二期会公演に参上するのは、本当に久しぶりです。
東京文化会館という、もっとも好きなホールでの鑑賞。席は4階でしたが(^^ゞ
ピットは実によく見えましたよ。舞台もほぼ全面見えました。
感想は・・・・・
一言で言うと
「もう少し小さな箱で観たかった」
です。
さまざまな意味を含みます。
おそらく演出家の意図も、その方がより鮮明に そして音楽の寸法とももっとぴったり寄り添って
表現されたのではないかな・・・・と、感じました。
演出に対してのブーイングは多かった。
コンヴィチュニーの演出はそれははじめから予想されていたことでしょう。
逆転の発想という特徴は、音楽の持っているドラマと必ずどこかで激しく衝突爆発する・・・
それがどこだったのか・・・
もちろん7つのベールの踊りの解釈に今回そのポイントがあったと感じましたが、
その後の新発想、新着眼点が生きるためには 前半の作り方が音楽的にも今少し説得力がないと
伝わらないなと感じたのは事実です。
そして神・人・生死・愛慾などなど、この現代の世の中にあってもなお、そのことに対しては西洋の文化(宗教)と東洋の文化(宗教)の背景の違いが やはりどこか受け止め方に影響を与えているということも痛感した次第。演出にショックを受けていた妙齢のご夫人方も多々見受けられました。
サロメを劇場で観るのは3度目・・・そのほかに演奏会形式が1度、どれも異なる演出、解釈でしたが
それぞれに大いに考えさせられるものでしたね。
「あの女を殺せ・・・」をあそこで言わせるのであれば、その発言を引き出すための音楽が語っている色を
もう少し舞台上にほしかったな・・・と、最後は思いました。
後半の発想は面白いなとおもったのですが。
明日は自分も共演したことがある、大隅智佳子さんがサロメです。本当は行きたかったのですが・・・
明日は行けません。ご成功祈ります!彼女の歌はとても好きです。
自分は音楽を邪魔しない演出を何より望みますが、邪魔しないという言葉の解釈もいろいろで・・・・
そもそもその音で何を語っているのか示唆しているのか、この100分の止まらない音絵巻のすみずみを
今一度自分も見直したいと思った次第。
以前7つのベールを演奏する前にオペラ全体は勉強したのですが、それからまた随分時間が経っています。
見直しだな・・・。
半分ほどのキャパ、空間の劇場で観ていたら、随分印象が違ったかもしれない。
帰り道、皆さん口々に感想を語りながら歩いていました。
新国立劇場のトリスタンの時も会場で会った同級生、山崎太郎さんもいらしていました。
最近太郎さんはオペラ現場でのお仕事も増えていて、たびたび稽古にもいらしているようです。
中学校の頃の姿、そのままです。「ワーグナーが好きなんだ!」と語っていた太郎さん、オペラアリアを歌っていた太郎さん、そのままの道を歩いていますね。とっても素敵なことです。当時の私は、自分が音楽の道を歩くとは思っていなかったので・・・・・音楽はもっとも身近で大切で好きなものであったけれど、それを仕事にというラインが全く見えていなかった。
「サロメ」は23日、25日、26日と続きます。
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