Sibelius Festival 三日目終了

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今年の音楽祭のパンフレットです。7ユーロ。基本的な作りは全く変わりません。
それが良いところだと思っています。その年にクローズアップしている点がわかりやすいです。

三日目、GPが12時から。タピオラからスタート。
オーケストラのエンジンも疲労が見えながらもフル回転しているのがよくわかります。
本番にむけて指揮者とオーケストラの間が狭くなってきました。緊密なコンタクトを取るように本日は変わっていました。
タピオラ・・・・Tapioという森の神の棲むところ。
その世界はKoliの大地で体感し、そしてそのルーツは自分の中では幼いころの札幌にあります。
フィンランドのオーケストラが描くタピオラはどこも壮絶で荘厳で美しい。

クッレルヴォのリハーサルは少し駆け足でしたか・・・。
休憩時間に再びペトリ君と指揮者談義。今日の彼はちょっと「おかんむり」状態で、とうとうと彼の意見を語ってくれました。奏者としても指揮者としてもオーケストラに関わっている彼ならではの意見ですね。
そして音楽界全体への意見は、それはまさに同感であります。
「そんなに急いでどこへゆく・・・・」「静けさや音の隙間、間合いはどこへいった・・・」
minun mielestani etta…..ihan samastani….

14時半頃終了、16時からはプレトークもあるので部屋に戻らずに、マルヤッタさんたちと昼食を。
16時からのトークは事務局長とサラステ氏のトーク。英語でした。
今回の音楽祭のコンセプトについて、本日のタピオラ、クッレルヴォという両翼の選曲とその作品について、などなど。

開演17時。ほぼ満席でした。キャンセル待ちも出ていたようです。
外は小雨。少し冷たい空気。

タピオラは本番もっとも様々なことが成功していたと思いました。オスモさんとは違う爆発の仕方・・・。
細部の美しさをそのまま磨き上げ音にしてゆくオスモさんのタピオラは絶品でしたが、サラステさんのは一回りスケールの大きな自然の姿が見えたと思います。それにしても金管セクションの深く豊かなそして透明な響きには、吸い込まれるような想いでした。そしてフィンランドは低弦の層が厚いのですが、それが生きていましたね。

すぐに休憩・・・・
後半 男声合唱が全員入場し終わるまで客席の拍手は続いていました。
Lahden Mieskuoro(ラハティ男声合唱団)、そしてOtaniemi Kaiku(オタニエミ カイク)という二つのアマチュア合唱団の合同です。ラハティの合唱団は1904年に創立とのこと。オタニエミの方は2002年に創立。こちらは学生の集まり。ちなみにカイクというのは「こだま、エコー」という意味があります。オタニエミはエスポー地区です。そこの工芸大学の学生の合唱団なのですね。

特にラハティの関係者、それこそ街の「写真やさん」も歌っているという情報、地元の応援団が客席に多かったと思います。

クッレルヴォもこのシベリウスホールで拝聴するのは私はおそらく3度目ですが、オスモさん以外では初めて。
サラステ氏は本番の集中力が非常に高いタイプですね。そこには創造性というものも入ります。
簡単に言うと、本番で変化する部分が多い指揮者・・です。
それは2001年の出会いから度々拝見してきたものの、改めて本日それを実感しました。
今日は良い方に大きく変化したと、僭越ながら思いました。

楽譜の難易度も高い曲、アンサンブルもかなり難所が多い、指揮者のドライブいかんではオーケストラのストレスは相当の高いポイントに達する曲です。
サラステ氏の内側のとぐろを巻いているような情念が、このクッレルヴォに本番は良いものを生み出していたと思いました。
オーケストラの集中力も素晴らしかった。そしてヒュンニネン氏のクッレルヴォはやはり最高です。
あののびやかな音域の広いバリトンは健在。飾り気のないお人柄はそのままシベリウスの音楽の世界を見事に体現してくださいます。
そしてヘレナ・ユントゥネンさん。こちらも本番素晴らしくチャーミングに、そしてけなげに悲しく表現していました。彼女の作品への入り込み方がいつも魅力的なのですが、ルオンノタールで見せる透明な高音とは異なる声の表現を聴かせてくださいました。彼女の絶対的な音程感覚は素晴らしいです。
クッレルヴォも非常にオーケストラとコミュニケーションが取りにくい個所があるのですが、安定していました。

そして
男声合唱の皆さん・・・・・
erittäin hyvää! Olette erinomainen!
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こちらは終演後、ロビーで合唱団が集合して写真撮影をしているところをこっそり撮影させていただいたものですが・・・。ホールでは2列に整列してステージ上の席に陣取っていました。
 

 

 

 

北欧全般に合唱のレベルは高いのは有名です。またアマチュアの合唱団の歴史もある地域です。
そしてシベリウスが多くの男声合唱の作品を残したように・・・・男声合唱に素晴らしい団が多く作品も魅力的なものがあります。そのようなものすべてを一度に体感できたような至福のひとときでした。
 

 

フィンランドのオッチャンすごい!(また言います)
この写真からもわかるように、皆さん燕尾服でしたが とてもお似合いになりますね。(当然でありますが)
西洋の服なのだということをひしひしと感じてしまいました。美しく力強く・・・・
私も燕尾服は時々使用しますが、やはりそろそろ年齢的にも無理がありますね・・と感じております(泣)
 

第3楽章の初めユニゾンで始まるところから、なんと言いますかほとんど合唱に目が行きます、耳が行きます。
もちろんオーケストラも非常に素晴らしかったのです!!
第5楽章の美しく静かなハーモニーなどは、さすがにヘルシンキ大学に技術は軍配が上がると思います。
しかしその物語の背景が聞こえてくる。「自国のテキストを語る」という何か大きな世界がシンプルな暖かな力強い歌声から湧き出るように聞こえてきた合唱だったのです。感涙ものでし
た。
そしてアマチュアゆえにきちんと訓練されたアンサンブルの作り方、まとまり方というものも、
この曲の方向性にマッチして良いアンサンブルだったと思います。
アマチュアゆえの弱さも2か所見られましたが・・・・それだけでした。

Loppu ainaki urosta, Kuolema kovaosaista. 
クッレルヴォの最後の歌です。

<これが男の最期であり、悲運の者の死に方である>

潔さというものが、今回とても歌声から感じました。

mies kuoro.jpg

Kiitoksia!!!!
皆さん口々におっしゃっていました。
合唱団の素晴らしさを。メンバーの皆さん良い顔をしてこの写真撮影にも並んでいましたね。
 

 

サラステ氏もこれで3年つとめた音楽祭監督を終了。お疲れさまでした。
そしていろいろ質問にも答えて頂き、ありがとうございました!
益々世界で活躍されると思いますが、またどこかで拝聴します。
 

 

クッレルヴォ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

 

再び自分のタクトで・・・と強く思いました、本日。
 

明日は別の合唱団で、魅力的な合唱曲の数々です。

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