偉大な先輩を失う・・・

LKOのリハーサル見学から戻ってきてメールを開き、悲しい知らせを知った。

母校、都立両国高校の先輩であり、作曲家・指揮者の鈴木行一氏が本日急逝された。
にわかには信じられなくて、呆然としている。

7歳年長の先輩。東京芸大の作曲科に入学され、
大学院を卒業。鈴木先輩が教育実習の時にはちょうど私は高校3年生で、お世話になった。
何より、母校のOBオーケストラ、淡交フィルハーモニー管弦楽団を育て上げ素晴らしい活動を継続させてきた方。現在演奏される校歌の素晴らしい管弦楽編曲は鈴木氏の作品です。
近年は作陽音大で重要なお仕事をされていてご多忙と言うことで、OBオーケストラも離れられていた。

ブラームスを思わせる風貌、時にはお髭も、とにかく音楽への情熱は人一倍で、よく響く素敵な声で我々後輩にいろいろな御指導をくださった。自分もOBオーケストラでヴァイオリンを弾いていた時は、指揮者鈴木先輩については、粘り強く決して怒らず、とにかく作品の素晴らしさを何とかメンバーと共有しようと思考錯誤されていた姿しか覚えていない。アマチュアオケゆえの届かない部分に対しても、笑顔で繰り返しトライする時間をくださった姿勢や、時にはあまりに愚かなことをする我々に厳しい言葉が飛んでくることもあったが、すぐに「なぜそれが必要か」がわかることを話してくださった。

師匠黛敏郎氏のもとで、一時期「題名のない音楽会」の編曲などでもお忙しく活躍されていた。
作陽音大でも素晴らしいお仕事をされていたと伝え聞いている。

あまりに早いです。我々の前から去られてしまうのが。哀しみで一杯です。
昨年、そして来年とOBオーケストラの指揮を担当することとなっている自分。
それは鈴木先輩のつなげてきたバトンをきちんと受け取りたいという気持ちだった。
まだまだ先輩の大きな音楽への愛情には私は追いついていない未熟者であるけれど、
それでも次の世代へつなげるまでは先輩の背中を見ながらがんばろうと思っていた。

母校は来年創立110年を迎える。そこには偉大な先輩、鈴木行一氏の大きな歴史がある。
後輩としてきちんと未来への橋を渡してゆけるように精進を続けます。
先輩の笑顔しか覚えていない自分は、その笑顔が天国でも続くように安心して見守っていただけるように頑張るしかない。

心よりご冥福をお祈りします。先輩、見ていてください。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 新田さんの温かな追悼の言葉に感激し、投稿させていただきます。
    9月10日、故鈴木行一さんの告別式に参列しました。式は鈴木さんの合唱曲が流れる中、しめやかに進みましたが、くらしき作陽大、アンサンブル金沢、明治薬科大の方の弔辞では、皆それぞれに故人を偲び、涙を流されていました。私は淡交フィルでご指導を受けるのみでしたが、改めて素晴らしい方、そして音楽家を喪ったのだと、深い悲しみを覚えました。合掌。
    新田さんのフィンランドでの引き続きのご活躍をお祈りしています。また来年から淡交フィルをどうぞよろしくお願いします。

  • >長谷川英一様
    先輩、コメントをありがとうございました。鈴木さんの告別式に出席できなかったこと本当に申し訳なく思っております。多くの皆さんに音楽の素晴らしさを体当たりで伝えていらした先輩だと思います。本当に残念でなりません。教えを受けた後輩として、淡交フィルで少しでもお役に立てればと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
    長谷川先輩もどうぞお身体ご自愛ください。ありがとうございました。

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