤレ所沢到着!!!と思ったら「肩掛けカバンが無い(>_

  • あのヨーヨーマ氏でさえ、商売道具のチェロをタクシーに
    忘れたのは有名な話です。
    きっと考え事に集中し過ぎていたのだと思います。
    楽器を忘れるほどの集中力の凄さ。
    あの指揮する姿から新田先生もかなりの集中力を持って
    いると思います。

  • >オケ・ロージン様
    コメントありがとうございました。お返事遅くなり失礼しました。
    荷物のトラブルは皆さん体験されていますね。頼りになる方がいらっしゃることは心強い!私の今回の場合は、自分の完全なる落ち度なので・・・単にターンテーブルから取るのを忘れていたという、お笑い草でありました。
    最近は、脳みそもちょっと回復しているようです(^o^)
    >Sato様
    コメントありがとうございます。お返事遅くなりました。申し訳ありません。自分の楽器をお忘れになる音楽家!の話に、ちょっとほっとしております。(^o^) チェロほどの大きなものでも・・なのですね。これからも身の回り気を付けてまいります!

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