<森と湖の詩>

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「増えています」

 女性指揮者は増えている、もはや希少価値ではない。これはこのところインタビューの際に必ずおこたえしている回答だ。アメリカはお国柄であろう、女性指揮者が多い。東欧圏では昔から複数の人がコンサートで活躍、中欧ではオペラの世界に多い。北欧圏は数は少ないが活躍が見られる。

  そして日本。私は久山恵子さんを音楽番組で幼い頃拝見している。その後にはブザンソン国際青年指揮者コンクールで優勝なさった松尾葉子さん。この紙つぶてでも先輩にあたる。ちなみにこのコンクールの時に私のフィンランドでの恩師オスモ・ヴァンスカ氏と松尾さんは一位を分け合っている。松尾さんの後徐々に国内でも増えている。現在は指揮科を持つ大学にも複数在籍している。

 国内にニュースが届かないが海外在住のキャリア組も増えている。十年前とは社会意識も格段に変わってきているのであろう。

 余談だが男女同権がモットーのフィンランドでは名詞に性別がない。尊称もあまり使用しない。そのため文章の中だけでは、この人物は男性か女性か不明のことが多い。初めのうち私も間違えて失礼したこともある。

 「ヨウコ」「アキ」「ミッコ」「ミカ」などはフィンランドの男性のお名前だ。そんなフィンランドでは女性の社会参加意識が高い。男性とともに半分は責任を持つのが当然という意見が多い。

 女性指揮者に対しても抵抗感やもの珍しさは持っていない。社会に対して自分のできることで役割を果たすべし、というシンプルな考えなのだと思う。日本でも素敵な活動をなさっている人は自然体でシンプルだ。やりたいことの力を磨くのみ。(指揮者)

「放射線−東京新聞」・「紙つぶて−中日新聞」
2004年7月14日夕刊 掲載

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