杜の都コンサート2015終演

sendaiekikon2015+1.jpg2006年から始まった杜の都コンサート。JR東日本文化事業財団主催です。

私は3年前から務めさせていただきました。仙台駅構内という特別な環境での三日間、毎年テーマを決めて企画されます。企画音楽監督は 作曲家の池辺晋一郎先生。
今年はシベリウス&ニルセン生誕150年にあわせて、オール北欧音楽プログラムとさせていただきました。
選曲を含めて、自分の責任企画でした。

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(写真提供は、仙台ニューフィルの山江さんです。ありがとうございました)

北欧音楽は小品も山ほどあります。ただ、それを演奏するための楽譜の手配の問題もあり
なかなか演奏会で一度に多く取り上げることが難しい事情があります。
また、静けさに充ちた作品も多く、それをこの駅の環境で演奏することもまた難しく・・・
いろいろ思案しながらの今回のプログラムでした。

8日(金)
ニルセン 仮面舞踏会序曲
シベリウス カレリア組曲より バラード・行進曲風
グリーグ 歌曲「春」「君を愛す」 
シベリウス 春の歌
シベリウス フィンランディア

アンコール アンダンテ・フェスティーヴォ

ニルセンのこの序曲、私自身も初めて取り組みました。作品もニルセンという人物にも大変に魅力を感じている自分としては、ぜひともこの曲で幕開けしたく・・・入れました。
歌劇は喜劇で、シンプルな話、分かりやすい音楽です。
次のカレリアは、プロの楽団での演奏は久しぶり。コールアングレのソロをはじめとして、美しい抒情性、弦楽器の豊かな響きなど、ヴィープリのお城が思い浮かぶようでした。
グリーグの歌曲は、仙台出身のソプラノ、千石史子さんに歌っていただきました。千石さんは、シベリウス協会会員でもあり、以前も駒ヶ嶺さんとのデュオなどで聞かせていただきました。 北欧の森から出てきた妖精のような雰囲気を持つ方で、グリーグのこの2曲の名曲を、しっとりとそして透明な美しい響きで聞かせてくださいました。ありがとうございます!
シベリウス「春の歌」は、自分はもう随分回数を重ねましたが、いつ演奏してもやはり良い曲だと思います。
今回、公開リハーサルを聞かれた方が、終わってから声をかけて下さり、「春の歌、北欧の景色が見えるような素敵な曲ですね、気に入りました」と、おっしゃってくださいました。うれしいです!
北国のオーケストラの皆さんは、やはり春の喜び、冬の厳しさを知っていらっしゃいます。そこからくる、響きへの親和性、歌心への共感など、切々と感じます。
フィンランディアは、今回中間の賛歌の部分を千石さんに歌っていただきました。

アンコールは、アンダンテ・フェスティーヴォ、いやあ美しかった!

初日は終演後主催者によるレセプションもあり、関係者集合です。
音楽監督の池辺先生も、皆さんおなじみの「言葉遊び」全開モードで、大変に楽しいお話をたくさん拝聴しました。千石さんと、先生を挟み込み!

sendaiekikon2015+3.jpg<5月9日(土)>

二日目は、じっくりとSUOMIの響きを!ということで シベリウスのみのプログラム
ペレアスとメリザンドから、庭園の噴水
ヴァイオリン協奏曲から 第2、第3楽章
交響曲第2番から 第1・3・4楽章

ヴァイオリン協奏曲を、仙台フィルのコンサートマスターのおひとり、西本幸弘さんに弾いていただきました。
時間の都合で、後半の楽章のみとなりましたが、ぜひ全楽章をいつか!
シベリウスの協奏曲が大好きであるとおっしゃっていました。西本さんは英国で勉強されています。
英国はシベリウスの作品を作曲者存命中からとても多く演奏している国ですね。
後半の交響曲も、時間の関係もあり2楽章は割愛。作品としては、この楽章が要だと思っていますので、
今回はやむなしのカットです。限られた時間のリハーサルの中、そして耳のアンサンブルがとても大事なシベリウスの大曲、かなりオーケストラの皆さんにはご苦労をかけてしまったこの日のプログラムです。
しかし、素晴らしいシベリウスの世界を聞かせてくださいました。2番は、演奏回数は全世界をみてもダントツに多い作品ですが、決して簡単な作品ではなく。いつかまた全楽章を!と想い精進続けます。
冒頭のペレアスからの小品も、おしゃれなのですが結構アンサンブルの妙があり、その何とも言えない不思議感が魅力な作品です。
 

<5月10日(日)>

最終日はグリーグ。
ホルベアの時代より、プレリュードで幕開け。そして語り入りのペール・ギュントを演奏しました。
組曲の8曲をお話のとおりに並べ替え、最後に全曲版から「ソルヴェイグの子守唄」を持ってきます。
そのスタイルでここ15年ほど何度か演奏してきましたが、自分で語りも務めたのは今回で2回目。
2007年のグリーグメモリアルの年に、京響さんで機会をいただきました。

お話順にすると、本当は全曲版の冒頭の音楽が入ることで、次の「花嫁の略奪とイングリッドの嘆き」の曲が生かされるのですが、これも諸条件で今回は断念。
この語りは、原作を読むほどに「何を」盛り込むべきか思案です。別の方に語っていただくときも自分で台本を書いてきましたが、毎回少しずつ手を入れてきました。今回も、これまでのものから大幅に改訂!でも結局台本はあってないようなものになりましたね・・・・スミマセン(^_^.)
一昨年に京都大学の公演で、俳優の川下大洋さんが作成くださった台本、そして語りは本当に素晴らしかった。やはり役者の方の語りの呼吸、言葉の選び方というもの、ものすごく勉強になりました。

仙台フィルの皆さんの、ノルウェーの海、ヴァイキング魂を思わせる響き、そして悲しい・優しいグリーグの旋律をとても美しく繊細に歌心一杯に奏でていただいた今回のペール・ギュント、私自身心に残
りました。
本当にありがとうございました!

この日のアンコールは、フィンランディア。初日も素晴らしかったのですが、この日のフィンランディアも何か
また違うものが宿っていたように感じました。感謝です!

三日間のプログラム構成も含めて、自分の指揮者として、また語り部としての役割も「北欧」を柱として活動している自分の責任が大きかった今年の駅コン。お陰様で本当に多くの方が足を止めてじっくりと聞いてくださったコンサートとなりました。関係者の皆様、本当にお世話になりました。

毎年おなじみの方も多く、いろいろご感想をいただきます。絵をかいてくださったり、メッセージを下さったり、
そんな交流もこの駅コンがおなじみになっているということで、嬉しいことですね。

そして私自身は、毎年この機会に高校の同級生と会えるということも嬉しいのです。

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初日コンサートの前に、お会いしました。ご実家は都内です。結婚されてこちらへ。彼女も音楽部。
 

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今回は三日間とも聞いてくださって・・ありがとう!最終日は、ご夫妻でマラソンに出場された後に、
駅にかけつけてくださいました!

仙台もなかなか暑かったです。今年の春は本当に急激に通り過ぎ初夏となったようでした。
素晴らしい気候の中、北欧の魅力ある作品を演奏の機会をいただけたこと、感謝です。
神谷未穂さん率いる仙台フィルの皆様、ソリスト千石史子さん、西本幸弘さんありがとうございました!

 

 

 

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