金沢大学フィルハーモニー管弦楽団第81回定期演奏会終演

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団第81回定期演奏会

COVID-19、そして大雪という二つの大きな壁を超えて、学生たちとともに無観客の中演奏。
今年度は日本全国の学生オーケストラが通常の活動はできなくなっていた。前期に予定していた公演は、ほとんど開催できなかったと思う。私自身も名古屋大学との春の公演は中止となった。
金沢大学とは久しぶりの共演。前回が4年前の同じ時期。シベリウスSym.2をメインとしたプログラムだった。金沢の学生とのご縁は2002年から。もう19年前。その年に生まれた学生も今回参加していたことになる。歳を取った・・・。

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団は、サマーコンサートを学生指揮者の指揮で開催する。その学生を指導するのも、冬の定期演奏会客演指揮者の役割。今回それができなかった。
秋から始まった定期演奏会への練習も、COVID-19の影響で思うようにはできなかった。学内の活動制限、停止時期もあった。医学部の学生は授業以外の活動は停止。今回も参加できなかった。メンバーの減少。12月に外部のホールを借りて行う私とのリハーサルも、大学内に感染者が発生したことにより中止となった。ほぼ2か月間があいて、公演日の二日前から最後のリハーサルを積んで臨んだ。トレーナーでご指導くださっているOEKの方も、演奏で賛助出演してくださった。大変に心強かった。

様々な制約の中で、学生自身でのリハーサル時期と回数が多かったことは最終的に大きな力となったと感じた。
積み重ねがなくては、最後の階段も昇れない。学生指揮者たちと、各セクションのリーダーに拍手を送りたい。

私は学生オーケストラが仲間の学生指揮者とともに切磋琢磨して作り上げてゆくシステムには大賛成だ。特に関西の大学オーケストラにそのシステムがしっかりと存在している。大学によって異なるが、演奏会のプログラムの1曲を学生指揮者が担当するところもある。私自身30年以上一般大学の学生オーケストラへの客演が続いているが、関東と関西の学生オーケストラに大きくカラーが異なるものが存在していることに、昔からとても興味を持ってみていた。
不思議と関西とのご縁が深く、関東以外を共演順に並べると 神戸大学・同志社大学・大阪大学・龍谷大学・京都大学・大阪市立大学そして金沢大学に客演の機会を頂いている。名古屋大学もこのところ続いている。初めは数年年長のお姉さん的立ち位置だったつもりが、いつのまにか彼らの母親世代、そしてこのまま続くと・・・孫として見ることになる。本当に時間が経ったのだと改めて感じる。

スッペ「軽騎兵」序曲から始まった定期演奏会。安定した金管セクションの支えもあり、歯切れのよい明るい響きでスタートできた。無観客ということは、演奏中は微塵も感じずいつもと同様の緊張感に包まれて良いスタートだった。
2曲目、スメタナの「我が祖国」より、第6曲目の「ブラニーク」を演奏した。私自身はじめて取り組んだ。この曲だけ、というのもなかなか難しかったが、5曲目までの作品が持つ深い歴史を背負った多くの想いをすべてこの演奏に・・と学生たちにもメッセージを伝えた。技術的にも難しい作品だが、学生たちの上達は素晴らしかった。練習がモノを言うということを私自身痛感した。味わい深い旋律や音色、ソロパッセージも多いがしっかり奏でていた。
無観客ではあったが、ステージ上の椅子や譜面台の消毒作業などもあり(演奏者が代わるため)休憩を30分とった。そして後半は、ドヴォジャークの交響曲第8番。このところ不思議とこの作品の演奏が続いている自分。個人的には第9番よりも難しいと感じている。ヴィオラとチェロに託される部分の多い作品、今回初心者が多いという事情もあり音が出てくるまでに時間を要した。しかしこれもまた彼らの積み重ね。そしてOBの支えもあり、やはり本番では良い音が流れた。ソロを持つコンサートマスターも立派。フルートはじめ木管セクションも各ソロをしっかり奏でた。そしてやはり安定の金管セクション。
最後の音がホール客席方向に消えていったとき、本来頂けたであろう大きな拍手が、きっとみんなの心にも聞こえていたと思う。
一か月後をめどに今回の模様が配信される予定となっている。
終演後の名物「寺コン」と呼ばれる打ち上げも無し。リハーサル期間、一度は行われる学生たちとの会食も無し。
常にマスク着用で、言葉を交わすのはほとんどリハーサル場所と楽屋のみ。そろそろ1年が経過するこの特殊な状況下、無事に開催できたことに心から感謝したい。裏方の学生たちも大変だったと思う。来年度こそは、年間通しての活動ができることを祈っている!
本業である専門の勉強も様々不自由な中行われている。でもこうして制約がある中で試行錯誤、切磋琢磨している若者たちは、知らず知らず生きる知恵と力を得ていることと思う。どうか環境に負けないで、来るべき良い未来のために今はしっかり備えてください!
共演できたこと、とても嬉しかったです。支えてくださったトレーナーの先生方も本当にありがとうございました。

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