アイノラ交響楽団第14回定期演奏会終演

 昨日は雨模様の中、多くのお客様ご来場ありがとうございました。アイノラ交響楽団第14回定期演奏会、熱気を帯びた空気の中終演しました。関係者の皆様には深く深く厚く感謝を申し上げます。

フィンランド独立100年という年にちなんだプログラムコンセプトを、フィンランドの民族叙事詩「カレヴァラ」を背景とする2曲、そして、歴史絵巻への音楽である「報道の日」祝典のための音楽をもって作ることができたことは、本当に嬉しくこの機会に感謝しています。
2007年にも演奏した、「レンミンカイネン 4つの伝説」は非常に重く深い背景を持つ作品。なんといってもカレヴァラの中で最も縦横無尽に荒唐無稽にそして華やかに活躍するレンミンカイネンが描かれます。シベリウスの後期の作品に繋がる音楽の芽が重厚に描かれている作品を演奏するのは演奏者も気力体力が必要・・2度目とはいえ、弦楽器は大半がはじめて取り組むメンバーです。ぎりぎりまでリハーサルに時間を要しました。忍耐力を要する第3曲目も、この音の世界を愛するメンバーだからこそ出すことができた響き、描くことができた音の世界ではなかったかと思います。
曲の冒頭の和音。昨年演奏した交響曲第5番の初稿版冒頭と同じなのです。あのホルンのハーモニーで物語の流れが決まります!強力なチームワークでシベリウス作品の核となる部分を演奏してくれるホルンチームに大拍手です。
2曲目のトゥオネラの白鳥は、独立した作品としても度々演奏されますが、コール・アングレの大きなソロを2007年は松山さんが、今回は近藤さんが美しく奏でてくださいました。チェロ、ヴィオラ、コンサートマスターのソロの絡みも静かなほの暗い美しさを見事に繋いでいました。
4曲目も単独で演奏される曲ですが、オーケストレーションがなかなか特徴あり、実は難しいです。ヴィオラの方はよくご存じかと・・この「帰郷」がどの場面なのか・・シベリウスも明言していませんがカレヴァラ全体をして度々出奔と帰郷の場面を持つレンミンカイネンの溢れんばかりのエネルギーと、そうそう簡単ではない人生を感じる作品かと思います。軽やか・・ではないのですね。
交響曲に匹敵する「レンミンカイネン」で前半終演。

後半は日本初演となる作品を2曲。
いつかは手掛けたいと願っていたこの「報道の日」祝典のための音楽、この記念すべき年に許可を頂けたのは大変に有難く。シベリウスご遺族の皆さん、そして実用楽譜レンタルにご協力くださったオーケストラのライブラリー。心より感謝申し上げます。
昨年の5番初稿同様、パート譜は手書きで様々な書き込みや訂正が残るもの。スコアとパート譜の差異も多く残り、その訂正作業も大変でした。メンバーの皆さんそれぞれのチェックに助けていただきました。作品はお聞きいただいたように、「歴史的情景」に改編される前のものです。組曲のものと素材は同じでもテンポ設定が異なる曲、寸法が違うものなどあり、演奏側もなかなか面白く取り組んでいました。
1曲目は弦楽器お休み。管楽器と打楽器のみで始まります。なかなか勇壮かつ抒情的な素敵な前奏曲。情景2の「フィンランドのキリスト教化」の深いコラールはメンバーの皆さんも深い共感を持っていました。個人的に「鐘」がお気に入り。
情景5の「大いなる怒りの時代」も大変に深い音楽。そのあとに4小節だけの弦楽器による「幕間の音楽」が入り、「フィンランドは目覚める」に続きます。この終曲が現在のフィンランディアの原型。どこが違うのか・・・と皆さんしばらく??であったと思いますが最後の部分で「!!」という空気を背中で私も感じました。華やかなファンファーレが鳴らされ終止する第1稿でこの組曲は終わりです。

時間的に充分に交響曲ほどの時間。通常であればこれでおしまいの時間なのですが・・今年は特別に長いプログラムでした。
もう一つの日本初演、「火の起源」
ステージ後方P席に、クッレルヴォでも共演いただいた お江戸コラリアーずの皆さんが登場。そしてバリトンの大久保光哉さんによる厳かなカレヴァラの語りが歌われます。度々シベリウス&北欧歌曲で共演させていただいている大久保さんですが、テキストのドラマを描くこと、作品の背景を感じさせる空気を生み出すこと、とても力を持っていらっしゃるバリトンと感じます。「火」という大切なものを失った世界がどのように火を再び得たか・・決して華やかな内容ではないものの音楽のドラマは大変に深く激しく魅力的。前半の語りの部分を大久保さんが歌ってくださり、火を求める具体的な動きが始まると男声合唱が勇壮に奏でます。今回前半で大久保さんは立ち去るという演出も入れていただきました。
お江戸コラリアーずの皆さんについては、合唱の世界でも多くの方がその力をご存じです。我々は本当に幸いなことに2年前のクッレルヴォの折に合唱指揮者の松原千振先生のご紹介を得て共演の機会をいただき、今回に繋がっています。このご縁には本当に感謝しています。
美しいハーモニー、響きの純度、何をとってもリハーサルの時から目を見張る、そして感激の響き音楽を聞かせてくださったお江戸コラリアーずの皆さんに心より感謝です。大久保さんの素晴らしい歌唱とともにこのコラボだからできた初演だったと思います。本当にありがとうございました!
ここまでが本プログラム。
そのあとに3曲のアンコールが続きました。
男声合唱とともに、「レンミンカイネンへの歌」これが、さらに合唱の魅力を聞かせてくれる作品です。正直のところテキストはシンプルで、そのためか音楽もシベリウスには珍しい明朗活発わかりやすい!というもの。とにかく元気の出る曲!
そして、お客様の中には予想をされていた方もいらっしゃったようですが・・・男声合唱を含む第2稿の「フィンランドは目覚める」。エンディングがさきほどの第1稿と異なります。金管楽器による中間部旋律のセクションソロ!アイノラ響金管、本当に今回の超ハードワーク!を見事に乗り切り奏でていました。心よりブラヴォーと言います!
最後は・・アンダンテフェスティーヴォ。これを演奏しないと幕を閉じられないアイノラ響です。長時間の演奏時間となりお疲れになったお客様もあったと思います。最後までお聞きいただき本当に本当に心よりお礼申し上げます。

時間をかけて作品に向き合い作り上げてゆくという、アマチュア楽団ならではの取り組みで、このような素晴らしい作品を演奏できる機会を頂いていることに、あらためて感謝申し上げます。まだまだ指揮者としてやるべきこと、やらなくてはいけないことが山積しています。その責任も痛感しつつ、まずは昨日の公演を温かな拍手とお声がけを頂く中で終えられたこと、感謝します。
お世話になりました賛助の皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
演奏会の様子は、アイノラ響のオフィシャルページやウェブサイトで後日掲載されると思います。あわせてご覧いただけますと幸いです。
来年は、また新たな試みが登場します!
2018年4月8日(日)杉並公会堂大ホール
伊福部昭 ラウダ・コンチェルタータ
     (マリンバ独奏 山本勲)
シベリウス エン・サガ
シベリウス 交響曲第3番
コンセプトは「北方の舞踏」です!
良いステージ目指して頑張ります。

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新田ユリのFacebookオフィシャルページはこちら

 

下記の写真は、アイノラ響メンバーの方から頂きました。

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[2017年4月10日 15:08]

コメント(2)

 このたびも熱気溢れるコンサートを有り難うございました。
「報道の日・・・」の各曲を聴き進んで、最後に「フィンランドは目覚める」が置かれている必然性が実感でき新鮮な感動が体験できました。
「火の起源」はCDで聴くよりもずっと親しみやすく説得力があり,「こんなに良い曲だったんだ!」と改めて感じました。
 何よりの嬉しい驚きは「フィンランドは目覚める」第2稿がアンコールに登場したことです。中間部の男声合唱の美しさもさることながら、コーダが全く異なる版を実演で聴くのは初めてで、「フィンランディア」が完成するまでの過程を一日で聴くという何とも贅沢な体験ができて幸せでした。
 アンコールを含めて独立100年協賛にふさわしく誠にフィンランド色豊かなプログラムづくりと、その意図を価値ある音に仕立て上げてくださった新田先生以下の皆様に敬服です。「今日もアイノラ響を聴きに来て良かった!」

junsinさま

今回もじっくりお聞きいただけまして嬉しく思います。本当にありがとうございます。フィンランディアについては今回の原曲を演奏することにより、私自身も様々な発見がありました。
火の起源はやはり名曲です。声の力は素晴らしいです。
かなりボリュームのある公演で皆様にも大変な想いをおかけしたかと思います。アイノラ響のメンバーの頑張りに、心より拍手をと思います。
そして今回もご縁を得た、お江戸コラリアーずの皆さん、大久保光哉さんにも深く感謝です。

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森と湖の詩日記
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