シベリウス音楽祭二日目

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ちょっとお天気がぐずつき気味です。この音楽祭ではとっても珍しいことです。
過去11回、本当にほとんど晴天だったので・・・・。

今日はリハーサルの前に、日本シベリウス協会のメンバーとしてマエストロにインタビューをさせていただきました。音楽祭レポートに盛り込んでゆくつもりです。シベリウス協会のメンバーと一緒に伺いました。
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20分程度の短い時間でしたが、リハーサル前の貴重なお時間頂戴できて有難かったです。
オッコ・カムさんは1972年をはじめとしてフィンランド人指揮者の中でも来日回数がおそらくダントツに多いマエストロだと思います。日本という文化にとても親しみを持っていらっしゃる様子はよくわかりました。
お忙しいところ、本当にありがとうございました。
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本日の公演は、Sym.3 ヴァイオリン協奏曲、Sym4 というオーダー。
リハーサルもこの順番で。
いずれの曲もきちんとすべて音を出して、最後の仕上げを。

神経を使う作品なので、こちらもじっくり拝聴するとなかなか疲労しますよ。
休憩時間は英国シベリウス協会の皆さんとも、いろいろお話を。アンドリュー・バーネットさんとは、Sym3の構成とテンポについても。

今日は演奏会の前に、プレトーク。18時からホールの中の広間で。
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Minna Lindgrenさん。音楽ジャーナリストとしてフィンランドで知らない人はいないのではと思うほど、
多くの場面で拝見する方です。交響曲について、大急ぎで語ってくださいました。
途中、事務局長の「交響曲第4番は4分で!!」というコメントには皆さん微笑みが・・・(^^ゞ
さすがに有名人の登場だけあって?会場はびっしりと・・・満杯でありました。

さて演奏会は19時から。
まずは交響曲第3番。冒頭は豊かな響きとしっかりとした歩みのリズムでカムさんは作ってゆきます。
でも、決して重くはないのですね。流れは良い。そして歌がある。全曲を通してその路線です。
第3楽章の冒頭のランダムな風景も実に自然に流れます。後半の怒涛の勢いも上手にさばいてゆきますね。
ヴィオラ、チェロの讃歌のようなアンサンブルは豊かに歌わせています。
徹頭徹尾オスモさんとは逆の路線。面白いものです。

そしてコンチェルト、
リハーサルよりも全体に少しだけ速めのテンポ設定にしていたかな、カムさん。
ソリストのエリナ・ヴァハラさんは 非常に丁寧にそして集中力をもって弾ききりましたね。
とにかく音が美しい、そして音程が気持ち良くはまってくる。演奏スタイルは非常にシンプルで素朴なのですが、音そのものの持っている力が強いですね。そして緩まない。重音が非常によく鳴ります。これだけ見事に響きが決まると、オーケストラの方も落ち着いてアンサンブルとハーモニー作りができます。
素敵でした。

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休憩時間は天気も良くなったので、外に出る人も多かった。
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丁度桟橋に船が戻ってくるところで、皆さん写真に収めていましたよ。
夕焼けもほんのりと・・・・・

さて後半は交響曲第4番。

この作品はタクトを持っても、演奏を聴いていても とにかく終わると寿命がきっと縮んでいます。
本当にぐったりします。何もしゃべりたくなくなり、しんどいです。
アイノラ響の2年前の公演がそうでした。あの時はプログラム全部がそのモードだったので、オーケストラも含めて、全員が疲れ果てました・・・・・・お客様も・・・・

自分の人生の最後にはこの4番を聞きたいと思っています。
いや、タクトを持っているかな・・・・

とにかく、カムさんの4番は、これも非常に奥の深い世界を描く演奏でした。
スタイルはかなりオスモさんと違いますが、両者ともにKoliの風景が見えますし、何より魂があちら側の世界に行きます。カムさんの場合は、この作品が持っている「惑わせる揺らぎ」や「迷路のように見せている美しい世界」を、とてもわかりやすく情緒を表に出して描きます。オスモさんは奥に隠します。(昔は)
正直のところ私は昔オスモさんのタクトで拝聴した4番を忘れることはできません。あの美しさと怖さは何物にも代えられないものがありました。それとは感触が全く違いますが、カムさんの4番は 森の仙人が現れて説いていらっしゃる・・・・そんな趣がありました。思わずうなりますね。そしてやはりぐったりです。

さて明日は、交響曲を3曲という最もハードなもの。時間的には長くはないのですが、
5番、6番、7番という密度の濃い、交響曲の集大成のような世界を一気に描くわけです。
オーケストラの大変さは半端ではない。でも並べるならやはりこの3曲は一緒でしょうね。
明日はラハティに日本人がちょっと多く集まります。
今日もツアーの新しい皆さんが多くいらっしゃっていました。

さて、どんな日になりますか。聴く方も体力が必要です。
素晴らしい一日になりますように。

 

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