杜の都コンサート2017終演

 昨年は音楽監督の池辺晉一郎先生がタクトを持たれました。2年ぶりの仙台駅の駅コン。
大変に充実の内容で楽しかったです。

初日5月26日(金)協奏曲の日

仙台フィル首席チェロ奏者の吉岡知広さんをソロに迎え、チャイコフスキーの奇想的小品という珍しい作品を。素晴らしい音色を持つ若きプリンスという風情の吉岡さん。ファンも多いということ。
ご自分のソロ以外は、チェロのトップの席に座っての演奏!これもまた凄いこと。
深い呼吸と丁寧な音でその美しい響きが駅構内に響きわたっていました。

次に藤元高輝さんという1992年生まれの若きギタリストが登場。アランフェス協奏曲を協演しました。
この作品現在はすべての楽章を演奏しないと許可されないのです。つまり以前は第2楽章ばかり演奏されてきた・・・・そんな経緯もあります。藤元さんはドイツでギターを勉強されています。大変に高度なテクニックとそして知的な音楽性、かつ情緒豊かな表現。若いながら本当に大きく完成された才能が見えるギタリストです。アランフェス、実は私は全楽章は初めて手掛けました。中学・高校生の時代に気が付くと聞いていた・・というくらいこの曲は大流行。庄村さんのギターでしたね。公演でも、ほかでも耳にする機会は山ほどあったので知らないうちに記憶していましたが、実際に手掛けるのは本当に初めて。(第2楽章のみは経験済み)素晴らしいソリストとオーケストラのコラボ、実に楽しかったです。

そしてトリは、仙台フィル首席フルート奏者の戸田敦さん。戸田さんとは3月の「劇場シリーズ」の時にもヴィヴァルディで共演しました。今回はイベールのフルート協奏曲という大曲。フルートの作品としては有名なのですが、なかなか管弦楽伴奏での機会は多くはありません。オーケストラも割と技巧的に書かれていてアンサンブルも簡単ではなく。でも限りなく美しい二楽章や、リズムが特徴的な三楽章など心に残る作品です。短いリハーサルながら仙台フィルの皆様も大変な集中力で演奏くださり、本番この作品のもつ丁々発止な面と、妖しい美しさの面と仙台駅に広がったのではないでしょうか。戸田さんの自在な運び、傍にいて大変楽しくまた学びの時間でもありました。

アンコールにグルックの「精霊の踊り」を演奏したので、戸田さんにはもう1曲ソロとということになりました。

二日目は「交響曲」

これがなかなか重量級のプログラム!もちろん1つの楽章だけを取り出してです。
モーツァルト 交響曲第40番から第1楽章
ベートーヴェン 交響曲第7番から第2楽章
シューベルト 交響曲第7番「未完成」から第1楽章
メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」から第1楽章
ドヴォジャーク 交響曲第9番「新世界より」から第4楽章

一つの楽章だけであっても、そこは交響曲。全体の作品としてのエネルギー、重み、内容は背負ってしまいます。作品ごとの切り替えもなかなかハード。でも本番の駅構内では不思議なエネルギーに支えられて、仙台フィルの皆さんの素晴らしい響きと熱い魂がお客様2000人を集めました!すごかったのです。あのお客様のエネルギーが。有り難いことです。そこから演奏家は更にパワーをいただき、音楽のパワーでお返しします。そのやり取りをあの空間でできたこと、忘れがたいことです。

この曲の中で唯一実演で手掛けていないのがメンデルスゾーンだった自分。1楽章のみはありますが、全楽章は実はない・・・・。敬愛するメンデルスゾーンですが第5番ばかり手掛けていて、最も知られる第4番は縁遠かった。今年は第3番を夏に長野で演奏します。

 

そして最終日、「舞曲」踊りました。
ブラームス ハンガリー舞曲 第1番 第5番
ドヴォジャーク スラブ舞曲 第8番 第10番
バルトーク ルーマニア民俗舞曲
モンティ チャルダーシュ (ソロ 神谷未穂)
グリーグ ノルウェー舞曲より第4曲目
J.シュトラウス 美しく青きドナウ

こちらのプログラムもなかなか並んでいます。世界の舞曲ということで・・ここに日本の舞曲も並ぶとまた一味違っていたかもしれない。チャルダーシュのソロは、コンサートマスターの神谷さん。本当に素晴らしいソロ。名人!と声をかけたくなるような手の内に入った堂に入ったソロ。熱いチャルダーシュ。仙台フィルの皆さんも見事なサポートで目が点になるような速さもなんのその。
個人的にはグリーグのノルウェー舞曲が入ったことがうれしかった。そして日頃個人的に距離を置いているウィーンのワルツ、この日は美しいホルンとチェロのデュエットを初めとして、仙台フィルの素晴らしい響きに、これまでにない感覚で指揮をすることができました。

アンコールは、二日目と三日目はファリャのスペイン舞曲第1番。編曲でお届けしました。
これがまた激的に熱い厚いアレンジ。そして演奏。

リハーサル二日間、公演三日間、本当にお世話になりました。ありがとうございました!
実は、仙台フィル常任指揮者であるパスカル・ヴェロさんが三日間ともに聴きにいらしていたのです。はじめてきちんとお話させていただきました。日本語もかなりお上手!
そして3月に共演した、爆笑コメディアンズの秀平さんも二日間ご来場!クラシックオタクの秀平さんです。さすがに見どころ、聴きどころが違います!楽しく再会しました。

三日間でのべ7800人のお客様がお聴きくださったそうです。(JR東日本文化財団発表)
これは凄い数字。2年前の「ペールギュント」を手掛けた時も大変多くのお客様が足を停めてくださったのですが、そこに匹敵する、また超える人数だったそうです。嬉しいことです。
お客様も個人的にお声がけくださるのです。常連の方いらっしゃいます。メッセージや贈り物くださる方、楽しみにしていると語ってくださる方、皆さんの音楽を楽しむ心にこれからも何かできることを・・と考えてゆきます。貴重な機会を本当にありがとうございました!

 

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素晴らしいソロとリードで、このハードな三日間を牽引くださった、コンサートマスター神谷未穂さんです!本当にお美しく・・・眩しいですね。

 

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パスカル・ヴェロさんと、秀平さんと。ご来場ありがとうございます!

フルートの戸田さんと。

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ギターの藤元さんと。

そしてチェロの吉岡さんと。

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