Turku~Helsinki

今回、楽譜に関する重要事項が二つあり、一つはラハティ響、一つはトゥルクのシベリウス博物館。

久しぶりのトゥルクに到着。Raumaからはバスで1時間20分。最近フィンランドで勢いのある、Onnibusという会社の赤いバスでした。料金が格段に安いことで若い世代の利用率も高いそうです。この日は空いていましたが、学生たちが利用する路線では、2階建てバスが満員になるそうです。

ちなみにこのバスの登場で、従来のバス会社が価格競争を始めています。
今回ヘルシンキ空港からラハティに行くとき、片道10€と言われて、びっくり!鉄道がヘルシンキ~ラハティ間で速い列車ができてから、すっかりバスは利用率が減っていました。そのあたりの事情もあるのでしょうね。とにかくバスが安くなった。

ということで、無事にトゥルクに到着。
天気がよく夏の戻りのように気温が上がっていました。前日のRaumaでは結構寒かったのですが・・・

シベリウス博物館に勤める、Sannaさんにお目にかかるのが大きな目的。
10年前から、博物館所蔵の楽譜(初稿版など)の演奏許可を得た後、直接こちらに連絡して楽譜をお借りすることになります。来年、アイノラ響のプログラムで、再びこの博物館所蔵の初期バージョンを演奏することになり、楽譜について事前にやりとりをし、今回もお世話になるお礼参りというところです。

そして、シベリウスの自筆譜原本を見せていただきました。自筆譜はこのシベリウス博物館と、ヘルシンキの大学図書館に分散しています。その中でこの日は、交響曲第1番、第2番のシベリウス自身の楽譜を拝見。
第1番は以前研究用にコピーを入手していましたが、やはり原本に触れるのは大きく印象が変わります。
本物を目にしないと見えてこない部分もありますね。
そして第2番は、焼失箇所が多い楽譜。そのため不明な部分、謎の部分がありますが、今回現物に触れたことで、一か所答えへのヒントを得ました。うれしいひと時!

また、日本シベリウス協会の初代会長でもある、故指揮者渡邊暁雄先生が、1985年にこの場所で第2番を閲覧され、そしてコメントを遺されているそのメモも拝見することができました。貴重なものです。感慨深く光栄でした。

資料としてコピーを得ることは可能ですが、やはりこの場所で現物に長い時間向き合いたいと切に思いました。また、参ります。

博物館は常設の展示に加えて、特別展示があり、Sannaさんの息子さんが案内をしてくださいました。
詳細を丁寧に解説して下さり、楽しかったです。なかなか頭脳派の展示もありました。

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そしてトゥルクでは、現在トゥルク交響楽団のホルンセクションに契約団員として仕事をしている、
笠間芙美さんと再会!

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東京藝大の後、シベリウスアカデミーで学び、フィンランドのオーケストラで仕事を続けています。
フィンランドで仕事をする日本人音楽家、増えています。
この秋に来日するフィンランド放送響には4名の日本人がいます。若い世代、素晴らしいですね。

さて、トゥルクからは電車にてヘルシンキへ。
この滞在最後の公演、ヘルシンキフィルの定期演奏会を聞きます。

その前に少しの時間でしたが、こちらの方と再会。

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こんなTシャツを着ていますが、まったくお暇な人ではなく・・・・40分くらいの再会でした。

さて、夜はヘルシンキフィル。

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日本でもおなじみのフィンランドの指揮者、ストーゴードさんの指揮。
シベリウスの交響曲第4番、そして新しい作品・・・・

今回の滞在はヘルシンキフィルによる、カレワラに因んだ作品で始まりました。締めくくりもヘルシンキフィル。
本拠地のヘルシンキのホールで聞くと、また大きく印象が変わります。
この日のシベリウスの4番は、モダンな交響曲の側面が聞こえました。後半の現代曲の影響もあるのでしょうか。
Sunleif Rasmussen による Sym2"The Earth Anew”
フェロー諸島の出身である作曲家。コペンハーゲンで学び、ジャズなどにも手を伸ばしている作曲家。
男声合唱と、ソプラノ、バリトンのソロを必要とする45分余りの作品でした。この日が初演。
Yggdrasilユグドラシル、北欧神話に登場する一本の架空の木をテーマにした作品。これは宇宙樹とか世界樹と日本では言われていて、北欧文化協会の会報のタイトルにもなっています。
古ノルド語のテキスト、アイスランドの詩人であるSnorri Sturlusonにより12世紀に収集されたEddaの中から用いられているようです。

正直のところ、音楽の印象としては すぐに理解できるものではなかった。技法とテキストのもつ世界観の接点を、音楽的に感じるのが個人的な印象として難しかった・・・・・フィンランドでは多くの現代作品を耳にしていますが、はじめて「わからない」と、感じた作品に出合いました。この作曲家のほかの作品をもう少しリサーチしてみます。どうやら自分と同い年の作曲家のようです。
バリトンはデンマーク人、ソプラノはアメリカの方でした。合唱はThe Academic Male Voice Choir of Helsinki

これにて、今回の滞在でのコンサート拝聴はおしまい。
ラハティに戻りました。

 

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