第15回シベリウス音楽祭、9月4日から三日間のオーケストラがかかわる日程が終わりました。
今年のテーマは オリジナル!すべてのプログラムが改訂された現行版の以前の姿。
これは、非常に貴重な機会であり、聞き逃せない!ということで、15回目の音楽祭通いです。
皆勤賞であります。(^_^;)
このような形で、今年もシベリウスホールでのリハーサルに通いました。
今回は二人の若手指揮者も一緒に見学。
初日公演のゲネプロあとに、マエストロと一緒に写真を撮っていただきました。
デンマークから駆けつけた木下麻由加さんは、学んでいた学校の修了試験でニルセンのSym1を指揮しています。
お弟子様は、フィンランドに来る前に京都のアマチュア楽団で、シベリウスのSym3を指揮してきました。
シベリウス&ニルセン、同い年の北欧の作曲家を来年のメモリアルイヤーにむけて取り上げるオーケストラは、確実に増えています。プロ楽団はもちろん、アマチュア楽団もこの二人の作曲家のこれまであまり取り上げていない交響曲や管弦楽作品を演奏することが多くなっていますね。
今回のシベリウス音楽祭は、このラハティ響でなくてはできない内容であったと思います。
すべての管弦楽作品を演奏、録音している20年にわたる活動があってのオリジナル版のプログラム。
改訂された現行版のいずれの作品も度々演奏しているラハティ響のシベリウス細胞のしみわたり方は、やはり特別なことだと思います。
BIS全集には初稿版もかなり収録されています。その録音を経験しているメンバーももちろんいますが、
ここ数年、ラハティ響は新入団員が増えています。
今年、コンサートマスター3名が、すべて音楽祭当初から入れ替わりましたね。
現在のコンサートマスターは、Maaria Leinoさん、第2コンマスの Kirill Terentievさん、そして第3コンマスがHannaliisa Pitkapaasiさん。彼女は昨年ヨエンスーのオーケストラでご一緒しました。
第1回音楽祭は2000年の9月、ちょうど自分が研修を始める年。その準備で訪れた時にこの音楽祭のスタートでした。当時のコンサートマスターは、Jaakko Kuusisto, Yrki Lasonpalo, Petri Kaskela。
Petriさんのみ現在も在籍しています。
あらためて数えてみたら、今年のヴァイオリンセクション20名のうち、第1回からいらしたメンバーは半分の10名でした。チェロ、コントラバスはほとんど変化がないのですが、ヴァイオリンは動きが激しい15年。
ということで、初めて初稿版に接するメンバーもいる状態でのリハーサル。曲数に対して決して十分な日程ではないと思いますが、手書きの難解なパート譜と格闘しながら、どんどんオリジナルの姿が音楽として説得力を持って作られていく様子を、しっかり拝聴、学ばせていただきました。
今年の日本からのお客様は、なんとアイノラ響のメンバーお二人も!
フィンランド在住のあやなさんを含めて3名もそろったのは奇跡か!毎年ひょっこり現れるお方は今年はいらっしゃれなかったようですが・・・ この音楽祭のプログラムすべての曲の現行版(一部初稿版も)演奏しているアイノラ響です。初稿版の実演に接することができるのは、本当に貴重です。
15年間お世話になっているMiljaさんとそのお友達。
若いシベリウスは、本当にイケメン!です。
音楽祭の期間中は、いつものように天候穏やか、気温も上昇。
休憩時間はこの場所に皆さん出て 美しい湖の色の移り変わりを楽しみます。
終演後もまだ光が残っているので、とっぷりと暮れる前の変化を味わえます。
音楽祭の内容の詳細については、不肖私が簡単なレポートをこちらにまとめています
Facebookのシベリウス協会ページに、リアルタイムで今年も音楽祭の様子をご報告させていただきました。
そちらもあわせて、ご覧ください。
今回もシベリウス協会ミーティングがありました。
各国から音楽祭にむけて集まる協会関係者が集い、2015年にむけての活動報告情報交換を目的として
今年で3回目のミーティングです。その様子も上記の欄に掲載しています。
今年はこのヴァイキング風レストランにお世話になりましたね。
遅くまで開いているレストランが少なくなったそうです。こちらではフィンランドのお料理をいただけました。
たとえば、このような。
最終日は、19時前に終演だったので、湖のそばのお店で、日本からツアーでいらした皆さんとも一緒に乾杯! p>
ラハティ響のメンバーの方とも少し合流。お弟子様と、ラハティで勉強しているチューバの小林君も
こちらの皆さんと乾杯していました。トロンボーンのVesaさん、Jukkaさん、そしてヴァイオリンのPetriさん。
Petriさんは、アンサンブルイリスの活動をしていた時、コンサートマスターを務めてくださっていました。素晴らしいヴァイオリン奏者です。
三日間、オーケストラの皆さんは本当にお疲れ様でした。
そして、マエストロ、オッコ・カムさん。
この三日間について指揮者としての感想・・・
・初稿版と現行版は、単純に比較して優劣を決められるものではない・・・
・現行版の姿から逆算するようにオリジナル稿を演奏しても、何も意味はない・・・初稿は初稿。
・初稿から改訂稿への経緯は、その作品ごとに違うということをふまえて、オリジナル稿を今後も演奏するべきか、それに価値があるのかどうかを慎重に検討する必要がある・・・
・作曲者の初めのアイディアを知ることは、とても大切であり できるだけその調査、研究は今後もしてゆく。
・それにしても、今回のヴァイオリン協奏曲のソリストはすごかった。
さて、来年のシベリウス音楽祭は非常に華やか。そして日程も長くなります。
詳細の報告はすでにオープンにされています。
こちらです。 ラハティ響の回し者ではありませんが、来年はチケットはお早めに!
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