フランスのギャルドOrchestre de la Garde Républicaine 指揮者であるフランソワ・ブーランジェ氏に客演をお願いして3年目。3度目の夏の公演が終わりました。
国立音大のブラスオルケスターの歴史は、このギャルドを基としています。昔はもっと大編成でした。
今年もフランスの素晴らしい作品も並び、また新しいタイプも、人気曲もあり お客様もお楽しみいただけたのではないでしょうか。
東京オペラシティコンサートホールもほぼ満席。同日に東京音大の方もウィンドオーケストラ定期演奏会が開催されており、そちらもチケットは売り切れであったとききます。吹奏楽にかかわる人口は半端なく多い日本。
満席のホールで演奏できた学生たちは幸せですね。おめでとう。
本番は自分は裏方なのでステージ袖で待機ですが、そこでの学生たちの姿、様子も時代とともにどんどん変化してくることを実感しています。
同じホールで今回のメイン、「三角帽子」の全曲版を演奏したことが懐かしく思い出されます。
偶然にもその時演奏者だった卒業生が昨日は、お仕事もかねて来場くださいましたよ!
永井和子先生のソロや1年生の掛け声・手拍子隊の姿もしっかり覚えています。
バッハのトッカータ・とフーガも何度もこのオーケストラは演奏していますが、もちろん編曲が違います。
そしてオルガン奏者が演奏しているような自由度の高いマエストロのアプローチが生きていましたね。
その中身、つまり鍵盤奏者の音を紡いでゆく密度を多くの奏者で分け合ってつないでゆくというところは、
これは学生たちの自分のパート譜を音にする責任がありますね。どこまで追求するか・・・・限りない道です。
懸案部分は本番だいぶ改善されていて、うれしかったです。
サムライ・・・私は今回初めてこの作品を知りましたが、他国の人が日本の文化や音をどのように作品に写し取っているのか、そしてそれを他国の指揮者がどのようにアプローチなさるのか、とても興味がありました。
「和」の音への感性を楽しみに拝聴していました。響きの多いホールなので、残響文化ではない「和」の音をどう作ってゆくか、やや難しい場面はありましたね。でも打楽器出身のマエストロならではの切れ味など、さすがでした。
ラ・ヴァルスは個人的に一番楽しみであった作品です。自分は変な苦手意識がある曲です。
本場のマエストロの語法を知りたかった。いろいろ勉強させていただきました。
旋律のディクションやハーモニー感について、個人的には学生のもう一段積極的なトライする姿が見たかったなあ・・・と、客観的な指導陣としては思っています。でも響きのバランスと素敵な流れにお客様も非常に喜んでいらしたように思いました。
ラプソディは本学教授の武田先生によるソロ、淀先生の編曲で しっとりと。これはバックのオーケストラの
ハーモニーセンスにかかっている曲ですね。バランスも難しい曲ですが、耳を使っての演奏という技量を非常に求められる素晴らしい曲です。会場も沸いていました。
リシルド・・・不勉強ながらこの曲も今回私は初めて知りました。素晴らしい作品です。これは自分で一度手がけてみたいですね。
三角帽子第二組曲・・・なんといっても流れが良かったです。各ソロも安定していて、オーケストラも落ち着いていましたね。5月にも一度演奏の機会があったのですが、やはり本番を踏むということは確実に力になるということが実証されたと思っています。フランスとスペインは隣国ですが、文化の大きな違い気質の違いはありますね。最後、マエストロもカスタネットを振っていらしたのは気がつきましたでしょうか?? これはお茶目な演出ですね。打楽器出身です!
アンコールは全員参加のラデツキー行進曲。見事な調和でした。
学生の皆さんお疲れ様!マエストロ ありがとうございました!
写真アップはのちほど。
皆さん、良い夏を。後期にお目にかかります、
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