ひこね第九オーケストラ サマーコンサート2014終演

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2003年の第九公演以来、ほぼ10年ぶりの共演。
懐かしい皆さんのお顔、嬉しかったです。

今回は「北欧プログラム」という打診でした。
規模は大きくないものの、ひこね以外の土地の皆さんも集って、なかなか「人の力」あふれる
暖かで、気持ちのよいオーケストラという印象、10年ぶりでも変わらず持ちました。

今回のメインである、カール・ニルセン「交響曲第4番」は、一筋縄ではゆかぬ作品であること、
過去3回の自分の経験でも身に染みています。
今回もギリギリまで磨き上げの時間が続きました。

この作品、二人の同じ力を持ったティンパニ奏者が必要です。

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左がセカンドをつとめた谷口君、右が大坪君、二人ともお見事。素晴らしいコンビでしたね。
大坪君は、東京の大学出身で、そちらでのご縁も以前ありました。
二人とも分析肌で、研究熱心。乱打戦となりがちな終楽章の追い込みを、冷静なコントロールをもって、
そして熱演でした。

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ひこね第九オケと言えば、こちらのご夫妻。澤さんです。
奥様がコンサートマスター、ご主人は団長であり、チェロの首席奏者です。今回チェロのソロが3曲ともあり、
タイプの違うソロ、ソリの旋律を見事に表現されていました。奥様はジュニア世代を育てていらっしゃいます。
10年前も大変にお世話になりましたが、今回も本当にあたたかく迎えて下さり、いろいろ彦根のことも教えていただきました。歴史&美味のお味。

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グリーグのピアノ協奏曲ソリストは、このオーケストラのチェロ奏者でもあるピアニスト、吉田桂子さん。
これまでも協奏曲や室内楽、伴奏など多岐にわたり活動されています。軽やかにとても爽やかにリハーサルの時から伸びやかに演奏されていて、仲間の皆さんの支えの中、本当に気持ちよさそうに弾かれる様子、素晴らしかったです。メンバーの皆さんが、本番とてもよく耳を開いて対応してくださったこと、ホルン、木管のソロの会話もとても心のこもったものであったこと、ホールの美しいまろやかな響きがサポートしてくれたこと、いろいろなことがグリーグの協奏曲を美しく響かせていたと思います。

1曲目のラーションは、これまでも数度取り上げてきましたが、冒頭の弦楽器による限りなく美しい響きの後に登場するホルンにかかるプレッシャーはどれほどか・・・と、毎回ホルンの方に言われていました。
今回も(お写真撮り忘れた!)見事なホルンの本田さんのソロに始まり、まさに極上の管楽器アンサンブルが紡がれ、弦楽器群も美しい響きに集中してお客様も楽しんでくださったようでした。うれしいことです。
聞くところによると、管楽器チームはこのオーケストラのベテランメンバーで、日ごろアンサンブル活動をされているそうですね。阿吽の呼吸が大切な作品なので、その点でも本当に息があった見事なものでした。
 

ニルセンに話を戻して・・・
この作品、ご存知のように第2楽章は、ほぼ木管、第3楽章はほぼ、弦楽器というように、活躍するセクションが明確にわかれる構成。上手に各セクションを休ませながら35分4楽章を続けて演奏する作品。
それだけに、一瞬の隙も許されないというシビアさもあり、そのような時間間隔に慣れることも必要でした。
メンバーの皆さん、リハーサルを積むごとに作品の魅力に次第に深くはまって、この時間を全身で感じ、全身で表現されていましたね。

ニルセンは木管五重奏の名曲があるように、木管楽器、ホルンの使い方が上手だと思います。
それぞれの楽器の魅力を引き出します。この曲もフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、それぞれの性格をうまく使って独特の旋律とリズムを紡いでいると思います。第2楽章の木管群のアンサンブルは聞かせどころの一つで、木管チームの結束力、光っていましたね。

トランペットの役割は作品のアクセント、先陣をきる、まとめる、つなぐ・・など、切れ味を求められ、トロンボーンはチューバとともにコラールのキャラクターが多く、そして響きの土台を気の遠くなるようなロングトーンの連続で築くという重量級。ハードルの高い内容ながら、皆さんそれぞれの役割を十分に認識してのリハーサルを積み上げていたと感じます。

弦楽器に求められることは、ニルセンの作品の場合多面的という言葉では不足なほど、本当にいろいろな音楽が描かれます。ニルセン自身ヴァイオリン奏者であったわけで、「それなら、この難しさはわかるでしょ!」と怒りたくなる気持ちも理解・・・しかし、そこは作曲家に絶対にギブアップとは言いたくない指揮者根性があり、何とかニルセンが弦楽器に描きこんだ音の言葉を客席に届けたいという想いが自分にもありました。
3楽章から4楽章へのブリッジの部分の高速アンサンブル街道は、リハーサルするほどに「ノリ」も加わり、逆に歯止めがきかなくなることもありますが、澤コンサートマスターのもと、そしてひこね第九オケが誇るコントラバスチームの見事な支えもあり、見事に駆け抜けましたね。
個人的に第3楽章の弦楽器ユニゾンの旋律は魅力を感じる部分ですが、あの難しさも本番見事に皆さんの集中力が発揮されていました。

セカンドティンパニの連打を合図に最終楽章に突入してからは、おそらく奏者の皆さん瞬きする間もなく、
荒波を一隻のバイキング船で乗り切る!という想いであったかと・・
指揮官としては、絶対にこの船を沈めてはいけない!難破させてはいかん!全員乗船したまま目的地に到着させる。それが使命でありました。ニルセンどのは、本当に凄い作品を書いてくださったものです。
この作品の魔力から当分離れな
い事でしょう。次回はいつになるかわかりませんが、次回のこの作品の演奏までにどうしてもやっておかねばいけないことがあります・・・・

今回もニルセンの新しい全集版を使用しましたが、やはり疑問箇所が多々。
校訂報告でも触れられていない不思議な点がいくつかあります。楽譜の訂正には厳密な調査と、厳しい判断と、あとは作曲者への理解が必要だと思っています。4回の演奏のうち、3度この新版で演奏して、やはりこの疑問は解明、訂正の必要があると、覚悟をきめて次回に備えます。
同様のことが、シベリウスのブライトコプフの全集にもあります。研究者の提示したものは、一つの判断、考えです。時間をかけて多くの人の調査考察で、どんどんよい状態の楽譜になってゆくこと・・・それが望まれる姿だと思います。さらに自分も研究を続けます。

 

終演後、レセプション、2次会と、メンバーの皆さんとの語らいの場に出席しました。
10年ぶりの機会を待っていてくださったという言葉をいただき、とても嬉しかったです。
地域に根差して、様々な環境の方が集う市民オーケストラの皆さんの中にはぐくまれている音楽愛と人間愛は、本当に大切なものであるということを、改めて感じました。ひこね第九オーケストラの皆さんの今後のご発展を心よりお祈りします。
ありがとうございました!

 

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今日もノルウェーから、かけつけて!くれました。トロール。
グリーグの作品を演奏するとき、割とそばにいてくれます。7月も同行してくれることでしょう。

人形つながりで・・・
今回素敵な暖かなマスコットを2つメンバーの方お二人から嬉しいメッセージとともに、頂戴しました。
いつもそばで見守ってくれそうなかわいい子が増えました。
本当にありがとうございます!音の旅の友に、きっと一緒にきてくれることでしょう。

 

 

 

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