日立フィルハーモニー管弦楽団第28回定期演奏会終了

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1300名あまりのお客様をお迎えしてのコンサート。修了いたしました。
小雪の舞う中、たくさんのお客様本当にありがとうございました。

錦糸町は千葉からのアクセスは良いので助かります。
朝10時からリハーサル。ようやくホールトーンの中でラーションとブルックナーの音を出せました。
前半のコンサートミストレスN嬢、嬢というには失礼な立派な大人の女性でありますが、なにせ出会いが彼女が大学生の時・・・・なのでなんとなくその時のイメージが強く残っています。北陸にある大学のオーケストラに客演で行った初めてのコンサート。その時に4年生ですでにオーケストラ現役世代からは一歩ひいていた立場の彼女でしたが、しっかりと後ろからまとめる意思を感じていたのです。その後東京に就職。このオーケストラで再会でした。実は彼女と私は同じ小学校にいました。(前も書いたかな?)札幌市立西岡小学校です。彼女はそこを卒業。私は転校して東京へ。あ!もちろん世代は全く違いますので、ニアミスも全くありません。校歌は一緒に歌えます!

そんな彼女がコンサートミストレスとして繊細な小品と大曲二つをけん引してくれます。
的確正確な技術と安定感で、こちらも落ち着いて取り組めます。

ラーションをブルックナーの前に置いたのは本日お聴きいただいた方はきっと感じていただけたと思います。
ある種の相似性。そして「響き」の中で音を運ぶという味わいを、ブルックナーの前にホールに充満させておきたかったのです。
ブルックナーはホールトーンでのリハーサルを何度か行う必要がありますね。
ハーモニーの共有意識が圧倒的にホールの空間に入って高まりました。
細部のリハーサルにはデッドな環境は必要なのですが、横軸の流れを仕上げてゆくときは残響という楽器が必要かもしれない。

ベートーヴェンのリハーサルも、ブルックナーとの違いを意識しながらメンバーも心の切り替えを意識しながら順調に進み、開演前にしっかりと休憩。

本日のプログラムは体力気力持久力が必要です。ちゃんとやすむべし・・・

14時開演。ステージから客席を見渡すとほとんど満席の印象。嬉しいですね。

ラーションは冒頭の弦楽器の神秘的な静寂が良いバランスで始まることができた。
この響きは私自身の原風景と同質。
いつか演奏したいと思っていたことが今年幸せなことに2回かなう。その初めの響きが本日。
木管の4人とホルンが弦楽器とともにアンサンブルする作品ですが、リハーサルを積んできた中で本番が最も管楽器の積極的な響きと音楽が聞こえてきましたね。皆さん自信を持って奏でていたと思います。

そしてブルックナー。ブルックナー開始は開演10分後。
ラーションと同様の静かな弦楽器のさざ波から始まりホルンが導き出される。
そこから70分ほど、自分の目の前にそびえるホールのパイプオルガンと会話をしながらのタクトでした。
ブルックナーの美しさと難しさを同時に感じながらの時間でした。
今回ハース版を使用しました。ノヴァーク版との差は楽譜上わずかであるとはいえ、その精神は大きな違いを感じています。もちろんお客様にはその差異を届けるのではなく、ブルックナーの描きたかった世界を構築できなければ意味がない。描けた部分、まだタッチが粗い部分、描ききれなかった部分、様々ありましたが
日立フィルの皆さんの大いなる健闘を称えたいと思います。

15分の休憩ののちベートーヴェン。
この切り替えが勝負でした。

この曲も静かな始まりです。序奏部の持つ深遠さはブルックナーへの道にもつながっていますが、
その後の軽妙な語り口、ユーモア、仕掛けなどなど・・・・この作品も魅力をはじめから語りつくすことに集中していました。技術的に非常に難しいパッセージが並ぶことは良く知られていますが、なかでもファゴットのソロは難関なのです。この曲の選曲にはファゴット奏者の同意が絶対に必要なのです。
本日御見事でありました。そして他の管楽器のソロセクションも丁寧に美しく楽しんで奏でていました。
弦楽器は腕の乳酸値が上がりそうなプログラムにも負けずに、最後まで勢いと集中力を持って機敏に作品の中を駆け回りました。本当に皆様お疲れさまでした。

この2曲の並べ方にもいろいろな御意見があると思います。
結果的には「やはりこの順番で良かった」と思っています。

個人的にはやはりたくさんの反省はあります。
それは次へのたくさんの宿題として自分に課します。
オーケストラには大拍手を!

ありがとうございました!

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • お疲れ様でした。大変な熱演でしたね。
    パンフレットから、ブルックナーは第1稿かと思っていたのですが、hーアス版だったのですね。

  •  4番はブルックナーもベートーヴェンも、贅肉のついた演奏がよくありますが、きのうはキリリと引き締まった爽快な響きでしたね。特にこんなに快速でリズムが弾むベートーヴェン4番は初めて聴きました。こういうアプローチも新鮮だと納得です。それでいて、潤いもあり細部も雑にならずにまとまっていたのは見事で、キチンとついて行ったこのオーケストラは並々ならぬ力量ですね。
     新田先生のベートーヴェン8番も聴いてみたいと思いました。
     コンサート会場を後にするとき「ああ、聴きに来て良かった」とまた心から満足感を味合うことができました。「新田さんの追っかけ!」とある人がいつも冷やかしますが、この充実感があるからなんです。
     良い音楽を有難うございました。

  • >みなみさん
    ご来場ありがとうございました。
    はい、今回はハース版です。混在させて演奏する人も多いようです。
    できるだけ楽譜に忠実にの選択をしましたが、ほんの一部変更しています。オーケストラ熱演でした。

  • >junsin1さん
    ご来場ありがとうございました。
    また早速の感想を頂きありがとうございます。届かない部分も至らぬ部分もありましたが、目標値は高く設定しこれからも取り組んでいきます。
    リハーサルの最後は、ベートーヴェン「踊ればよいのだ」でした。
    リズムは並べるのではなく、空間に生み出さなくてはいけませんね。
    これからもがんばります。ありがとうございました。

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