昨年初共演のアンサンブルノーヴァ。長野に所縁のある音楽家の方が集まるアンサンブルです。
年間、様々な企画がありますが、夏に大きなオーケストラの企画が開かれています。
昨年はシベリウスのSym5をメインとしたプログラムで初共演。充実の響きの記憶が残っています。
今年は、ニルセンSym4をメインに。そしてデンマークに帰化したクーラウ、クーラウが尊敬するベートーヴェン、そしてデンマークのニルセンという流れでプログラム。主宰の加藤晃さんのアイディアです。素晴らしいプログラミング!
二日間のリハーサルで仕上げてゆくには、なかなかハードな内容であったのは事実ですが、全国のプロの現場で活躍されている皆さんが集合しています。素晴らしい集中力と音楽の力で公演を作り上げることができました。
この貴重な機会に心より感謝です。
今年の長野は暑かった!
リハーサルは小布施にあるホールで。長野電鉄にも乗りなかなかご機嫌な旅だったのですが、とにかく暑い・・
散策や観光はちょっと無理だな・・・ということで リハーサル以外は自分はほとんど籠っていました。
次の仕事の準備と睡眠不足解消!(^_^.) 少し風邪の兆候がでていたものの睡眠でお陰様ですぐに退治。
コンサートはホクト文化ホールの中ホール。
こぶりですが、響きは落ち着いた良い感じです。
クーラウ「妖精の丘」序曲は、演奏者の皆さんも口々に魅力的だ!とおっしゃっていました。こんな作品があるなんて・・もっと演奏されてもよい・・・・、その通りですね。この作品の最期には、デンマークの王室用国歌が出てきます。そのため本国では、起立して拝聴ということになるのだそうです。デンマーク在住の方からも伺いました。
Novaはコンチェルトが入ります。今年は大森晶子さんのピアノでベートーヴェンの4番。
桐朋学園の先輩でもあります。一時期ブランクがあり、長野に移ってこられて演奏活動を再開という経歴の方です。とても骨格のしっかりした、大きな音楽、そして和声感のある素敵な演奏でした。私自身もベートーヴェンの5曲の中では4番が最も好きです。自分はまったく弾く方では手に負えませんが・・・・
とてもさっぱりとして気さくなお人柄、共演の機会に感謝です。ありがとうございました。
メインのニルセンSym4は、御存じのとおり2対のティンパニが必要です。二人の名手が必要なのです。
長野出身のお二人、深町浩司さん、荻原松美さんは以前、シエナウィンドで東御に行ったときにもお二人並んで共演でした。今回第1ティンパニを深町さん、第2を荻原さんでした。第3楽章のラストにやおら登場する第2ティンパニの印象は強く・・・そこから壮絶な2対のティンパニによる音楽バトルが始まります。時々リアルバトルになっていたかどうか・・・は、御当人のみぞ知るということで・・・
とにかく、いろいろな想像ができるほど、本番での二対の呼び交わしは激しく、オーケストラ後方よりすべてを鼓舞し船を進めてくださいました。
今回は会場の広さ、ステージの形状の理由で、いつも自分が演奏するときにとっている2対の置き方をしませんでした。並列に並んで演奏していただきました。
「けしがたきもの」という副題の持つ意味などは、プレトークの折にもお話をさせていただきましたが、この作品を作曲当時というのはニルセンにとって、文字通り消しがたきおもいが溢れる時・・・抑圧と解放、祖国の状況の悪化、家庭内の状況の悪化、それにともなう音楽活動環境の悪化などなど・・様々なことが混在していた時期。
そこからこのすべてを昇華するかのような壮大な終止に向かう単一楽章の作品を生み出してしまう作曲家の力、才能というものに、やはり自分は非常に羨望と尊敬と圧倒的なものを感じてしまいます。
演奏家として作曲家に、作品に奉仕という気持ちは常に持っています。たった一つの音、一つの和音、リズムに対して「ははあ・・」と平伏したい気持ちになる作品もいくつもあります。
この35分ほどの短い交響曲の中で、どれほどの言葉が描かれているか、取り組むたびにそれを見つける、感じる喜びを味わいます。
今回各セクションが活躍するこの作品の特質を、Novaの皆さん全セクションで見事にそれぞれのキャラクターを奏でてくださいました。ひたすら感謝です。今年のコンサートマスターは最近文化庁公演で共演が続いた、鎌田泉さんでした。お疲れ様でした。ありがとうございます!!
コメント
コメント一覧 (2件)
今回の小布施音楽祭でのリハーサル体験、ありがとうございました。
お陰様で良い音楽会になりました。感謝申し上げます。
小布施音楽祭実行委員会 牧野
牧野富士男様
コメントありがとうございました。リハーサル見学いただき嬉しいです。オーケストラの皆さんの素晴らしい力で、コンサート当日も充実の響きになったと思います。お楽しみいただけてうれしいです。
またお聞きいただけますように。季節の変わり目、ご自愛ください。