淡交フィル第56回定期演奏会終演

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自分の指揮者への道原点である、母校両国高校OBオーケストラ、淡交フィルハーモニー管弦楽団終演です。

今回も多くの賛助の出演者の皆様に支えていただきました。心よりお礼申し上げます。
卒業生は多くいるのですが、OBオケに全員が戻ってくるわけでもなく。いつも弦楽器を中心にお力をお借りしています。それでも、80歳を超える卒業生から現役中学生まで、少しずつ定着して活動を続ける流れができています。私は77期生、今回は高校1年が最年少出場。卒業生では112期が一番若い。歴史の時間を感じます。

プログラム表紙にあるとおり、今年のメモリアル作曲家を取り上げたコンサートでした。

シベリウス ベルシャザールの饗宴組曲

あまり演奏されない作品ですが、美しい曲です。そして面白い曲。フルートとクラリネットの大きなソロが光ります。美しく哀しいフルートのソロ、少し不気味で怪しいクラリネットのソロ、お見事! ヴィオラ、チェロのデュエットもあります。シンプルな美しい旋律に奏者は緊張高まる曲です。このオーケストラの練習指揮者と事務局のデュエットでした。牽引の呼吸はぴったり?(^_^.)

2曲目、シベリウスVn協奏曲 ソロは会田莉凡さん。2年前の仙台以来の共演。

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超多忙な莉凡さん、その活動の幅の広さはご本人のキャパシティの広さの反映だと思います。
気さくな人柄の中に、とても物事をじっくり考えて鋭く様々なことを見ていることを感じます。年齢は私の半分ですが、とても大きな人間、音楽家であることを初対面から感じていました。

今回のシベリウスは2年前からまた更に練りこまれた、そしてアプローチも変化したシベリウスでした。
オーケストラの音を実によく聞いていて、本番はその密度が更に濃く、素晴らしい流れを描いてくださいました。
表現の幅が広いということ、そして独善的にならず作品の本質から目を離さず描き切る。その力は確かなものだと思います。
2週間前に共演した大江馨さんも同様です。持ち味はお二人違いますが、自身の持つ音、音楽性を生かしつつ、まっすぐに作品に向かう姿勢。洞察力と理解力の深さ、20代前半組み恐るべしです。

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その、大江君もご来場!本当にありがとう!
実はお二人、アンコール曲が同じだったのです(^_^.)

淡交フィルも協奏曲の共演がんばりました。ソリスティックな関わりもあります。メンバー大健闘!
本当に細やかなアンサンブルが必要とされる曲です。伴奏、ではない。ソリストと一体化した作品。だから難しいと言われるし、同時にとてもやりがいがあり楽しい協奏曲。

莉凡さん、共演本当にありがとう。今後の更なる活躍も祈ります!

 

さて、メインはニルセンSym1
5月31日の神戸大学交響楽団東京公演とホールも曲目も一緒。
不思議な感覚が自分の中にありました。

ニルセンの持つ独特な音使い、節回し、調性、転調、それらが身に沁みこむまでリハーサルを積まないと、
なかなかこの曲の面白さは出てこない・・・そこに興味を感じないと、魅力を感じないと、なかなか身体が作品になじまない・・そんな曲であり作曲家だと思います。淡交フィルは初めてのニルセン、戸惑いも多かったと思います。間に合わなかった部分も多々ありましたが、本番は力の結集で何とか最後までたどり着きました。
1番という、作曲家の勢いのあるメッセージを持つ作品、少しでもその曲の持ち味、楽しさがお客様にも届きましたらうれしいです。

 

アンコールは、アンダンテフェスティーヴォ、そして両国高校の校歌。

校歌は客席の皆様もご一緒に歌っていただきました。誇るべき校歌です。故鈴木行一先輩のオーケストレーションが素晴らしく。

今回はいつもより多くお客様ご来場いただけたようです。あの暑さの中、本当にありがとうございました。
同窓生のオーケストラというのは、集うことそのものにも意味があります。音楽的目的を掲げる団体ではないものの、世代を超えて作品を通して多くのことを共有するという活動そのものが、大きな意味を持つのかなと 最近の客演の中で思っています。

genekisei.jpg現役高校生と卒業生の若い衆メンバー!

裏方でも活躍してくれた現役生。どうもありがとう!

終演後サイン会。
ご購入本当にありがとうございます。

 

 

夏のシベリウスコンチェルトシリーズ第3弾は8月30日です。
今年の2つの大きな国際コンクールで入賞を果たした毛利文香さん。

あらためて、才能あふれる若手ソリストとの共演が続いている機会に嬉しくありがたく思います。

皆さん本当にお疲れ様でした!次回も頑張ってください。

 

 

 

 

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • おはようございます。
    一番若い(笑)卒業生、112期のセカンドバイオリンです。今回もお忙しい中、淡交フィルにお時間を割いていただき本当にありがとうございました。
    受験期を挟んで、楽器にまだ慣れていない中、次はシベリウスを新田先生が振ってくださるとのお話を小耳に挟み、勢いで乗りますとエントリーしました。
    初めてのコンチェルトではトップサイドを半ば強制で務めさせて頂きましたが、責任感が今までの比ではなかったです。弾けないのは自分たちなのに新田先生が会田さんに何度もごめんなさいねと言いながらさらい直すのは本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
    本番も完璧とは言えませんでした、音楽と向き合うというよりは課題をこなす感覚になっていて、食いつくのが精一杯でした。次回以降乗れるかはまだ検討中ですが、続けられる限り淡交には乗るつもりですので、またご縁があればご指導ご鞭撻よろしくお願いいたします。

  • 濵名風花さん
    コメントどうもありがとう。そして共演嬉しかったです。
    いろいろ忙しい世代だと思いますが、思い切ってステージを目指してくださって、とても嬉しかったです。ステージの上は瞬間的に運命共同体になります。すべては作品のため、聴いてくださる方のため、一緒に演奏する仲間との時間のため。その貴重な瞬間をできるだけ充実して楽しむためにも、また一緒に練習してゆきましょう!若い力を、私たちの世代はとても求めています!(^^♪またご一緒できますように。

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