Vielen Dank Maestro Daniel Gaede

Maestro Daniel Gaede

素晴らしい機会を頂きました。元ウィーンフィルコンサートマスターとして、また読響のコンサートマスターを務められたこともあり日本でも良く知られるダニエル・ゲーデさんとの共演が終わりました。オーケストラは友好音楽祭オーケストラ。都度メンバーが集められますが、2017年から核となるメンバーを中心に、様々な海外からの素晴らしいアーチストと共演重ねる活動を継続されています。私は初共演。

大入袋

感染防止対策を取られた客席数ではありましたが、完売。大入袋。感謝です。音楽の友誌コンサートガイドに紹介文入りの情報掲載頂いてから特に、お申し込みがどっと増えたとの事。有難い事です。

ゲーデさんとブラームスの協奏曲を共演できたのは、このオーケストラにアーチストのご縁を繋いでくださる頴川さんのお陰。ゲーデさんと1994年以来のご友人の頴川さん。ハンブルク生まれのゲーデさんとこのオーケストラでブラームスを、という機会を作って下さいました。合わせのリハーサルは公演前日のみ。そこまでオーケストラの皆さんと2ヶ月余りのリハーサルを重ねました。今回もお弟子様こと佐伯さんにリハーサルを手伝ってもらいました。初期の集中練習で細部の丁寧なリハーサルをしてもらい、感謝しています。様々な活動ベースを持つメンバーが集います。オーケストラとしての一つの語法と色彩を短期間で作ってゆくのも役割かと考えながらのリハーサル。とても優秀なメンバーが各セクション、パートのリーダー役となって、次第にまとまりができてきたところにゲーデさんをお迎えしました。その後はメンバーの意識の高さと感じ取り聞き取る力の素晴らしさに、嬉しい時間でした。
初リハーサル前日7月30日に、日経ホールで開催されたゲーデさんのリサイタルに伺いました。ブラームスのVnソナタ第1番、グリーグのVnソナタ第3番、フランクのソナタというプログラムの中で、ゲーデさんの音の言葉をしっかり受け取りました。繊細であり、構築の確かさがあり、美しい音色と共に身体に染み込む音楽を感じました。事前にこのリサイタルを拝聴していたことは、合わせの前に何よりの宝の時間でした。

以前NHKで放映された「奇跡のレッスン」で素晴らしいご指導、日本の子供たちとの交流のお姿をご覧になったかたも多いと思います。私も番組を見ていたひとりです。実際にお目にかかったゲーデさんは、まさにあの時の子供たちにむけるまなざしのままの方でした。真摯で優しく、音楽を愛し大切に奏でようとする人すべてへの大きな心を開いているような方。その大きさの中に、オーケストラのメンバーとともに二日間どっぷりと漬からせていただきました!
前日リハーサルの中で、当日のステージリハーサルにおいて、そして本番と・・どんどん変化し、オーケストラもそのメッセージを受け取り、作曲者と同じハンブルク生まれのゲーゼさんが紡ぎだされるブラームスの言葉をともに現実の響きにしてゆくことに喜びがあふれていました。ブラームスは第2楽章のオーボエのソロはじめ、木管・ホルンセクションに素晴らしい音楽が書かれています。友好音楽祭オーケストラのメンバー、本当に素晴らしかった。いずれのソロもお見事!オーボエの方も本番一段と見事なソロでした!弦楽器のメンバーもゲーデさんのボウイングや左手をしっかりと見ながら、その呼吸を見落としませんでしたね。リハーサルの中でどんどんブラームスの響きが作られていてうれしい時間でした。

公演後半はベートーヴェンの交響曲第7番。この曲を今年3回指揮するうちの二回目。自分の中のスコアの見方や設計は同じラインでも、オーケストラが変われば何かが変わる。先月の高校OBオーケストラともまた違うものが響いてきたと思った。
そしてなんとゲーデさんが、コンサートマスターの隣の席に座ってくださった。オーケストラ全体への良い影響は計り知れない。これまで彼ら自身で頑張ってきたことにプラスアルファーのものが山盛り!もちろん私自身もうれしさ倍増。
コンサートマスターの津村さんを見ながらゲーデさんの姿ももちろん視界に入る。何も特別なことはなされないが、自分の指揮にどのようなボウイングのスピードで反応されるのか、先の音楽への準備をどのように見ていらっしゃるのか、すべて明確に感じられました。大いなる経験をさせていただきました。
前も書きましたが、ベートーヴェンの9曲の交響曲の中で、この作品は自分は最も苦手としていた。しかし近年この作品の指揮依頼が続いた。「勉強しろ」というお告げだと思っている。苦手意識がどこから来るのか・・・そんな個人的なことも含めて楽譜と向き合う中で徐々に「神格化された舞踊」の本質が少し感じられるようになってきました。三回目は10月に九州にて。プロ・アマ混合の筑豊フィルというオーケストラへ客演です。

応援団

この日も応援団が楽屋でモニター越しに観戦!ならぬ鑑賞!
ゲーデさんからは、オーケストラの演奏への賛辞も頂戴しました。うれしいことです。
メンバーの皆さんの嬉しい顔は何よりの宝。このご縁を頂いたことに感謝します。
新型コロナウィルス感染拡大が厳しい状態になっています。その中での開催は危ぶまれながらも、ホール側オーケストラともに十分に対策をとってお客様をお迎えすることができたこと、感謝申し上げます。関係者の皆様の裏方のたくさんの作業、本当にご苦労様でした。

ブラームス・ベートーヴェン、ドイツ語の音楽の時間から夏の間しばしシベリウス&フィンランドに戻ります。原稿、プロジェクト準備、等々・・・ステージに上がる仕事を生業としていますが、実は裏方の仕事の分量も結構あります。そのことは自分の中で大切な時間だと思っています。すべては最後の場、ステージにつながります。
ありがとうございました!

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