NJP第491回定期演奏会拝聴

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Thomas Dausgaard氏、デンマークの指揮者。1963年生まれだそうです。
同世代と言えますね。
いろいろな方から、このマエストロは素晴らしいと伺っていました。
初めて実演に接して、少しお話もさせていただきました。

火曜日に伺ったリハーサルでは、音楽の骨組みと最終的なトーンをオーケストラに丁寧に細かく伝えるという内容を見ていたので、それがどこまで構築されて拡大されるか楽しみにしていました。

いやはや、素晴らしい演奏でした。

新日フィルの皆さんとは、自分はかなり若いころ何度かステージに立たせていただいていました。
民音のコンクールの後、民音主催の公演でシベリウスのSym1を指揮させていただいたのもNJPでした。
そのあとの様々なコンサートでいつも感じていたのは、恐ろしく指揮への反応が早いオーケストラだ、ということ。そして耳のアンサンブルが素晴らしいこと、非常にフレキシブルに音楽に対応されること・・・
あの当時からもちろん時間が経っているので、ずいぶんメンバーの皆さんの顔ぶれも変わりました。
それでも高い機能性と対応力はオーケストラの細胞として育ち続けているのだなと僭越ながら感じました。
昔なじみのお顔も多く・・・懐かしい時間でもありましたね。

さてさて、ステリハからお邪魔しましたが、火曜日に聞けなかったニルセン、「やはり!」という確信をリハーサルで持ちました。ニルセン語がとっても自然に表現されているなと思いました。チャイコフスキーも、より徹底されてダウスゴー氏の考えが浸透していましたね。

リハーサルの後、少しお話をさせていただけました。デンマークの作曲家の作品を、ヨウコさんと録音しているので、そのCDをごあいさつ代わりにお渡ししました。リスエアは難しいよね・・・とおっしゃっていました。
本当に背の高い方なので、見上げてしまいます。

コンサートは自分の定位置(?)で拝聴。上手側のステージ真横ですね。
指揮者とコンサートマスターが一番見える場所です。素晴らしいコンサートマスターのお仕事ぶりを拝見するのは、自分にとって本当に勉強になり、そして気持ちが良い・・・子供のころあの位置に憧れていた自分としては、なんというか、光り輝く場所に見えてしまうのですねえ・・・

チャイコフスキーはとにかく新鮮でした。いわゆるロシアだから・・・という通り一遍の慣習表現ではなく、
それこそスコアを真っ白な状態で掘り起こしたリハーサルを行っていたので、それがすべて実現されていたという印象です。音楽の横軸と縦軸のバランスがとても見事で、音認識の感覚が独特だなと思います。

続くシベリウスのSym7.
どうにもデンマーク語という響きが自分には思い浮かんで仕方がなかった。発語という点でもデンマーク語とフィンランド語はまったく違います。
ただ、シベリウスはスウェーデン系のフィンランド人で母語はスウェーデン語です。もちろん後年フィンランド語圏の生活に入っていますし、奥さんのアイノさん一家はフィンランド語復興運動をけん引していた家系です。
スウェーデン語とデンマーク語は言語的に親戚。
この視点でシベリウスの作品をどのようにとらえるか・・・という二派が存在していると自分は思っています。

フィンランド人の指揮者といっても多様であり、実際言語的にもこの二派がいらっしゃいます。
シベリウスの楽譜から何を読むか、何を感じるか・・楽理的な観点での分析プラスアルファの部分の立ち位置で、異なる方向性が生まれると考えています。
自分の考えとは異なるけれど、とても素晴らしい演奏だと私は思いました。7番の持つ一見分断された構成は、終わってみると実は・・・と聞こえるようにできています。そう感じさせる方法は一通りではなく、そこに演奏の面白さも存在しますね。リハーサルやステリハでダウスゴー氏がこだわっていらした点、最後の流れ、ダイナミクスの受け渡しはこの構成の答えに関する部分なので、大事なところです。

休憩時はアイノラ関係者も数名お目にかかりましたね。
いろいろな方に「このプログラムだからユリさんいると思いました」と・・・・言われてしましました。(>_<)

さて後半、
ニルセンのSym4.消しがたきもの・・・NJPは「不滅」を採用していました。 
これが聞きたかったのですね。こう演奏したいと思うまさに直球でした。
デンマーク語のニルセン。
Tutti,木管、弦楽器、金管、打楽器・・・と、順にクローズアップされながら進む構成は本当に面白いけど、
作品を貫くニルセン語の面白さを本当に出さないと、表面的なまとめに終わってしまう。
オーケストラの力量も全開で素晴らしくて圧倒的でありました。

日本のオーケストラの力は決して欧米に劣らないです。
それを引き出せる指揮者でありたい、そうなりたいと・・・・・思うわけです。
自分のタイムラインリミットとの戦いでもあります。

終演後もマエストロとてもご機嫌でありました。ご挨拶して失礼しましたが、
一度北欧でも拝聴したいです。
素晴らしい演奏の刺激でエネルギーをもらいました。

帰り道、久しぶりにお目にかかったトロンボーンの宮下さんと駅までご一緒させていただきました。
懐かしかったし、常に前向きで歩みを積んでいらっしゃる姿にはいつも学ばせていただいている演奏家のひとり。オーケストラの皆さんマエストロの素晴らしさを語っていました。よい出会いでした。

 

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