愛知室内オーケストラ第18回定期演奏会終演

常任指揮者のお役目を頂いてから3年目となりました。定期演奏会も5回目となります。
初共演は第11回、そして第12回と続き、2015年の第14回から常任として共演をしています。

現在愛知室内オーケストラは一つの明確なコンセプトができつつあります。
ニルス・ゲーゼ

今年2017年はゲーゼの生誕200年の年でもあります。初共演の第11回でゲーゼの交響曲第4番を選曲した時には、ここまでゲーゼが続くと思っておらず・・・
しかし、初共演でのオーケストラとこの作品、作曲家の相性の良さを強く感じたので、その後は機会がある度に取り上げてきました。交響曲第3番、ノヴェレッテ。そして今回は序曲「高地にて」と交響曲第1番。

北欧音楽にとって、ゲーゼは大切なポイントであることは自分の歩みをお話する時に折々触れてきました。ゲーゼとのご縁を繋いでくださった方には最大の感謝をささげる日々です。
ニルス・ゲーゼの演奏史は、日本ではまだまだ少ないです。今年はアマチュア楽団もいくつか交響曲を取り上げているようです。嬉しいことですね。自分がゲーゼに出会った1992年当時、やはりアマチュアの楽団で機会をいただき、交響曲は1番、5番、6番を演奏しています。今回も取り上げた1番はわかりやすさという点で、8曲のゲーゼの交響曲の中でNO1と思います。

愛知室内オケが先に接している交響曲第3番、第4番とは少々毛色が異なり、タッチのことなる筆で描くような感覚で今回演奏していました。ゲーゼがメンデルスゾーンに見いだされるポイントとなった作品。ライプツィヒに行く前の作品です。スカンジナヴィアの色合いが濃く、それは出世作の「オシアンの余韻」序曲と同様のもの。シンプルな旋律の繰り返し、朴訥ともいえる伴奏型、ハーモニー。でもやはり緩徐楽章はゲーゼ節という歌が美しく存在している、そんな作品と思います。

序曲「高地にて~スコットランド序曲」は、夢見るような導入が美しく、ヴィオラ・チェロとクラリネットのアンサンブルにより歌が描かれてゆきます。後半は交響曲と同様のパワー。

今回組み合わせとしてベートーヴェンの交響曲第1番を選びました。1年前に2番を取り上げています。あの時と同様のアプローチを個人的には継続してゆくつもりで、あらためてこの第1番という数多く接している交響曲に向き合いました。当時の聴衆が受け取った印象というものを想像しながら。まだ第3番以降のあの世界を知らない聴衆、作り上げていない作曲家の音楽的な魂に想いを馳せながら。

そして後半はゲーゼの交響曲第1番。おそらくお客様はこの曲のメインの旋律は覚えてしまわれたのではないでしょうか・・・・そのくらいに繰り返します。今までになくパワフルなゲーゼを演奏する愛知室内オーケストラでした。メンバーの皆さんに心より感謝です。

アンコールも、ゲーゼ。「田舎の夏の日」という組曲から1曲。

ゲーゼ祭りとなった第18回の定期演奏会。お楽しみ頂けましたら幸いです。たくさんいただいたアンケート用紙には「はじめて聞いた作品だが、とても気に入った。楽しかった」という内容のコメントが多かったのがうれしいです。同時にいろいろ厳しいご意見も頂戴しています。きちんと目を通しておりますので、今後の運営、音楽的な発展に参考にさせていただきます。熱心に通ってくださるお客様も増えてきた事に心より感謝です。ご来場本当にありがとうございました。

愛知室内オーケストラ第19回定期演奏会は9月23日(祝・土)です。

先月共演した秋場敬浩さんが、モーツァルトとショスタコーヴィチのピアノ協奏曲を演奏されます。
ぜひお楽しみに!

全体写真とステージ写真は、SPデジタルフォトサービスさんによるものです。
@nobuyuki.komada

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