2012年が幕を閉じる。
日本という国が「次」を模索始めてから2年を迎える時に入る。
2011年~2012年の様々な迷走と具体的な多くの困難、継続する苦しみについては この年末の政権交代だけでは解決する問題ではない。そのことに思いをはせると無力感に襲われる。
でもやるべきことは、嘆くことでもなく、報道に向かって文句を言うことでもなく、具体的な未来創造に少しでも自分が踏み出すこと。それがいわゆる現役世代の我々の務めだと思う。
社会に関わっている限り、あらゆることはつながっている。そのつながりをより実りの多い、よい連携を膨らませてゆくこと、そんな活動の在り方も模索してゆきたい。
自分だけで完結していること、それはその本質が素晴らしいものであれば後世じわじわと評価される。
だが中途半端な自己完結は独りよがりでしかない。何も生まない・・・
我々の関わる世界はその点において厳しく世間から判断される。
でも、それが必要だ。絶対値などどこにもない世界。
いつでも厳しい耳と視線を浴びていることが大切・・・
現在自分がかかわっていること、
コンサートへの客演指揮
シベリウスを中心とした北欧作品の演奏と研究、
シベリウス協会の活動
フィンランドの音楽家とのつながり
音楽大学での指導
ピアノ演奏
そして本当はそこに執筆準備が入る。今年それがまったく進まなかったことに危機感を持っている。
正直のところこの1年の自分は、まったくもって「整っていない」年だった。
それは演奏活動の一つ一つを充実させるということとは異なる話。
目の前の演奏することへの集中力は以前より高まっている。
多くの素晴らしい楽団と、アンサンブルと、ソリストと実り多い時間をともに生み出すことができた。
しかしその背景の多くの「やらねばいけないこと」に対して、なかなか勉強が進まなかった。
そこを怠っていては自分の未来はない・・・そう思い続け、なかなか自分をその方向に向かわせることができなかった1年。執筆だけではない、研究、そして学習・・・その意味で一つの猛省の年と記録する。
指揮者として、音楽家としての成長は何より素晴らしい作品からの教え、
音の現場、リハーサル、コンサートの体験がものをいう。
デビューしてからの蓄積~それが20年を過ぎて、自分なりの積み重ねもあり多くの素晴らしい共演者の皆さんから、かけがえのない教えをいただき、宝となって自分の中に残り・・・そして自分もまた変化してゆく。
まだまだ道半ばであり、何も為していないという想いは続く。それは最後の日まで続くだろう・・。
今、もう一段昇りたい階段がある。
そこへの道は簡単ではなく、自分の前には開かれていないのかもしれない。遅すぎるのかもしれない。
でも、それを目指そうとすることは、生涯必要だろう。諦めからは何も生まれない。
ピアノを再び弾き始めた昨年から継続して今年、来年へとそれが続く。
大いなる挑戦となる2月の弾き振りは、オーケストラの協力なくしてはできない。
この機会に本当に感謝している。
小学校6年の時にレッスンの課題でもらった作品、あの頃の自分の音への向き合い方も思い出しながら
今現在の自分のできるだけのことをつぎ込んで仕上げてゆきたい。
世間の迷走の空気と自分の内情がリンクしていた2012年、
来年にむけて今一度自分の根っこ、自分の核を見つめなおし、そしてさらに新しい世界に飛び込んでゆきたい。
事務所に所属して1年、新たなつながりや現場の出会い、そして大きな支えに感謝。
コンサートに足を運んでくださる皆様に深い感謝を!
日々音の現場でお世話になっている皆さんに、心から感謝。
大きな刺激と音の幸せをいただいた共演者の皆さんに感謝。
多くのサポートでお弟子様にもお世話になりました。
そして、いつも健康を気遣ってくれる母に大きな感謝を。
2012年も本当にありがとうございました。
2013年、一歩でも前へ、一つでもよいことが多く、一つでも未来への明るい可能性が生まれることを
心から祈ります。皆様のご健康を!良い年をお迎えください!!!
新田ユリ 2012年12月31日
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