教育

新型コロナウィルス禍の中、日本の社会に潜在的にあった諸問題が浮き彫りになっている。見事に炙り出されている。
その中の一つ、「教育」についてこのところにわかに論争が熱くなっている。もともと自分は音楽教育学科出身、親も大学の教員で、何かと家の中には先生/学生の対峙する空気が子供のころからあった。我が家には父の恩師、父の同僚、父の教え子の皆さんが度々集ってくださった。時にはロシア人の皆さんも。また母も女子栄養大学の助手を若い頃していたそうだが、我々の子育てがひと段落してからは、保健所や日本料理の講師などで、やはり先生という立場で仕事をしていた。自分も学校ごっこなど、幼き頃の遊びで好きだった。そんな自分が大学生になったころから、「日本の教育おかしいよね」という想いを強くしていた。教育実習をした後はその想いがピークだった。時代はバブル期、大学のレジャー化が激しくなっていた頃でもあり、卒業しても仕事がたくさんあり、フリーでいたほうが良い仕事が入ると語る人も多かった。そんな危うい時代もあっという間に終わり、氷河期というものも超え、教育の環境もシステムも様々変化してきた。自分は結局教育の仕事には就かず(教員採用試験は受けず)、現状になっている。しかしご縁をいただき大学の非常勤講師という立場で、もう四半世紀の間授業を持っている。そんな時間が経過したのに、やはり大学生であったころ感じた「変だ」という部分は全く変わっていないという想いを持ちながら、自分も教育の現場に立っている。この点については、おそらく1週間、いや一か月、一年くらい話続けてしまいそうなので、今はやめる。
現在最も問題となっている、9月始まりに変更せよ!という話。
自分は、以前からそれを希望していた。何とか早くその態勢にならないものかと、思い続けていた。しかしそれには準備期間が必要。学校のシステムだけの問題ではないのは自明。しかし、今回のウィルス禍によりすでに大きくゆがんでしまっている教育のスケジュールが存在している。変更にはいずれにしても準備期間が必要。大変な状態ではあるが、この望まない理由ではあっても、前向きに変化へと踏み出せないものかと思っている。専門家の方による様々な意見もすでに出ている。学校現場の皆さん、法制を整える側の皆さん、子供たちを送りだすご家庭、そして社会組織すべて、関わる範囲は膨大だ。
1.9月入学希望の理由
これは欧米の学校とスケジュールを一緒にということが一番の理由。留学、あるいは帰国子女という立場になる人にとっても、タイムラグがなく相互に入学ができる。
2.夏休みというものの存在
文字通り、休むということにもっと一生懸命になったほうが良いとずっと思っている。日本はどうして休むことに恐怖心があるのだろうか。なぜ子供たちの自主的な学び、探求心、学校以外の体験に対して信頼をもって上げられないのだろうか、と感じている。名ばかりの夏休み。それが学年が変わる時に長期に休みを取れることで、例えば海外での講習会、研究会への参加が可能になり、旅という大きな勉強の時間を自分で作ることができ、それはかけがえのない力、すなわち生きていく力を養うという教育の最大の目的を果たすことができる。もしシステムが変ったら、欧米と同様に長期間の夏休みを推奨したい。
3.学齢の問題
これはシビアな問題になってくる。よく検討しなくてはいけない。特に初等教育において。

今現在、教育がストップしているところ、オンライン授業などで後れを取り戻しながら、通常のスケジュールに則り進めているところの差が出てきている。来年の入試にむけて喧々諤々となりそうだ。であれば、余裕をもたせて2021年の9月から新年度として、今は2020年4月からのシステムを2021年の6月くらいまで時間をかけて続けるとするのはどうだろうかとも考えてみた。この1年間が長くなる。そこには移行に際しての手続きや、現状の学業の遅れに対する補講、入試の準備、受け入れる側の社会システムの変化等々、盛り込んでしまう。もし自分がある立場を持っていたら、きっとそれを推進する。あくまで一人の指揮者の、一人の非常勤講師の独り言であるが 30年以上思い続けていた秋入学が急に話題になっている今、書いてみた。
春入学、桜の季節、日本人のもつ季節感、確かに大事にしたいところ。しかし、気候の変化で桜の時期は早くなり、入学ではなく卒業式となることも多くなってきた。南北に長い日本、地域により様々ではあるが。
猛暑の期間学校に通うことをやめることで、いろいろ良いこともあるのではないか。併せて働く場、社会全体も本当の働き方改革を一緒にできるのではないか。学校以外にも子供たちを受け止める場も増やしたほうが良いと感じている。言葉は適切ではないかもしれないが、共依存的な拘束状態が様々な改革を遅らせていると感じている。とにかく、新型コロナウィルスという敵は、地球人の問題を見事に炙り出している。恐ろしい奴だ。

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