新日本フィルハーモニー交響楽団が、創立40周年を迎えての特別演奏会を拝聴。
5日と7日の二日間開催。指揮はMusic Partner of NJPのダニエル・ハーディング。
R.Strauss 組曲「町人貴族」は、実演で初めて接した。各セクションのソロが緊密な連携、アンサンブルを必要とする作品。集中力の高い流れだと感じた。
サントリーホールのLB席での拝聴だったので、全体のバランスはあいにくわからない。
でもステージ上の音の会話は非常によく見えた。
つづいてR.Wagnerの「ヴェーゼンドンク歌曲集」作品91.メゾソプラノの藤村実穂子さんの素晴らしい歌唱で、この作品の魅力を堪能。ぜひともこの作品は手掛けたいと強く思った。歌の背景と内在する世界をオーケストラの音が、丁寧に作っていたと感じた。個人的にハーディング氏への印象が強く変わった演奏だった。
メインはG.Mahler 「交響曲第1番」。昨年の交響詩演奏後、この作品の価値が個人的に大いに変わった。
それまで、マーラーの交響曲の中で、もっとも苦手な作品だった。(高校1年の時に1度大変に夢中になったことがあり、部分的だったがスコアからパート譜を作成したり・・とにかくそこから自分のマーラー歴は始まった)
若いころの熱は、大人になって見事に冷めてしまい、とにかくこの第1番だけは避けていた・・・。
しかし不思議なことに、この作品の原石のスコアを見てから、パズルの最後の1ピースがはまったかのように、
もう一度第1番にまっすぐ向かう気持ちになった。
ということで、その昨夏の体験以来の第1番。
ハーディング氏は別のオーケストラでマーラーの第6番を拝聴している。(数年前)
その折の印象と比較して、本日のハーディング氏は明らかに変わったと感じた。
世界的な活躍の中で、多くの栄養素をその身体に取り込んでいる・・・・そんな印象を持った。
終演時にすれ違う聴衆の声からも、実は「だいぶ・・・・・変わったね」という声が複数聞こえていた。
ハーディング氏をずっと追いかけて聞いている皆さんだったようだが・・・。
NJPの皆さんの素晴らしさも、ステージ横の近い距離で体感していた。
第4楽章最後のすさまじい追い込みで昇華させる運びの中、とにかく微塵も緊張感が途切れずに
充実の響きを感じられた。
いずれの作品も細部への神経を必要とするものだった。演奏時間も2時間。お疲れ様でした!
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