第50回日立フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会は中止となりました。
この状況下、リハーサルもストップしていました。今週末から再開を予定していましたが、緊急事態宣言の解除が延長となったことを受け、オーケストラも苦渋の決断をしました。大変残念ながら、企業オーケストラとしては、この状況の中での活動は難しいこと、十分理解できます。
ここまで、オーケストラ関係者の皆様、御指導くださったトレーナー、副指揮者の皆様、本当にご苦労様でした。ありがとうございました。
2020年の夏、そして2021年の3月と二回にわたり共演の予定でした。この第50回は当初マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」を予定していました。素晴らしいソリストの皆様、合唱団の皆様、大編成のオーケストラにお力添えいただく予定だったエキストラの皆様、音楽スタッフの皆様、準備を進めていましたが2020年の突然の新型コロナウィルス感染拡大により、この曲目を断念。そして夏の公演も中止として、この3月の第50回に向け曲目を変更して皆さんと準備を進めていました。
テノールの望月さんとは先日歌曲のピアノリハーサルを行い、久しぶりに柔らかな美しい歌声とご一緒できることに嬉しい時間を過ごしました。20年前までのオペラの日々、公演を何度もご一緒してきました。「夕鶴」での共演は特に忘れられません。今回は叶いませんでしたが、いつかまたご一緒できる機会をと願っています!
曲目を、「タンホイザー序曲」「シューベルト歌曲」「マーラー交響曲第1番」と変更しましたが、この3曲に流れるテーマはお分かりでしょうか。旅する若者、遍路の道・・・それぞれの作品の背景を勉強する中で、本当に大事にしたいプログラムという気持ちでいました。
自分にとっては珍しくワーグナーのオペラ鑑賞、視聴をまとめて行ったことも、歌曲のピアノ伴奏で勉強を進めたことも、すべてマーラーに繋がっていました。
この3曲に関する多くの資料については、お弟子様こと今回もアシスタント指揮を務めてくれた佐伯先生が、リサーチに多くの力を貸してくださいました。本当にありがとう!そして、演奏のヒントになるものをまとめて、リハーサル再開にむけてオーケストラに伝えてくれていました。感謝です。
日立フィルとは、本当に多くの共演の機会を頂いてきました。第8回定期演奏会が初共演。以来大きな編成の曲目が続いていました。まさにその集大成のような形で「千人」が、第50回に予定されていましたが・・・これはまた未来への宿題となりますでしょうか。
感染が終息し、自由な活動が戻ってきた時に皆さんと素晴らしいステージを作ることができるように、自分は学びを続けるのみです。そして音の喜びを、音楽の深い楽しさを一緒に味わい尽くしたいですね。
今回は残念でしたが、またいつの日か。どうぞ皆さんお元気で!
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