日本シベリウス協会 シベリウスピアノ作品全曲演奏会終了

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2月のVOL.1に続き、第二弾終了いたしました。御来場いただきましたお客様本当にありがとうございました。
大ホールも実は素晴らしいピアニストによるリサイタルがあったようで、すみだトリフォニーホールはこの夜はピアノの響きにあふれていたようです。

シベリウスのピアノ作品は、まぎれもなくシベリウス協会会長の舘野泉氏の1970年代録音から日本で広まりました。それが年月を経て静かにゆっくりと浸透し、2015年にシベリウス生誕150年を迎えるカウントダウンの時期にこうしてまとまった形で協会でお届けする機会を得られたこと、何より嬉しいと思います。

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左側から、
 

1曲目、フロレスタンを演奏された 朗読の谷口艶子さん、フィンランドの民族衣装をお召しです。ピアノは水月恵美子さん。朗読の位置など、事前の勉強会でいろいろ討議検討されていました。音の数が少ない初期の作品です。その隙間と言葉との関係はとてもデリケートなものでもあり、そして逆に膨らみを感じさせます。良い雰囲気が作られました。

日本初演のロマンティックな小品を演奏された飯野さん、飯野さんが演奏された一連の作品は1910年代のものがほとんど、雑誌の付録として作られた作品も並び 親しみやすく軽快な明るいトーンの曲目を演奏されました。ロマンティックな小品の楽譜入手の経緯は当日お話をさせていただきましたが、あまり演奏されない作品について、どのように楽譜をリサーチしてゆくか、我々も大いに勉強させていただきました。今回はシベリウスの自筆譜にも接することができて、大いに刺激を受けました。

そのお隣は やはり日本初演の 愛するアイノへ という連弾作品を水月さんと演奏、またトリのフィンランディアを演奏された久保さん。この連弾曲、とても魅力的でした。深遠な空間を感じさせます。第8交響曲への流れが見えるという研究者の言葉も納得です。今後更にリサーチが進むと思われます。フィンランディアもシベリウスの手による編曲作品ですが、ほとんどリスト編曲?と思われるほどピアニスティックな技巧が光るものです。

そして、フィンランドの6つの民謡と連弾のペレアスとメリザンデを演奏された飯田さん、
このピアノ企画の発案者でもあります。12月7日はヤマハのホールでも北欧音楽を並べたリサイタルをなさいます。

最後は唯一の男性ピアニスト、萩生さん。弦楽合奏の編曲作品 田園組曲を演奏されました。
弦楽器ならではの語法がピアノでどのように編曲されているのかも興味を引く作品ですね。
厚みのある落ち着いた響きが印象的でした。

演奏者の皆様、本当にお疲れさまでした!!

さて私は何をしていたかというと・・・・
しゃべっていました(^^ゞ

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日本初演の作品や、楽譜の問題がある作品など 少しトークで皆様にご紹介を、
後半は舘野泉会長との対談。
なかなか難しいものです、アナウンサーやプロの司会者や、日ごろ意識せずにそのなめらかなトークを耳にしていますが、あれは本当に訓練とセンスのたまものなのでしょうね・・・
コンサートでお話をする機会、講演会、講義などこの10年でずいぶんお話の機会は頂くようになりました。
まだまだ勉強修行は不足ですが、必要な時にはそんな役割も務められるように・・・・精進ですな。

舘野会長からは、1970年代のピアノ作品の録音について、そのあとの需要について、
そしてアイノラの里にあるピアノについて・・・など 暖かなお話をしていただきました。

シベリウス協会の初代会長、渡邊暁雄氏と日フィルによるシベリウスの交響曲録音は、ステレオでの全集録音ということで、世界初だったそうです。1960年代の話です。
その後舘野会長による多くのシベリウス作品の録音・・・・ということで、世界に先駆けてもシベリウスの広まりは実は日本は早かったということが、資料から今回私自身あらためて確認しました。
その流れで現在こうしてピアノ作品のまとめをできたこと、よかったと思います。

ファミリーコンサートや音楽教室のタイプの演奏会は、どちらかというと自分で進行を務めることは好きです。
今回のようなタイプの司会の場合は、演奏者の空間にどのようにお返しするか・・・それも大事なポイントなので
その部分はとても気をつけなくてはいけません。演奏するということの特別な集中力は、実に神経を使うものです。

話の内容は、だいたい必要な時間の5倍以上は用意します。その中から抜粋、削除、選択を流れの中で行って組み立ててゆきます。時々その作業を失敗すると、何をしゃべっているか分からなくなるという最悪の状況になります・・・。お恥ずかしい・・・・・

ともかく、これで今年1年のピアノ企画が無事に終了いたしました。
今回のプログラム、前回のプログラム その冊子の資料はなかなか重要なものだと思っています。
協会ではプログラムのバックナンバーは、別の公演でも販売いたします。また協会のウェブサイトにお問い合わせいただけましたら、やはり頒布は行っていますので ピアノ曲にご興味のある方はぜひ!!

多くの皆さんにお力をいただき支えていただきながら終えた公演、企画担当のスタッフの皆さんは感無量ではないかと思いますが、本当にお疲れさまでした。
ありがとうございました!!

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 久々に協会企画にお邪魔しました。
    生で間近に聴くとピアノ曲なのにオーケストラよりも色彩感が豊かに聴こえたり、CDだけでは解らない新たな発見がいろいろと多い一夜でした。個人的に大好きな田園組曲が聴けたのが嬉しかったですね(昨年のラハティに続いてピアノ版も制覇!)。
    館野会長とのトークもふんわりと暖かい雰囲気でとても良かったです。「次の企画」も楽しみにさせていただきます。

  • >Matsui@つくばさん
    お久しぶりです。お元気でしょうか?ご来場ありがとうございました。
    早速のご感想も恐縮です。これからの企画も、また皆さんと練ってまいります。ぜひまたご来場お待ちしております!お元気で(^O^)/

matsui@つくば へ返信する コメントをキャンセル

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